Apple AirTagの致命的な欠点④
次第に書き残すことが日課になってきました。メイテイです。
持ち帰ったヒント
忘れ物センターの職員から渡された紙には、各商業施設の連絡先が書いてありました。
「ここが地下街の防災センター、それから、こことここも」
「あと、この先のみどりの窓口の近くには鉄道警察がある。参考までにそこにも行くと、なにかわかるかも」
鉄道警察! と思いました。外にある交番は最後に回ろうと考えていましたが、鉄道警察と管轄が異なる可能性があると直感しました。ひとまず各所に問い合わせてから、次は鉄道警察をあたることにします。お礼だけは忘れず、忘れ物センターをあとにします。
あとになって分かりましたが、鉄道警察と交番は情報を共有しています。直接、交番に駐在している警官に確認しました。
なので、いまとなっては「場所はどこでもいいのでとっとと近くの警察関連の駐在所に行ってください」と、このときの自分に言いたいです。
問い合わせ中毒
連絡先はいくつもありました。近くにある複数の商業施設、その統括をしている防災センター、紙にある限り、ありとあらゆる場所に電話をかけました。誰も来ない階段を見つけ、そこに座り込んで順番にかけていきます。ないのは鍵でしたが、家がなくなった気分になっていました。
「ありませんね」「届いてないですね」何度もそう聞きました。その度にお礼を伝え、また次の場所に電話をかけ、また同じ説明をして、またない。希望が持てないまま、今度は鉄道警察へと向かいます。
鉄道警察
コミュニケーションの密度が高すぎてとうにキャパシティは超え、鉄道警察にたどりつくまでに30分以上かかりました。うろ覚えの情報と検索を頼りに彷徨って、誤って階段を降ってしまい、目的地を見失いかけました。
鉄道警察隊の派出所に着くと、警察官が一人で応対をしていました。前の人に気が付かず入り、順番を待とうと考えていると「何か用ですか?」と聞かれ、「はい」と答えます。用がなければ来ません。「いま応対中なので、もしよければ地上の交番に行ってください」この人もなにか別の意味で追い詰められていそうでした。大変なときにごめん。交番に行くと遺失届を書かなければならないと考え、一旦、もう1箇所あたることにします。
迷宮ターミナル駅
交番の前に、地下鉄の忘れ物センターを尋ねました。鉄道業者が違えば届いている可能性があり、しかもAirTagの座標位置は、地下鉄の忘れ物センターから近い場所を示していました。
位置は変わっていませんでしたが、離れるとすぐに更新されなくなります。AirTag自身も見つかることを諦めかけているようでした。
僕自身にも昨日までの元気はないので「あの、その、落とし物をして。失くしたのは地下鉄ではないんですけど、ほかの忘れ物センターにはないって言われて。青いパスケースなんです。鍵がついてて」
しどろもどろに説明しました。「パスケース? 記名式の定期は入っていますか?」「パスケースなのに鍵がついている?」など、いくつかのやりとりをした後に、何人かの職員と相談しながら検索をかけてくれました。
「あの! 位置情報のタグをつけてるんです。この近くにあって」少し遠いですが、可能性を感じて賭けに出ます。いまできる手段は、情に訴えることだけです。しばらくの間がありました。
「届いてないですね。この駅にあるもう一つの忘れ物センターは大きいので、そこで聞いた方がいいのでは?」この人はあまり話を聞いていませんでした。とはいえ探してもらったのでお礼を伝えました。このあと、ついに交番にいく覚悟を決めました。
長くなってしまったので、これからの話はまた書きます。