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Apple AirTagの致命的な欠点①
友達と山登りをしていました。メイテイです。
それは楽しい休日になるはずでした
午後から登り始め、山頂で夕焼けを見て、月明かりすらない暗闇の中をドキドキしながら降りました。駅にある温泉に浸かって、腹ぺこの中焼肉を食べて、ついでにアルコールを引っかけて、心地よく帰る途中でした。
快速電車からホームに降り立ち、最寄り駅に着いたとき、通知は唐突に来ました。
「あなたの鍵が手元から離れました」
さーっ、と急速に血の気が引いていくのを、ついさっきのことのように覚えています。
すでに一度落としたことがあり、それがあってからAirTagを付けていました。
落としたのはキーホルダー付きのパスケースでした。いくつも重要な物が入っている、絶対に失くしてはならないものです。家の鍵も、クレジットカードも、身分証明書も入っています。
ポケットに入れておいたはずのそれはいつの間にかこぼれ落ちて、電車の中に置き去りにしていると直感しました。
すぐさま、改札にいる駅員に尋ねます。
「さっきの電車に忘れ物をしたんです、位置情報タグをつけてて動いてます。終着駅に聞いてもらうことはできますか」
本当はもっとガチャガチャ喋りました。家の鍵が入っているのです。こんなに疲れているのにまっすぐ帰れない。気が動転してどうにかなりそうでした。
駅員は「さっきの電車」がどれかを探そうとしてくれていましたが、みかねたベテラン駅員が後ろから出てきて相談に乗ってくれ、さっさと話し始めました。
「ああ、その電車は往復して戻ってくる。これから終着駅に連絡してもたぶん間に合わない。号車は覚えてる?」
「はい。10号車だったと思います」
「それなら、対面(といめん)……うん、反対になるから、一番後ろに乗ってたなら、先頭で待ったらいい。1番線」
その言葉を信じて、ホームに再び降り、電車が来るのを待ちました。
終着駅から動かない座標
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1番線に来る電車を、座っていたはずのシートの位置を友達と言い合いながら確かめました。そこにいたのは、車窓からシートの隅々を鬼の形相で見つめる不審者だったと思います。
AirTagの座標を見てみると、終着駅のままでした。ついさっき更新されているので、多少の遅れがあったとしても、電車に乗って戻ってくることはなさそうです。
「終着駅まで行こう。終電まではあと1時間はある」
そう言って電車に乗り、終着駅まで向かいました。都内有数のターミナル駅であるそこは、終電間際でも多数の人がいました。
長くなってしまったので、これからの話はまた書きます。
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