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上野駅、改札前で。

大切な友人と遊んだときのこと。

『人』という存在について、考えすぎてしまう私を、友人は、友人の言葉はさらっと包み込んでくれた。

「世の中考えない人間が多いから成長しない。考える私たちは偉い。」

家族や、会社の人、病院の人は、私のことをいつも『考えすぎ』という言葉で片付けた。その他者からの言葉は私に気付きを与えたと同時に、腑に落ちない、そんな簡単な言葉で納得できるわけがないという気持ちにさせた。

考えすぎと言われたらそうなのかもしれない。
でも、友人からもらった今日の言葉が、医者よりもよく効く大切な薬だった。医者よりも安心をくれた。
『考えることに対する加減を考えること』は、とても美しいと思う。『考えることそのもの』を考えることも美しいと思う。考えることは人間のスキルであるし、ときに考えることは人を苦しめる。でもそれさえも、美しいと思う。『考える』だけでなく、様々な言動は表裏一体で、紙一重で、そんな動作が美しいと思う。だからこうして、noteを書くこともできる。

なんて考えて友人と別れた私は、上野駅から電車に乗った。
私は上野駅が好きで、少し苦手だ。

元彼との思い出の駅だからである。
ここで待ち合わせして、ここで別れた。
他にも路線がある中で、そんな駅からいつも帰ってしまうのは、なぜだろう。
(これに関しては)もう考えたくもないが、
きっと、そういうことなのだろう。

上野の改札を通ろうとしたら、
男女のカップルが改札前で抱擁して
彼が彼女を見送っていた。

思わず、ほほえんだ。
思わず、涙が出そうになった。
思わず、思い出した。
思わず、考えてしまった。

きっと、そういうことなのだろう。



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