瞑想の習慣化について

※ご注意ください。
このテキストは、Kindleにて公開している「瞑想は最強のソリューションである(https://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B0CPJ2LRL7)」の読了を前提として作成されています。

この本で散々語ってきた通り、瞑想というものは凄まじい効果を持つ。
現在に集中するマインドフルネス瞑想。
縁起と観察力を養うヴィパッサナー瞑想。
利他愛を育む慈愛の瞑想。

だが、これだけの効力を持ちながら、現代に広まっていないのはなぜか?

仏教は広まっている。
インドの北部に始まり地域を超え、大陸を席巻し、海を渡り、現在では世界三大宗教の一つに数えられるほどに広まっている。

だが仏教が国教に指定され、国民の九割が仏教徒であるとされている国ですら、その国の国民の大半は日常的に瞑想をしていない。
僧侶を何よりも尊敬し、仏教的な道徳観に従って生活し、毎朝熱心にお布施をする彼らの大半もまた、瞑想をしない。

なぜか。
面白くないからだ。

慈愛の瞑想で俺は今までにない感動を味わったが、それは俺が長年の瞑想習慣を持っており、
十分な集中力を養っていたからこそ味わえた感動である。

この本を読んで、まずマインドフルネスからやってみよう! と思った人の大半は、早々にその現実を知るだろう。
瞑想は、やればやるほど効果が出る。
逆に最初は、あまり効果を感じない。
面白くない。

仮に瞑想に効果があると確信していても、それを毎日続けていける人は少ない。
それは腹筋を割ると決意し、実際に腹筋を割ることのできる人がほぼ居ないように。

だから瞑想で人生を変えるにあたって一番大切なのは、どのように習慣化するかということ。

俺の場合、最初はアプリでちょこちょことやっていた。
でも如何にモテるためとはいえ、毎日一時間は無理だという確信があったので、思い切ってガジェットを購入してみた。
MuseSという瞑想者用のガジェットだ。

脳波を測ることで瞑想中の意識状態を判断し、注意・散漫を音で教えてくれる。
終わったら瞑想のクオリティをスコアで表示してくれて、ポイントやらアワードやらといったものが獲得できる。
ようは瞑想をゲーム化してしまおうという試みだ。

これはとても効果的で、一時期は毎日楽しく瞑想することができた。
だがいつしか感動も薄れ、それなしでするようになり、やがて瞑想時間も少しずつ短くなっていった。
ちなみにこのガジェット、お値段は五万円である。

不思議だろうか?
確実に効果があると確信し、その効果を享受してもいるのに、なぜかやる気がなくなるのである。
ダイエットに何度も失敗している人は、その気持ちがわかるのではないだろうか。
長年筋トレが趣味だったのに、ある時からジム通いをやめてしまう人というのも結構多い。

俺はその後なんとか一日一時間の瞑想を再開し、やがて完全に習慣化することができた。
今では少なくとも毎日二時間は行っている。
だが、多くの人はそうもいかないのが現状である。

俺はかつて瞑想を勧めるに当たって、誰もができる習慣化の方法を探した。
どのような人が習慣化でき、どのような人が習慣化できないのかを徹底的に調査した。

結論は『他律化』。
誰かと一緒にやること。
勉強でも運動でもなんでもそうだが、他人を巻き込んでやれば、自ずとそれが習慣になる。

友達や恋人と一緒に瞑想を始める。定期的に瞑想仲間とのミーティングを設ける。
そのようにして、他者との関わりを持ちながら行動することで、瞑想が生活の一部として定着しやすくなる。

これで習慣を作れる人は、さっそく行動を開始してほしい。
瞑想はきっとあなたを幸せにするだろう。
ここまでこの本を読んでくれてありがとう。
欧米からあなたの幸せを祈っている。

問題は、これでは習慣が作れない人である。
他律化は人間の社会性を利用した強力な習慣術だが、それではうまくいかない人たちもいる。
恋人と仲が良すぎて甘えてしまう。意識の高い友人がいない。瞑想仲間を作れない、など。

では、どうすればいいのか?

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