![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165940599/rectangle_large_type_2_d6728b6b267e571a3e9746f333b6d6b3.png?width=1200)
司法書士のキャリアにおける未来とは
これから司法書士としてのキャリアパスを考える新人の方とお話をしていると、「信託」「企業法務」「上場企業との取引」など、華やかで将来性を感じる分野を目指したいと考える人が多いなと感じています。
私自身、資格を取得したときに「これからの司法書士は!」という言葉に影響され、そういった華やかな分野に挑戦したいと感じ、意気込んでいた時代がありました。しかし、実際に業界で一通りの経験を積んでみると、司法書士としての成功のカギは、基礎力だと確信しています。
「司法書士に必要な最も重要なスキルは問題解決力」
私が考える司法書士として最も重要な力は「問題解決力」です。これを養うにあたり、必要なプロセスとして、私が思う最短ルートは、司法書士としての基礎力を徹底的に身につけることだと思っています。司法書士としての基礎力とは最もポピュラーな不動産取引の場面における不動産登記実務、いわゆる「決済業務」です。
信託や企業法務といった特定の分野に進み、専門知識を身に着ける。
そんなキャリアに魅力を感じてしまうかもしれませんが、世間一般では、司法書士は不動産取引の専門家として認識されています。ここが備わって初めて司法書士を名乗れます。その基礎力を身に着けるには、まず”数”をこなすことです。
例えば、外科医であれば才能が必要とされる面もあるでしょうが、やはり執刀数だと言われます。司法書士の基礎力もまさに”数”と”経験”だと私は思います。不動産登記実務を身につければ、その下地の上に、いくらでも相続、信託、企業法務といった応用的な法律スキルは積み上げられるのです。
「他業務との不動産登記実務との関連性」
例えば、相続業務において、「相続登記後に不動産を売却したい」こんな場面やニーズは多々あります。その際、不動産取引の知識がなければスムーズに進められません。
「企業法務と不動産登記実務」
この分野にどんな関係性あるの?そんな風に思われる新人さんもいます。企業からの不動産購入の相談や、M&Aに伴う不動産移転の場面でも同様で、不動産登記、税金、手続きのプロセス等、適切な知識や経験が求められます。
「実務知識をアウトプットする重要性」
そして、問題解決力を高めるためには、実務知識をアウトプットする環境に身を置くことです。私が司法書士になった当時、債務整理が盛んな時代ということもあり、面談力を鍛える機会に多く恵まれました。しかし、このようなアウトプットの場が当時と比べると少なくなっていると感じています。そのため、司法書士事務所において積極的にクライアントとコミュニケーションが取れる環境に身を置くことが、キャリア形成において重要になります。
「総合的なスキルを得られる環境」
司法書士としてキャリアを築く上で、華やかな分野で活躍を目指すことは悪いことだとは思いません。ただし、その目的達成には基本的な実務スキルをベースにした問題解決力の強化が不可欠です。不動産や相続の知識を基礎に、多様な案件に対応できる能力を持った先に、司法書士としての成功があると思います。ですので、実務経験を積み、総合的なスキルを磨ける環境に身を置くことが、これからのキャリアパスを考える際のベストな選択肢と捉えてほしいですね。
非常に手前みそなお話なのですが、明成法務司法書士法人は、総合的な事務所だと思います。私が新人だったときに、キャリア形成を考えたときに、最適といえる環境だと個人的には思っています。