モラハラ夫の話 [逃げましょう]
さて。
今回は、前回記事で少し触れた「一人目の夫」にまつわる、擦り傷話です。
医師になってからの結婚式では医局の先輩や教授を呼んで気を遣うのが嫌だからと、国家試験の合格発表前に結婚した私たち。
ところが、彼は不合格💧
子供の頃から勉強もスポーツもよく出来て、外見にも恵まれ、ストレートで医学部に合格した彼にとっては、人生初かつ最大の挫折でした。
そこから翌年の合格を目指すことになった彼との結婚生活は、今で言うモラハラの嵐。
▪俺が頑張っているんだから、お前も何か資格取得を目指して勉強しろ。
▪一緒に頑張れないお前は、しょうもない人間だ。
▪納得いかなくても、女なんだからお前が従え。
など、怒鳴り声での人格否定が毎日毎日続きました。
友達と出掛け、帰りたくない気持ちから、つい帰宅が夜になると、玄関のロックをかけて閉め出され「お前なんかいらない。戻ってくるな!!」と怒鳴られたこともありました。
途方に暮れ、泣きじゃくりながら夜道を歩き、「自殺は親が悲しむからダメ。でも今、後ろから近づいてきているトラックがハンドル操作を誤って轢いてくれたら親も仕方ないと思うだろうし、私も楽になるのかな…」と考えていたことを覚えています。
そのような状態は、彼が翌年の国家試験に合格するまで続きました。
身体的暴力こそないものの、連日キッチンに追い詰められ、座り込んで暴言に耳を塞ぎ、いつの頃からか喧嘩が始まると出現するようになった過呼吸が収まるまで、泣きながら耐える日々。
たまらず、優しく話を聞いてくれた職場の同期に身を委ねたこともありました。
でも、不安定な精神状態では長続きするわけもなく、あっという間に離れて行きました。
モラハラという概念すら知らなかった、当時の私。
「自分が選んで結婚した人なんだから」「今の彼は、自信を失くしているだけ」「試験に合格するまでは支えないと」と、よくわからない責任感に縛られていました。
自身の選択(結婚)に責任を取ることと、逃げることの分岐点がわからなくて、本当に苦しかった。
彼もしんどいのに、自分だけ自由になるのはワガママなんじゃないか?という思いが拭えなかった。
でももし、今の私が当時の私に声をかけられるなら、迷わず、「すぐ逃げて」と言います。
彼も本当に苦しかったと思います。
でも、それは彼の人生における課題であり、彼自身が乗り越えないといけないことです。
自立したパートナーが自分の中で苦しんでいる時に寄り添うことは出来ますが、他人を卑下することでしか自分を保てないような幼稚な人格に、自分自身の心を傷つけられる必要はないのです。
心の傷は見えません。
ですが、その後の異性関係を振り返ることができるようになった今、考えてみると、その時に負った傷に、私はずいぶん長く苦しめられていたんだなぁと思います。
逃げて、更にもう一回の失敗を挟んで、今の夫と出逢えてようやく幸せになれるまでに約20年かかりましたから😅
正直言うと、あれが何のための結婚だったのか、未だによくわかりません。
けれど、もしこの擦り傷話が、誰かの勇気のキッカケになれば嬉しいです😊
私の真実:あなたの人格が否定されるのは、あなた自身に問題があるのではではなく、相手の心の問題。
相手の心の問題に、あなたが責任を負う必要はありません。