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ジャムを煮る

 唐突ではあるが、ジャム作りが好きである。
6年ほど前、通勤途中の農家さんの直売所でイチゴを見つけて「ジャム用」という、価格帯としては一段お得なものを買ってみたのがきっかけ。
 ジャム用とはいえ「小さすぎたり大きすぎたり(ここ大事)して見栄えの良い商品には不向きなイチゴ」が一堂に会したもので、味は遜色ない(地元民にとっては贈答用よりもお得で美味しいと評判)。こっそりつまみながら家に持ち帰って、残った分(笑)を、さあジャムにしてみよう!と思い立った。

ネットでレシピを検索して
*イチゴと同量(重量g)か7〜8割くらいの砂糖
*砂糖漬けにして数時間置いてシロップができるまで待つ
*アクを掬いながら煮詰める
という工程で1kgほどのイチゴを初めてジャムにした。 200〜300mlの瓶に5個分くらいであったか。とろみをつけるペクチンは使わず煮詰めただけなので、サラリとした暗赤色のジャムはパンに乗せるよりはヨーグルトにかけたり牛乳に入れてイチゴミルクを楽しむのに向いていた。

これが思いの外楽しかった。

砂糖を蜂蜜に変えてみる(やや蜂蜜の風味がイチゴに勝ってしまった)
砂糖をきび砂糖に変えてみる(若干カラメルっぽい味が加わって良き)
ラム酒を仕上げに振り入れてみる(煮ている間はラムの香りが立って良かったが、出来上がってみたらそうでもなかった)
ミントリキュールを仕上げに入れてみる(少し奮発して入れると爽やかな風味が加わって良き。ミントの生葉は葉っぱの質感がやや邪魔になってしまう。)
など色々試してみて
「果物+ミントリキュール」の組み合わせが変わり種としてはイチオシ、という暫定的な考察を得た。
イチゴはなるべく潰さず粒を残すと「大きすぎる果実」を面白くいただくこともできる(これは私見)。

その後は果物をいろいろに変えてジャム作りを楽しんでいる。

ブルーベリーは煮ている時の色が濃紺でいささか不気味にすら思える。ただとろみはとてもつくのでブルーベリーだけでしっかり塊感のあるジャムになる。
ブラックベリーはさらに黒っぽくなる。

数年前に庭に植えた桑が予想以上に繁茂して、さらに予想以上に立派な実を大量につけてくれるものだから、2年前からはもっぱら「桑の実ジャム」一本になっている。


2年前に初めて収穫したときのもの

桑の実は、集合体が苦手な人にはややグロテスクに見えるかもしれない。
大ぶりの実がつく品種を植えたせいか野生の桑と比べると実ももったりとして大きい。そして摘みごろの実は真っ黒(笑)。柔らかいので摘むときに指先が紫色(世に言う土留色)になってしまう。
味はというと見た目に似合わずほんのりとした甘味に少しだけカラメルのようなコクを感じる。イチゴやブルーベリーほどの個性は、ない。ただジャムにするとコクが少しだけ立ってくる。ミントリキュールとの相性が意外と良い。とろみは全くない。サラッサラである。どうもそういうものらしい。
欠点といえば、実を潰さずにジャムにするとくたくたに煮えた桑の実が意外と不気味なことであろうか。

今年もなんとか実の収穫をひと段落してせっせとジャムを煮ている。
趣向を変えてみようと、
実は煮る途中で潰す(ハンドブレンダー大活躍)
柑橘類の皮の砂糖漬けを加えてみる(これが大当たり)
工夫を施してみた。
潰したことでなんとなくペースト状になってしまったので果実感という点ではちょっと寂しい。
柑橘類の渋み(?)がいいアクセントになってコクのある味わいになった。少しトロッとした仕上がりも良き。
以前に友人から文旦をいただいて文旦ピールを作ってから、こちらも手に入れば作って楽しんでいる。

これだけジャムを作っているのに、主食は圧倒的にご飯(爆笑)なのである。
休日の朝にトーストを焼くので、そこで「そら、出番ですよ!」とばかりに乗せる。ヨーグルトに入れる。
サラッとした桑のジャムは炭酸で割っても美味しい。
実家と職場に配って引き取ってもらう(笑)。

結構楽しんでます。ジャム作り。

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