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定期演奏会が終わった
先週末、オーケストラに飛び込んでからずっとお世話になっているMフィルの定期演奏会があった。
コロナ禍で演奏会はおろか合奏練習が1年強中断した時期もあったが、今回で14回の参加になる、はず。
やっぱり難曲だったモーツァルト
映画「アマデウス」冒頭の曲に痺れてプログラム候補に推してしまった交響曲25番。正直にいうと、まあボロボロだった。
ただでさえ苦手なホルンの高音域、全曲を通して1番と3番は高音域しか出てこない。メロディはシンプルながら、いやシンプルだからこその難しさというか。
とにかく高音のメロディが目立つ(笑)。そういうふうに作曲したのだから当たり前なのだけど。綺麗な高音がキラッと光れば大成功、なのだが。
先生とのレッスンでは高音の基礎練習を増やして曲の練習は丁寧に、と練習してきたのだが。
曲の流れの中ではそう簡単にうまく行くわけでもなく。
前日のゲネプロではなんとか1楽章は吹き切ったものの3楽章で音が割れてしまい4楽章では奇跡的にHiFからの跳躍が(なんとか)出た、という状況。
当日に至っては午前中の通し練習ではさっぱり音が当たらず。焦っても良いことはないと直前は最低限のウォーミングアップだけでのんびりと過ごしてしまった。
昼食を軽く済ませて本番前のロビーコンサートで演奏したホルン五重奏でなかなか吹けなかったHiEsがスコンと吹けてから
「・・・なんとか・・・なるのか?」
前プログラムの「魔弾の射手」序曲は冒頭のホルンアンサンブルが流麗に響き渡り、
「ここまでうまくできたらモーツァルトはしくじっても許されるんじゃないか」というよくわからない考察に至り、妙に落ち着いて舞台の席に座った。
冒頭の高音は嬉しいことにおおむね練習通りに吹くことができた。後半で雑になったが第1楽章はおおむね良く吹き切ったと思う。
比較的音域が低い第2楽章を終えて第3楽章のメヌエットも、指揮者戦と一緒に繰り返しを忘れる未遂を起こした以外は懸案のHiEsは割れながらも「当たった」。
ただ終楽章は疲れが出たのかHiFがことごとく出ずに終わってしまった。
終わってから指揮者先生が立たせてくれたのは「謝罪のお辞儀」だと思っている(笑)。袖で聴いてくれたステージマネジャーのホルン先輩は「練習よりずっと良かった」と労ってくれたけど。
メインプログラムのブラームスは、
「もう後のことは考えずに思い切り吹ける!」という気持ちが強かったと思う。
3番4番を一緒に戦ったホルン兄さんも「吹き切ってやる!」とばかりに咆哮していた(もちろんホルンが)。
「兄さん(3番)がそう吹くなら私もそれに乗らねば。」と、特に第4楽章はだいぶ「煽られた」とトップのホルン妹が終わってから笑って話していた。
練習はあんなにも回を重ねて毎回懊悩していたのに、本番はあっという間である。
本番翌日の今日、早くも録音がファイルで送られてきた。
恐る恐る聴いている。
冷静に聴けばアラの多い演奏だけど、「この時吹けることは全部吹いた」という気持ちも強いのだ。
お金を払ってプロの演奏を聴きに行けば、いやCDでももっと素晴らしい演奏を身近に楽しむことはいくらでもできる。
それでもアマチュア演奏家たちが仕事をしながら寸暇を費やしてオーケストラや室内楽を演奏する、その心は?
ああ、終わっちゃった。
でも楽しかったんだよ。
楽しんで聴きにきてくださった方もおられたのよ。
多分この時の心境が答えなのだ。きっと。
打ち上げは、当団のホルンパートにとってはもう一つの「裏メインイベント」があったのだが、まあ込み入った話(?)で面白いのでまた書きます。
疲労と寂寥感と、腫れてジンジン痛く唇にせっせとリップクリームを塗り塗りしながら。