走っちゃう子の幼稚園探し⑤〜面接直前!ギリギリ発達資料作成〜
「今月はOTもSTも何もありません。というか、集団療育枠が使えるのは1年間に1人1クール(7回程度)だけなんですよ。ああでも個別面談なら、この日程取れますけどどうします?」
これは都内の幼稚園面接日程が迫る9月中旬には連絡します…と言っていたにも関わらず、最終週の金曜日まで無連絡であること心配した保護者の私が自治体の児童発達支援センターへ電話した際の担当職員の言である。
----おいおい、嘘だろう。
9月上旬の集団SST終了日に、今後は個別を月一で…と言われた。
それを疑わず、センターを信じて待っていた私は言葉を失った。
何せ、過去現状全ての発達状態のアセスメントデータはおろか1クール分の集団SST内での評価も公式に貰えていない。一部の自治体児発では有効活用されているらしいi-Fileすら、保護者が勝手に書き込むだけのメモ帳然としたものになっている有様である。
肝心の息子はというと、理解は年齢月齢相応である半面、発語は2語文がポロポロ、名前も年齢も9月の段階ではまだ言えない。しかも食事や好きな遊びに上手く入り込めた時には座れるものの、そうでない時との差がすごい。
なんならこんな状態の息子なのに、先述の担当者は名前の発声練習をするな等、疑問でしかないような事を言っている。
----センターの言い分を信じ続けた上で面接日を迎えて自然な姿を見せるといっても、仮に自閉の殻に入ってしまう状態だと、素直で実直な性格であることや、理解力のある良い面を伝えるのが難しく、ひたすら悪い面が主に幼稚園側に伝わってしまう。
全ては保護者の自分達が情報不足で行動しきれてないのがいけない。
例え必要でも、支援は自動的に手元へはやってこないのだ。
これまでもセンターへの対応には苦慮してきつつ園探しに奔走して、やっとの思いで受け入れて下さりそうな園を見つけたというのに。
悠長にしていたのが仇となって、直前の状態確認や調整の相談も出来ないだろう。
そうなるともしかすると良い結果は望めないかもしれない。
…きっとそう言われても無理がない。
だからと言って(※)このまま無園児泣き寝入りコースに陥る訳にはいかなかった。
◇◇◇◇◇◇◇
そんな状況下で児発の手を離れて面接用意をすることとなった我が家。
実際に9月下旬から10月半ばの願書配布日迄の近々のスケジュール内でやったこと、作って便利だった資料・情報、並びに想定外だった園側からの配布物は下記の通りです。
①息子への「療育経過について客観的評価情報」を得る
この記事冒頭の様に、9月中旬時点で全くデータは貰ってない状態でした。
それでも一応貰えないかどうか自治体の児発センター担当者に尋ねたところ、「過去の発達検査のデータにこだわらない方がいい、現状での検査はしない」と情報をモヤモヤと出し渋りをして、更にタイミング的には出来る筈なのに検査もしなかったのです。
ただそれでも児発センターでの情報を全く諦めるのは良くないと感じ、電話口で食い下がってSSTでの息子の様子、かかわりでの変化など行動観察についての評価を聞き出したのでした。
勿論専門職としての担当者の考えはあるでしょう。しかし検査なり評価情報なりが保護者側に伝わっていないと、これから子どもを預かる立場の園としてはとても困ると容易に想像出来ます。
だからこそ見学に出向いた折りには、
「療育の先生は○○についてどう仰ってますか?」
と、他の子どもと一緒に園で過ごせるかどうか考える為に特性についての客観的な評価を尋ねる場面が必ずありました。
②「発達情報の現状についてのセカンドオピニオン」を得る
次にやったことは、前々から目をつけていた個人経営の療育教室に問い合わせて初日予約をとること。
そこで何をやったというと、入室に際しての発達検査を受けて、息子の評価情報をセカンドオピニオン的な意味合いで得る事でした。
自治体児発の息子への見解は過去の記事で触れた様に私達保護者側からみて疑問を呈さざるを得ないものでしたし、加えて今際の際に上述①の通り情報提供を渋る態度も見られた為、的確な評価を新たに得る必要がありました。
その結果、運動能力・理解言語は月年齢相応〜以上であるのに対して、表出言語は半年程度遅れがある状態が浮かんできたのです。
この数字が新たに得られた事が何にも変え難いくらい有り難いものでした。
現状でどういう凸凹の特性を持った子どもなのか、面接時に本人の様子と照らし合わせて、先生方にイメージして頂き易くなるからです。
③総合資料をつくる
最後に①と②の資料をもとに、Excelを使って現状の息子に関する総合資料を作成しました。
全ての情報を開示する事はないだろうけど、後々の本人の記録や問題発生時の解決ヒントになるとも考えたので、3歳前の段階での記録については、以下の通りまとめました。
・★①の集団療育の行動観察評価
・★②面接直前の発達検査結果、評価
・語彙数、内容
・特性に起因する行動パターン
・苦手なもの
・感覚過敏
・★今後の展望
これを印刷→ファイリングして自宅保管しています。願書提出の際には園にここから★のついている項目をA4一枚分にコピペ抜粋したものをお渡ししました。
また感覚過敏やパニック対応、常同行動などの困り事に繋がり易い項目については、この記事を書いている年少入園直前の時期に顕在化していて、入園後も引き続き継続しそうなものについて編集して、担任して下さる先生にお渡しする予定にしています。
またこれは私が作成した資料とは別途の話ですが、第二希望で候補にしていた園(中規模園)では、発達問診票が願書と共に配られました。
問診票を手にしても別段臆する事はなかったですが、最初から書面で細かくアプローチをされる事が想定外でした。
曰く、
・市の児発への通園の有無、頻度、内容
・オムツ外しの進捗状況
・言葉について→理解言語と表出言語の状況
・食事の自立度
等、かなり突っ込んだ内容です。
これは園側がキリスト教の慈愛精神を大切にされており、発達っ子以外にも近隣の児童福祉施設からも入園を受け入れておられる都合で、現状でどの様な発達段階にあるのか全ての子どもを対象に詳細な情報を求めたいからとのことでした。
その上で、児発に通っているからといって不合格になる訳ではないし、寧ろ事前に園側に詳しい資料が貰えると保育に活かせるから有り難い。問題はその子自身がここの園で楽しく過ごせるかどうかですから、その為にも療育と並行通園も可能です・仰っていたのが印象的でした。
この通り面接前にまとまった資料があると、とても便利だと感じる場面が多かった。それが専門家のご意見の寄せ集めた超突貫工事仕様のものであっても、非専門家の保護者が口頭で説明するよりも遥かに説得力があったのです。
かくして10月半ばの願書配布日を終え、いよいよ面接の日を迎えるのでした。
(※)筆者の在住地域では、保育園は両親フルタイムでも入れず偽装離婚者が出たり、一般的に発達課題がある子の受け皿とされる公立幼稚園・子ども園等はなく、保育園もしくは私立幼稚園に年少迄に入園が叶わなかった場合にはかなりの確率で就学まで無園児になってしまいます。
また加配枠についても手配出来る園と人数が市の方針で予め決められています。そちらも0〜5歳児の全ての年齢枠で5人〜10人以下、しかも申請の段階で手帳ないし診断書必須(意見書は不可)、しかも不定期募集です。
9〜14時の母子分離の預かり型療育園は毎年10名募集のみの狭き門で、軽度〜グレーゾーンの子は基本的に入園出来ない現実があります。
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