めいのぼやき27 感性を磨く
バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
詰将棋創作が上達するためにはどうしたらいいでしょうか?
ハッキリした解が存在するなら私が教えてほしいくらいです。
それでも自分なりの考えを書いていきたいと思います。
1.創作に必要な能力
良い詰将棋を作るには大きく分けて二つの能力が重要だと考えています。
(1) 感性 (2) 技術
ここでは感性を磨くことについて書いていきます。
2.感性の重要性
感性を磨くことは技術を向上させることより重要だと思っています。
技術を持っていなければ詰将棋を完成させることはできません。
しかし、「こういう風に作ろう」という方向性がなければ、そもそも創作に取り掛かることはできません。
そこで重要になってくるのが感性です。
3.自分の感性
感性という言葉だけではあまりにも曖昧です。
もう少し具体的に書きます。
(1-1) 自分はどういう詰将棋を良いと思うのか?
(1-2) 他の人はどういう詰将棋を良いと思うのか?
(1-1)は特に重要です。
自分を感性を多少なりとも把握できていなければ、創作の方向性を決めることはできません。
「自分は何を作りたいのか分からない」という状態では、そもそも創作に取りかかれません。
4.他人の感性
詰将棋をどこかに投稿して他の人に見てもらうなら、(1-2)も無視できません。
自分が良いと思う作品を投稿するのは大前提ですが、他の人に見てもらう以上「他の人はどう思うか?」という視点を欠いてはいけません。
ただ、この辺りのバランスの取り方はとても難しいです。
他人の目を気にしすぎた作品は、私の経験では大体面白くありません。
適度に独りよがりな作品であった方が良いと私は思っています。
5.自分の感性の磨き方
では、感性を磨くにはどうしたらよいでしょうか?
とにかく多くの詰将棋作品を鑑賞するしかないでしょう。
鑑賞のポイントは
① 作品の狙いは何か?
② どの作品を良いと思ったか?
③ なぜ良いと思ったか?
をしっかりと言語化することです。
6.他人の感性を知る方法
他人の感性を知るにはどうしたらよいでしょうか?
これは他人に聞くのが手っ取り早いです。
しかし、私みたいにぼっち(!)の人はどうしたらよいでしょうか?
そういう場合は詰将棋パラダイス誌の結果発表のコーナーを読みましょう。
結果発表のコーナーには大体”短評”という解いた人の感想が掲載されます。
これを読むことで他人の感性に触れることができます。
自分が抱いた感想と比較しながら読んでいくと色々な発見があります。
7.要はどうすればよい?
要は、詰将棋パラダイスを読みましょうということです。
ただ、作品の出題と短評がセットになっているものは他にもあるので一部紹介していきます。
7-1 詰将棋パラダイスHP 懸賞詰将棋
詰将棋パラダイスのHPでは毎月詰将棋が出題されています。
解答と短評を募り、その結果は誰でも無料で見ることができます。
7-2 裏短編コンクール
裏短編コンクールというネット作品展の記事も役立ちます。
難しい専門用語が出てくることはありますが、基本的には丁寧に解説されているものが多く、鑑賞にうってつけです。
8.著名な作家の感性に触れる
他人の感性に触れるという意味では、詰将棋作品集を読むのも有効です。
良い作品と良い考えに触れることはとても重要です。
下記リンクで様々な詰棋書が紹介されているので、購入する上で参考になるでしょう。
ちなみに、私が好きな詰将棋作品集は若島正著「盤上のファンタジア」です。
何度読んでもワクワクするので、定期的に読み返しています。
以上、感性の話でした。
重要ではあるものの、なかなか掴みどころのない要素です。
今回の話はあくまで自論なので鵜呑みにしないようにしてください。
「詰将棋創作が上達する方法」なんてのは、そもそも扱うのが非常に難しい分野なのです。
それでも誰かの参考になったなら嬉しいなと思っています。