駒井めい

バーチャル詰将棋作家✨

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    詰将棋創作に関するQ&A

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    Web Fairy Paradise(http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/wfp.html)を読んだ感想です。

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    バーチャル詰将棋作家・駒井めいのぼやきです。

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    バーチャル詰将棋作家・駒井めいの日記です。

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    詰将棋メーカーに投稿されたフェアリー詰将棋の中から、投票によって優秀作を決める制度

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詰将棋作家の視点

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。 同じ素材を与えたとき、詰将棋作家はどこに着目して逆算するのか? というのが今回の企画の趣旨です。 具体的には下記の課題をTwitterで出題しました。 ----------------------------------------------------- 【 課題 】 下記の3手詰の素材を逆算して5手詰にしてください。 更に逆算できそうなら、好きなだけ逆算してもらって構いません。 併せて創作初心者に教えるような感じで解説文を書いて

    • 詰将棋創作相談室「長期間かけて1つの作品を完成させるのが苦手です。」

      詰将棋はサクッと完成する場合もあれば、どこかで行き詰まるなどの理由で完成に長期間を有する場合もあります。 完成期間が長期化する要因として、モチベーションの程度も深く関わっています。 詰将棋創作自体に飽きてしまうこともあるでしょう。 思い付いたアイデアで作ってみたら案外面白くなくて、その作品への興味が失せてしまうこともあるでしょう。 詰将棋を創作する者ならば、誰しもが経験していることだと思います。 ここで大事なのは、「詰将棋創作に締切はない」ということです。 作品展の応募締

      • 詰将棋創作相談室「作品の良さを評価する力を身につけるには、どうすればいいですか?」

        詰将棋を芸術作品と扱った場合、「良い詰将棋」とは「将棋の実戦では見られない世界が表現されているもの」だと私は思っています。 詳細は過去の記事をご覧ください。 この記事では、「詰将棋の良し悪しを自分で評価できる力」をどう身に付けたらいいかを書いていきます。 まず大前提として「作品の良し悪しに正解はない」ということです。 作品を見たとき、人によって抱く感想は異なるのが普通です。 「”良い”と評価する人が多い」という状況は存在しますが、結局それは正解でも何でもありません。 詰

        • WFP2024年10月号 感想

          バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。 Web Fairy Paradise 2024年10月号(第196号)の感想を書いていきます。 1.王手を無視する詰将棋(pp.3-4) 1.1 禁則により王手が無効化されるルール 図1は、王手判定時の仮想的な玉取り(※)よりも、二歩禁を優先する「利き二歩無効」の例。 (※ 仮想的に相手番を無視して続けて指したときに相手玉を取れるなら、その前の局面は王手をかけていると判断する。) 仮想的に玉を取るとき、二歩になるなら王手ではない、と

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          詰将棋創作相談室「詰将棋の類似作のチェックは、どの程度すればよいでしょうか?」

          詰将棋は将棋という枠組みで表現するため、盤の大きさや駒の種類・数は有限です。 ただ、完全作(※)になる駒配置は、相当数のパターンが存在すると思われます。 (※完全作:余詰などの不備がない詰将棋のこと。) しかし、別々の作者が似た価値観で創作した結果、同じような作品を得ることはそこそこの確率で起こります。 特に起こりやすいのが、好形・好手順の作品です。 詰将棋を芸術作品として扱った場合、作品のオリジナリティはとても重要です。 逆に言うと、過去に発表された作品との同一性は、作品

          詰将棋創作相談室「詰将棋の類似作のチェックは、どの程度すればよいでしょうか?」

          詰将棋創作相談室「新規性のある作品は、どこに投稿すればいいですか?」

          「いい詰将棋ができた!」となったとき、作品はどこに発表したらいいでしょうか。 当然これは作者の自由です。 ただ、作品を世に出すからには、適正な評価を受けられそうな媒体に出した方がいいと思います。 「いい詰将棋だと思うんだけど…誰も見てくれないな…」となっては、せっかくの自信作が勿体ないです。 自信のある詰将棋作品は、基本的には専門誌に投稿するのがいいでしょう。 詰将棋パラダイスや将棋世界が挙げられます。 ただ、将棋世界は詰将棋専門誌ではないので、読者層の関係で好形・好手順が

          詰将棋創作相談室「新規性のある作品は、どこに投稿すればいいですか?」

          詰将棋創作相談室「1500手越えの詰将棋は、今世紀中に現れると思いますか?」

          サムネイルの通り2つ質問をいただきました。 前者の質問には、既に別の記事で答えています。 ここでは後者の質問に答えたいと思います。 この記事を書いている2024年10月26日現在、最も手数が長い詰将棋作品は橋本孝治作「ミクロコスモス」(初出:詰将棋パラダイス 1986年6月、改良図:詰将棋探検隊 1995年)です。 手数は1525手に及びます。 記録は40年近く破られていません。 この事実だけでも、如何に凄まじい作品かが分かると思います。 ミクロコスモスに限らず、非常に長

          詰将棋創作相談室「1500手越えの詰将棋は、今世紀中に現れると思いますか?」

          詰将棋創作相談室「人間離れした作品は、どうすれば作れるのでしょうか。」

          サムネイルの通り2つ質問をいただいたので、ここでは前者の質問に答え、後者の質問は別の記事でお答えしたいと思います。 田島秀男さんと言えば、歴史に残る傑作を何作も発表している詰将棋作家です。 詰将棋の歴史を語る上で、間違いなく名前が挙がる作家の一人です。 「人間離れしている」と表現するのが適切かどうか分かりませんが、そう言いたくなるほど驚異的な作品を発表しています。 田島秀男さんを初めて知った人は、ちょうどいい動画あるので紹介しておきます。 それでは本題。 「人間離れした作

          詰将棋創作相談室「人間離れした作品は、どうすれば作れるのでしょうか。」

          詰将棋創作相談室「良い詰将棋の評価基準が分かりません。」

          ほとんどの人は、棋力の向上を目的とした「練習問題としての詰将棋」から詰将棋の世界に入ってきます。 そこから何かしらのきっかけで、「芸術としての詰将棋」の世界に入ってくるわけです。 詰将棋を練習問題と位置付けている人は、「実戦で現れそう」「手数が長くて難しい」など、棋力の向上に貢献するかどうかが評価の基準になるでしょう。 詰将棋を芸術作品と位置付けると、評価の基準は全く変わります。 「人間が生み出した創作物である」というのが、基本かつ重要な出発点です。 このとき、詰将棋を通じ

          詰将棋創作相談室「良い詰将棋の評価基準が分かりません。」

          詰将棋創作相談室「握り詰を自分で作れる気がしません。」

          握り詰とは、駒の山から適当に駒を握り、その握った駒全てを使って作った詰将棋を指します。 まず認識しておくべきことは、「握り詰を作るのは難しい」ということです。 「使える駒はこれだけですよ」と縛りをかけているので、作るのが難しくなって当然です。 使える駒が制限されて最も困るのは、余詰など不備をなくす工程のときです。 完全作(※)にする難易度が通常よりも上がっているので、表現できることが必然的に限られてきます。 (※完全作:余詰などの不備がない詰将棋のこと。) それにもかかわら

          詰将棋創作相談室「握り詰を自分で作れる気がしません。」

          詰将棋創作相談室「手数を決めて作るのが苦手です。」

          表現したい狙いに対して手数が決まってくるのが基本です。 ただ、「初級者向けに3手詰を作りたい」「難解な1手詰を作りたい」「投稿先に手数の指定がある」など、手数が先に決まる状況もそこそこあります。 「手順を逆算して手数を延ばしていく」創作方法(いわゆる逆算法)でやる場合、目的の手数まで逆算したら止めればいいです。 ただ、どのような手順が逆算できて、どれくらいの手数まで延ばせるかは、元の素材(と技量)に依存します。 「目的の手数=作品としてベストな手数」になるとは限りません。

          詰将棋創作相談室「手数を決めて作るのが苦手です。」

          詰将棋創作相談室「詰将棋を作ってみたいのですが、難しそうで手が出ません。」

          何かに興味を持ったとしても、実際にそれを始めるのはエネルギーが要ります。 「いきなり難しいものを作ろうとしている」のが、ありがちな原因の一つです。 素晴らしい詰将棋作品を見て、「こういうのを作らなければならないんだな」とハードルが上がってしまうのは、ある意味自然な反応と言えます。 そういう人はまず1手詰から挑戦してみてください。 意気込んでいた人は「1手詰?」と思うかもしれません。 1手詰だって詰将棋であることに変わりはありません。 そもそも詰将棋作品を創る上で、手数はま

          詰将棋創作相談室「詰将棋を作ってみたいのですが、難しそうで手が出ません。」

          詰将棋創作相談室「推敲でどこを直しますか?」

          「とりあえず完全作(※)になった!」という段階では、まだ完成ではありません。 (※完全作:余詰などの不備がない詰将棋のこと。) ほとんどの人は「気合でなんとか狙いを実現した」という状態かと思います。 もっと良くなる余地を残していることが多々あります。 私の場合「狙いを表現するのに、配置や手順は最善なものになっているか?」と自分自身に問いかけ、気になったところは全部改善を試みます。 例えば、駒数が少ない方が表現上良いと判断すれば、駒数が少なくできないか検討します。 狙いを引き

          詰将棋創作相談室「推敲でどこを直しますか?」

          詰将棋創作相談室「他者の作品を参考にしつつ、オリジナリティを出す方法はありますか?」

          他人の作品を見て「お、これいいな」と思ったとします。 「自分もこのテーマで作ってみよう」と思うと、ほとんどの場合劣化版が出来上がります。 作者が膨大な時間をかけて創り上げ、「これがベスト(あるいはベター)だ」と判断して発表していることがほとんどだからです。 創作の訓練として割り切るなら、劣化版を作ることにも十分に意味があります。 ただ、専門誌に投稿することを見据えているなら、少しでもオリジナリティがほしいところです。 少しでも「進化させる」意識が必要です。 「自分もこのテー

          詰将棋創作相談室「他者の作品を参考にしつつ、オリジナリティを出す方法はありますか?」

          詰将棋創作相談室「ネタが思い浮かびません。」

          よほどの天才を除けば、作家でもネタはほいほい思い付きません。 誰にでも斬新なアイデアを思い付ける画期的な方法がもしあるなら、詰将棋の世界はとうの昔に掘り尽くされて滅びているでしょう。 作家に共通する傾向として、「普段からアンテナをどれだけ張っているか?」が挙げられると思います。 詰将棋作品を解いたり鑑賞したりするときに、創作のことが頭の片隅にでもあれば、得られる情報の質や量が変わってきます。 よほどの重症者(?)になると、まったく関係のない分野でも創作に繋げようとするでしょ

          詰将棋創作相談室「ネタが思い浮かびません。」

          詰将棋創作相談室「何を作ったらいいのか、いまいち分かりません。」

          芸術としての詰将棋をほとんど知らない人が、突然天才的なひらめきをするのは相当レアです。 斬新なアイデアを偶然ひらめいたとしても、その後コンスタントに作品を発表し続けるのは難しいと思います。 詰将棋作品をたくさん鑑賞していくと、「こういう作品を自分も作ってみたいな」と思う瞬間がやってきます。 創作を初めて間もない人は、そういうのをきっかけに真似事のような感じで作り始めるといいでしょう。 知識や技術が備わってきた頃に、自然とオリジナリティが出せるようになっていると思います。

          詰将棋創作相談室「何を作ったらいいのか、いまいち分かりません。」