見出し画像

秋のやさしいフェアリー

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。

「秋のやさしいフェアリー」と題したフェアリー詰将棋(変則ルールの詰将棋)の作品展を開催します。
つきましては、作品を募集します。
投稿いただいた作品は、この記事に順次追記していきます。

【 更新履歴 】
・2024.10.13 9:23 上谷直希氏の作品(①②)を掲載しました。
・2024.10.14 9:15 詰ナビのずんだもん氏の作品(③)を掲載しました。
・2024.10.14 11:09 springs氏の作品(④⑤)を掲載しました。
・2024.10.14 17:14 yabecchi0210氏の作品(⑥)を掲載しました。
・2024.10.14 17:26 ひっぽ氏の作品(⑦)を掲載しました。
・2024.10.15 21:02 源川さとし氏の作品(⑧)を掲載しました。
・2024.10.16 9:07 シナトラ氏の作品(⑨)を掲載しました。
・2024.10.16 20:05 占魚亭氏の作品(⑩)を掲載しました。
・2024.10.17 17:23 げん氏の作品(⑪)を掲載しました。
・2024.10.18 7:15 シナトラ氏の作品(⑫)を掲載しました。
・2024.10.19 11:45 せら氏の作品(⑬)を掲載しました。
・2024.10.20 11:34 ひっぽ氏の作品(⑭)を掲載しました。
・2024.10.20 15:00 久保紀貴氏の作品(⑮)を掲載しました。


1.募集作品

【 お題 】
易しいフェアリー詰将棋

フェアリー詰将棋(変則ルールの詰将棋)であれば何でもよいです。
使用するフェアリールール(変則ルール)や手数などは自由です。
難易度はフェアリー詰将棋に詳しくない人でも取り組みやすい程度にください(作者の主観で構いません)。

2.作品の扱い

投稿いただいた作品(投稿方法は後述)は、この記事に順次掲載していきます。
解答は載せずに掲載しますが、特に解答やコメントの募集はしません。
後日、解答と併せて Web Fairy Paradise で紹介させていただきます。

堅苦しいイベントではないので、作品投稿後にその作品を X や 詰将棋メーカー など(既発表作を載せられる媒体)で発信していただいて構いません。
X などのSNSに作品を掲載する際は、ハッシュタグ「#秋のやさしいフェアリー」を付けてください。
解答も作者自身で発表して問題ありません(Web Fairy Paradise に掲載されるのを待たなくてよい)。

3.投稿方法および締切

担当の駒井めいまで、Eメール か XのDM で作品を投稿してください。

【 投稿先 】
・Eメール:meikomaivtsume[at]gmail.com
・X:@MeiKomai_Tsume

【 記載内容 】
・作者名(ペンネーム可)
・作品図面
・ルール名、手数、ツインなどの問題設定
・作意手順

【 締切 】
2024 年 10 月 20 日(日)

4.創作に役立つ情報やツール

■ 検討ソフト

・fmza あるいは fm
Onsite Fairy Mateからダウンロードできます。

・簡単に使えるFM入門
fmの使い方が画像付きで説明されています。

■ フェアリールール

・WFP作品展登場ルールのまとめ
Web Fairy ParadiseのHPから見れます。
すべてではありませんが、多くのフェアリールールの説明文が載っています。

・1手詰から始めるフェアリー超入門
いくつかのフェアリールールについて、入門記事が掲載されています。

■ 図面作成

・Shogi3
Onsite Fairy Mateからダウンロードできます。

・FairyTsumePic
Web上で情報を入力して、画像を出力する形式です。

5.作品一覧

解答は Web Fairy Paradise 2024年11月号 に掲載予定です。
是非挑戦してください。

① 上谷直希 作

発表日:2024.10.13

【 協力千日手 】
双方協力して最短手数で初形局面に戻す。
[ 補足 ]
・達成する目的が初形局面に戻すことなので、初形で攻方に持駒があれば、「詰上り手余り不可」の条件の適用対象外
・「千日手」で達成すべき目標は「同一局面4回」ではない。あくまで初形に戻すことが目的。初形と関係なく千日手にするのが目的でもない。

詰将棋と同じく、攻方は受方玉に王手をかけ続けます。
ただ、千日手ルールにおける攻方の目的は、受方玉を詰ますことではなく、局面を元に戻すことです。
「局面が同じ」とは、盤面・持駒・手番のすべてが同じ場合を指します。
攻方から指し始めて、最後の8手目は受方が指します。
協力ルールがあるので、受方も局面を元に戻すように協力します。

② 上谷直希 作

発表日:2024.10.13

【 協力詰 】
双方協力して最短手数で受方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 安南 】
味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩や二段目の桂も着手可能。

攻方の目的は受方玉を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も自玉(受方玉)が詰まされるように協力します。
安南ルールがあるので、駒の利きが変化することがあります。

③ 詰ナビのずんだもん 作

発表日:2024.10.14

【 最悪詰 】
攻方はなるべく受方玉が詰まないように着手し、受方はなるべく早く受方玉が詰むように応じる。

攻方が受方玉に王手をかけ続けるのは、普通の詰将棋と同じです。
ただ、最悪詰では攻方と受方の目的が逆です。
攻方はなるべく受方玉が詰まないように王手の仕方を選びます。
対して受方は自玉(受方玉)が詰むように指します。

④ springs 作

発表日:2024.10.14

【 協力詰 】
双方協力して最短手数で受方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 All-in-Shogi 】
双方、自分の駒だけでなく相手の駒を動かすこともできる。ただし、1手前の局面に戻す着手は禁手。
[ 補足 ]
・ 相手の駒に相手の駒を取らせることはできない。
・相手の駒に自分の駒を取らせたとき、その駒は相手の持駒となる。
・自玉を取らせる手は反則。
・相手に合法手以外の手を指させることはできない。ただし、相手玉への王手となる手は反則とみなさない。

攻方の目的は受方玉を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も自玉(受方玉)が詰まされるように協力します。
All-in-Shogiルールがあるので、盤面の相手駒を動かしたり、相手の駒台から相手駒を打ったりできます。
受方の持駒は「残り全部」ではなく、「なし」なのでご注意を。

⑤ springs 作

発表日:2024.10.14

【 Queen(Q)】
チェスのQueen。飛車と角を合わせた性能を持つ。

【 Grasshopper(G)】
フェアリーチェスのGrasshopper。Queenの利きの方向にある駒を1つ飛び越したその直後の地点に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。飛び越える駒は敵味方どちらでもよい。一度に2つ以上の駒は飛び越せない。

【 駒詰 】
玉が指定駒の性能になる。ルール名は例えば「角王」のように「駒名+王」で表す。

基本的なルールは普通の詰将棋と同じですが、駒や駒台にいくつかフェアリールール(変則ルール)が用いられています。
Queen(Qと表記)やGrasshopper(Gと表記)というフェアリー駒(変則駒)が使われています。
玉が見当たらないようですが、本作は馬を詰ます設定です。
受方の持駒は「残り全部」ではなく、「歩17枚」なのでご注意を。

⑥ yabecchi0210 作

発表日:2024.10.14

【 協力千日手 】
双方協力して最短手数で初形局面に戻す。
[ 補足 ]
・達成する目的が初形局面に戻すことなので、初形で攻方に持駒があれば、「詰上り手余り不可」の条件の適用対象外
・「千日手」で達成すべき目標は「同一局面4回」ではない。あくまで初形に戻すことが目的。初形と関係なく千日手にするのが目的でもない。

【 ネコネコ 】(旧名称:ネコネコ鮮)
敵味方を問わず、駒が縦に繋がっているとき、上からn番目の駒は下からn番目の駒の利きになる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩や二段目の桂も着手可能。

詰将棋と同じく、攻方は受方玉に王手をかけ続けます。
ただ、千日手ルールにおける攻方の目的は、受方玉を詰ますことではなく、局面を元に戻すことです。
「局面が同じ」とは、盤面・持駒・手番のすべてが同じ場合を指します。
攻方から指し始めて、最後の8手目は受方が指します。
協力ルールがあるので、受方も局面を元に戻すように協力します。
ネコネコルールがあるので、駒の利きが変化することがあります。

⑦ ひっぽ 作

発表日:2024.10.14

【 協力自玉詰 】
双方協力して最短手数で攻方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 安南 】
味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩や二段目の桂も着手可能。

詰将棋と同じく、攻方から指し始め、攻方は受方玉に王手をかけ続けます。
ただ、自玉詰における攻方の目的は、相手玉(受方玉)を詰ますことではなく、自玉(攻方王)を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も攻方王を詰ますのに協力します。
安南ルールがあるので、駒の利きが変化することがあります。

⑧ 源川さとし 作

発表日:2024.10.15

【 キルケ 】
駒取りがあったとき、取られた方の駒が最も近い実戦初形の位置に戻される。戻せない場合は持駒になる。
[ 補足 ]
・成駒は生駒になって戻る。
・戻り位置が埋まっていたり、二歩になったりする場合、戻れずに持駒になる。
・駒取り時、駒が戻るまでを一手とみなす。
・金銀桂香(成駒も含む)が5筋で取られ、複数の戻り位置の候補がある場合、戻る位置を選択できる。

通常のルールで駒取りをすると、取られた駒は駒台に移動します。
キルケルールでは、取られた駒は基本的に盤面に再生します。
それ以外は普通の詰将棋と同じルールです。
23の地点にいる「杏」は成香を表しています。

⑨ シナトラ 作

発表日:2024.10.16

【 5五将棋プルーフゲーム 】
5五将棋の実戦初形から始めて、指定された手数で問題図に至るような手順を求める。
[ 補足 ]
・5五将棋の陣地(可成地域)は最終一段(先手陣:五段目、後手陣:一段目)のみ。

【 n解 】
解が複数あり、n個の解を求める出題形式。

5五将棋という変則将棋が題材です。
5×5の盤を用い、陣地(駒が成れる場所)は最終一段のみです。
例えば、先手の飛が一段目(後手陣)に到達すると、龍に成ることができます。
同様に、後手の飛が五段目(先手陣)に到達すると、龍に成ることができます。
それ以外は基本的に本将棋と同じルールです。
5五将棋の初形配置は下図の通りです。

プルーフゲームなので、目的は詰みではありません。
5五将棋の実戦初形から問題図に10手で至る手順を求めてください。
2解と書かれているので、正解手順は2つあります。

⑩ 占魚亭 作

発表日:2024.10.16

【 協力自玉詰 】
双方協力して最短手数で攻方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 点鏡 】
55に関して点対称の位置ある2つの駒は、敵味方関係なく互いにその利きが入れ替わる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩や二段目の桂も着手可能。

【 All-in-Shogi 】
双方、自分の駒だけでなく相手の駒を動かすこともできる。ただし、1手前の局面に戻す着手は禁手。
[ 補足 ]
・ 相手の駒に相手の駒を取らせることはできない。
・相手の駒に自分の駒を取らせたとき、その駒は相手の持駒となる。
・自玉を取らせる手は反則。
・相手に合法手以外の手を指させることはできない。ただし、相手玉への王手となる手は反則とみなさない。

【 受先 】
受方から指し始める。

詰将棋と同じく、攻方は受方玉に王手をかけ続けます。
ただ、自玉詰における攻方の目的は、相手玉(受方玉)を詰ますことではなく、自玉(攻方王)を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も攻方王を詰ますのに協力します。
All-in-Shogiルールがあるので、盤面の相手駒を動かしたり、相手の駒台から相手駒を打ったりできます。
点鏡ルールがあるので、駒の利きが変化することがあります。
受方の持駒は「残り全部」ではなく「香4枚」です。
また、受方から指し始めることにご注意ください。

⑪ げん 作

発表日:2024.10.17

【 協力詰 】
双方協力して最短手数で受方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 攻方取禁 】
手順中に攻方が駒を取る手があってはならない。王手や詰み等の定義は通常通り。

【 中立駒 】
どちらの手番でも動かせる駒。
[ 補足 ]
横向きの字か横にnを付加して表記。取り方や動かし方は以下の細則に従う。
1) 中立駒の動きは現手番の駒としての動きとなる(利きが非対称な駒の場合に要注意)。
2) 中立駒は現手番の駒として成れる場合のみ、成ることができる。
3) 中立駒はどちらの手番でも取ることができ、持駒になる。この時、所属は取った側の持駒だが中立性は失わず、再び盤に戻ったときには中立駒として振舞う。
4) 中立駒は現手番側の駒を取れない。 相手側の駒や、中立駒は取れる。
5) 中立歩による打歩詰は禁止。二歩禁も適用される。手番を問わず、中立駒の歩や通常の歩がある筋に、更に中立駒の歩や通常の歩を打つことはできない。
6) 中立駒は行き所ない駒にならない。
7) 中立駒でも自玉への王手は反則。自玉への王手となっているかどうかの判定は、現手番が終了し、相手側が着手する前に行う。

攻方の目的は受方玉を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も自玉(受方玉)が詰まされるように協力します。
攻方取禁ルールがあるので、正解手順中の攻方の手に駒取りがあってはいけません。
受方は通常通り駒を取ることができます。
また、中立香車(n香)というフェアリー駒が使われています。
攻方駒でも受方駒でもない中立的な立場の駒です。
盤面にいる中立駒は攻方手番のときは攻方駒のように、受方手番のときは受方駒のように振る舞います(厳密には中立駒なので、攻方駒でも受方駒でもありません)。
駒台にいても中立駒のままですが、相手の駒台から中立駒を打つような着手はできません。
中立駒の中立性が機能するのは、盤面にいるときだけです。
受方の持駒は標準駒残り全部です(飛2枚・角2枚・金4枚・銀4枚・桂4枚・香3枚・歩17枚)。

⑫ シナトラ 作

発表日:2024.10.18

【 5五将棋プルーフゲーム 】
5五将棋の実戦初形から始めて、指定された手数で問題図に至るような手順を求める。
[ 補足 ]
・5五将棋の陣地(可成地域)は最終一段(先手陣:五段目、後手陣:一段目)のみ。

5五将棋という変則将棋が題材です。
5×5の盤を用い、陣地(駒が成れる場所)は最終一段のみです。
例えば、先手の飛が一段目(後手陣)に到達すると、龍に成ることができます。
同様に、後手の飛が五段目(先手陣)に到達すると、龍に成ることができます。
それ以外は基本的に本将棋と同じルールです。
5五将棋の初形配置は下図の通りです。

プルーフゲームなので、目的は詰みではありません。
5五将棋の実戦初形から問題図に13手で至る手順を求めてください。

⑬ せら 作

発表日:2024.10.19

【 協力自玉詰 】
双方協力して最短手数で攻方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 受先 】
受方から指し始める。

詰将棋と同じく、攻方は受方玉に王手をかけ続けます。
ただ、自玉詰における攻方の目的は、相手玉(受方玉)を詰ますことではなく、自玉(攻方王)を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も攻方王を詰ますのに協力します。
受方から指し始めることにご注意ください。
本作は「やさしい作」という作品名が付いています。

⑭ ひっぽ 作

発表日:2024.10.20

【 協力詰 】
双方協力して最短手数で受方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 PWC 】
取られた駒は取った駒が元あった場所に復元する。(通常は駒位置の交換となる。)
[ 補足 ]
戻り方等は以下の細則に従う。
1) 駒の成・生の状態は維持されたまま復元する。
2) 復元の結果、相手駒が二歩になったり、行きどころのない駒になる場合は、通常の駒取りと同じで、盤上に戻らず、自分の持駒になる。
3) 駒取り時、駒が戻るまでを一手と見なす。
4) 取られた玉は復元しないものとする。
5) 駒取り後に移動が発生する駒や条件と組み合わせると、必ずしも位置交換にならない(例:Locust系の駒や中将棋の獅子、Take&Make)

攻方の目的は受方玉を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も自玉(受方玉)が詰まされるように協力します。
PWCルールでは、取られた駒は基本的に盤面に再生します。
取られた駒が駒台に移る(通常の駒取り)条件もご確認ください。
盤面の「圭」は成桂を表しています。

⑮ 久保紀貴 作

発表日:2024.10.20

【 協力詰 】
双方協力して最短手数で受方の玉を詰ます。ただし無駄合の概念はなく、すべての合駒が有効。

【 安南 】
味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩や二段目の桂も着手可能。

【 安北 】
味方の駒が縦に並ぶと、下の駒の利きは上の駒の利きになる。
[ 補足 ]
・一段目の桂香歩は行きどころのない駒の禁則により着手できないが、二段目の桂は着手可能。

【 ツイン 】
問題図をa)とし、b)、c)……を指定された設定でそれぞれ解く出題形式。

攻方の目的は受方玉を詰ますことです。
協力ルールがあるので、受方も自玉(受方玉)が詰まされるように協力します。
「b) 安南→安北」と書かれているのは、ツインと呼ばれる出題形式です。
出題図をa図として解き、b)で指定された箇所を変更して同様に解きます。
「b) 安南→安北」は「安南から安北にルールを変更してください」という意味です。
つまり、a図は「”安南”協力詰3手」、b図は「”安北”協力詰3手」として解いてください。
安南や安北は駒の利きが変化するルールです。
駒の利きが変化する条件が異なるので、違いをよく理解してください。