WFP2022年7月号 感想

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
Web Fairy Paradise 2022年7月号(第169号)の感想を簡単に書いていきます。

Take&Makeの翻訳(pp.3~5)

チェス・プロブレムで「Take&Make」というフェアリールールがあります。
それを将棋版に翻訳したという内容。
ルールについて私が問い合わせたのが事の発端です。
神無七郎氏と神無次郎氏に迅速に対応していただきました。
本当にありがとうございます。
このルールの可能性を探査する意味でも、一作を早めに発表したいところ。
とりあえず最近面白いと思ったチェス・プロブレム作品を紹介しておきます(下記リンク)。

今月の手筋(p.17, p.42)

行き所のない駒がテーマ。
性能変化系のルールでよく登場します。
初めて見た人にとっては驚きの手ですね。
こういう通常では有り得ない手の実現はフェアリーの面白さの一つ。

第1回 Imitator 入門作品展【出題】(pp.29~31)

Imitatorを使うと解く難易度が一気に跳ね上がる印象があります。
面白い筋は結構あるんですがね。
今回は入門とのことですが、はてさてどうでしょう。

協力詰・協力自玉詰 解付き #4(pp.32~36)

私の担当コーナー。
どの作品も面白いんですが、特にオススメしたいのが青木作。
手数の割に易しいのもありますが、アイデアが面白いです。

第7回フェアリー入門出題(pp.37~42)

課題は多玉協力詰。
出題は10名16作とのことで、すっかり人気コーナーになっていますね。
あとがき(p.65)にも書いてありますが、担当者を募集しているようです。
今は臨時で編集長のたくぼん氏が担当しています。
無理なくコーナーを継続していくには担当の確保は必要不可欠。
とにかく人材不足の解消が最優先事項ですが、今に始まった問題ではないので容易ではありません。

解付① 神無七郎作
タブった王手がないのが巧い。

解付② るかなん作
攻方・受方どちらも二玉。
面白い発想。
今後の展開に期待。

第6回フェアリー入門解答(pp.43~59)

課題は強欲協力詰。
正直解くのに手こずった作品もありました。
心が折れずに解き切れて良かったです。
「強欲の短編って作るの難しいなー」と思ってましたが、作品見てたら自分が作るの下手くそなだけだと分かりました(ぴえん)。

② せら作
角は成りたくないのに成れる地点に打つことになるのが面白い。

⑤ 真T作
初手92角生が驚きの一手。
センス溢れる作品。

⑥ springs作
角が銀に取られないようにした後に、角で銀を取らないようにするという手順構成。
この意味付けの変化が面白い。

⑫ 青木裕一作
協力詰だと歩合は意外性がありますね。

⑮ 神無七郎作
手数で驚いたけど、難易度は確かに入門でした。
強欲を活かした趣向手順。
長編の面白さの一端を味わえた気がします。

非王手協力詰超入門(pp.59~60)

詰将棋は攻方の王手義務でバランスが保たれています。
それが崩れるので創作の難易度は上がりそうというのが率直な感想。
受方持駒なしにしたら幾分違ってくるかもしれませんが。
着手の自由度が高くなるので、どんな狙いで作るかも悩みどころ。
作例が少ないと言われちゃ、色々と遊んでみたくなりますよね。

思い付き企画 連鎖協力詰(p.64)

発展性のあるルールなんでしょうか。
まぁやってみないと分かりませんね。
とりあえず何か作って送ってみまーす。