めいのぼやき33 はじめての協力詰
バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
「協力詰」(あるいは「ばか詰」)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
今回は「協力詰」という少し変わった詰将棋を紹介していきます。
1.協力詰とは?
協力詰は普通の詰将棋とルールが少し異なります。
「協力詰」の他にも「協力自玉詰」「安南詰」など、様々な種類の変則ルールが存在します。
変則ルールの詰将棋を総称して「フェアリー詰将棋」といいます。
まずは協力詰のルールから見ていきましょう。
"Onsite Fairy Mate"というサイトには下記のように書かれています。
先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める。
正確な話をするためにはもう少し説明が必要です。
しかし、全て書くと情報過多で混乱するので割愛します。
詳しく知りたい方は下記のリンクをご覧ください。
2.実際に解いてみよう!
ルールを見ただけではピンときていないと思います。
簡単な例題を解きながら説明していきます。
① 協力詰 3手
普通の詰将棋のルールではどうやっても詰みません。
しかし、協力詰なら詰む手順があるのです。
正解手順を見ていきます。
初手の正解は 24歩 です。
【 1手目24歩迄 】
普通の詰将棋のルールだったら「2手目24同玉」と応じて詰みません。
「不詰じゃないか!」と解答者に怒られてしまうところです。
ざっくり言うと、受方は詰まされないように抵抗するのが普通の詰将棋です。
しかし、協力詰では受方は自分が詰まされるような手を指します。
もう少し正確に言うと、受方は”最短で”詰まされるような手で応じます。
協力詰界の受方ちゃん
「は!?詰まない!?」
「はぁ~…(ここで大きなため息)」
「この私が詰むように協力してあげてもいいわ…」
「ほら!これで詰むでしょ!さっさと私を詰ましなさい!」
「勘違いしないでよねっ!べ、べつにあなt(以下略)」
擬人化するならこんな感じでしょうか?(ホンマか?)
冗談はさておき、2手目を考えてみてください。
手数は「3手」と指定されていることを思い出してください。
【 再掲図 1手目24歩迄 】
2手目の正解は 13玉 です。
【 2手目13玉迄 】
次が最終手です。
これで「2手目13玉」とした意味が分かります。
最終手の正解は 23金 です。
これで受方の玉が詰みました。
【 3手目23金迄 】
つまり、この協力詰3手の正解手順は
24歩、13玉、23金 迄3手。
となります。
① 協力詰 3手(再掲図)
このルールだといくらでも正解がありそうに思った方もいるでしょう。
しかし、3手で詰む手順は驚くことにこれだけです。
他の手ではどう協力し合っても3手以内で詰みません。
5手以上で詰む手順を答えるのは不正解です。
(24歩、12玉、23歩成、11玉、22金迄…など)
逆に言えば、正解手順が1つとなるように作られているということです。
3.もっと知りたくなった?
協力詰に興味は出てきましたか?
もっと知りたい方は、"フェアリー時々詰将棋"というブログで連載された「5手ばか詰」シリーズを読んでみてください。
協力詰という世界の一端が垣間見えることでしょう。
第1回 ↓
まとめ ↓
最後に別の協力詰を出題しておきます。
② 協力詰 5手
協力詰としては比較的易しい問題です。
しかし、慣れていない方は結構悩むでしょう。
正解手順はコメント欄に書いておきます。