見出し画像

クリスマスケーキを見たらちょっぴり涙がこぼれた。

マスクをつけて、久々に外に出た。

東京800人超えのニュースを受けてから会社に行くことも控えるようになった。

人に会ってはいけない訳ではない。
外に出ることを完全に禁止されているでもない。

今年のクリスマスは、なんだか寂しい。

とはいえ、重くのしかかる「自粛」の二文字が何かを制限しているように思う。

クリスマスに浮かれていけない訳ではない

クリスマス。今年もただの平日だ。
そもそも日本は仏教やら神道だし、クリスマスに縁が遠いのが本来の形のはずだ。

そうはいっても、クリスマスが恋人や家族の団欒の日だと定着してから長く経過している。
若者がイルミネーションや夜景を楽しみ、特別なディナーを楽しんでいたり、家族でケーキやチキンを囲んで和気あいあいとしている図がスタンダードとなった。

そして、以前の私は、ハロウィンが終わってすぐクリスマス一色になる街を嫌いだった。
(それは11月生まれの私が無かったことにされるからという単純な理由だ。)

そんな私が、久々に街に出てクリスマスの装飾を見て温かい気持ちになり、クリスマスケーキをみたら涙がこぼれた。

それはなぜか。

私達はクリスマスを禁止されたわけでないのだと改めて感じだからである。

そして、無機質な世界の中に、ひとつあたたかさを感じたからである。

マスクで迎えるクリスマス、あたたかさを忘れてはいけない

テレワークをしなければならない。
外には極力出てはいけない。

その強制力は凄まじく、人のすべてを制限するかまでに影響を与えている。
そしてそんな世界に、少しの息苦しさを感じている。

小さなコロナに対する違和感のズレは、精神の均衡にすら大きな影響を与えているような気がしている。

友人たちと約束していた久しぶりの逢瀬は、今年いくつ断っただろう。
東京に出たという人に「それなら会えない」と伝える例も何度も見かけた。
その時点で人間関係が断絶するならそれまでだ。

ただ、一つ、なにか違和感を感じている。
会えないから楽しめない。
何も楽しむことが無い。
という考えでとどまっては、感情すら失われてしまうのではないか。

事実、テレワークの増加によるものなのか、長く続く自粛要請からか、「コロナ鬱」は増えてしまっている。

自分自身のこの息苦しさにすら、不安を感じてしまう。

なにかに拘束されて、幸福感すら失うのは間違っているのではないかと感じている。

そうはいっても、できる限りでいいから家で楽しめばいい。
そもそも、街がクリスマスの装飾でいっぱいになるのを見て、幸せな気持ちになってもいい。
それは禁止されていない。

そもそも、日本の「自粛」という単語が重過ぎるのだ。
芸能人の「活動自粛」が頭をよぎる。

5月は、少しでもポジティブにしようと「おうち時間」だとか「ステイホーム」だとか新しい名前を付けて盛り上がっていた。
もちろん今でも変わらないはずだ。

だからこそ、マスクをつけた人が東京駅を、池袋駅を、新宿駅を闊歩している。
たまに外に出たからと、土産を家族に持ち帰るサラリーマンを見かけたら心に何かがこみ上げてきた。

本来ある形はこれであったのだ。
外に出た人を闇雲に叩き、吊るすような風潮ではあってはならない。

ちょっぴりさみしいクリスマス。それでも幸せは忘れずに。

そんな悲しい空気感を感じているのは、私だけではないと感じる。

クリスマス気分を感じる部分が、少しいつもと違う気もしている。
街のクリスマスの装飾もちょっぴり味気ない。

そんな中であっても、クリスマスソングだけは色褪せることなく季節感を与えてくれた。
クリスマス・キャロルや、それに連なるクリスマスの物語は変わらずに語りかける。

それは、現代に必ずしも寄り添う必要がないからかもしれない。
きっとその普遍性こそが「クリスマス」の軸を作っており、それらを享受することで私達はクリスマスのあたたかさや幸せを感じるのだろう。

クリスマスケーキも、クリスマスの装飾も、本来はその普遍性に欠かせないパーツだったはずだ。
その役割がきちんと果たしきれていないような気がしてしまうからこそ、きっとこの寂しさを感じてしまうのかもしれない。

あるいは、「せめて、ケーキでも買っていくか」というような空気感がなんとも言えないほどに寂しさを与えているのかもしれない。

それでも、やっぱりそんなケーキを手にとってしまう。
今年はちょっぴり張り切って良いケーキを予約してしまった。

「地元のケーキ屋の応援をしよう」なんて高尚な目的じゃなくても良い。
「Mステのクリスマスライブのお供にしよう!」という具体的な目的でもない。

ただ、完全には幸せを感じきれない今年のクリスマスに、すこしでも賑わいと温かさを感じたいのだ。

浮かれ気分になりきれない日々は続くけれど。オンラインでも、対面でも、画面越しでもなんでも、クリスマスに誰かとつながってほっとやさしい気持ちになれるように。

そして、幸せを、少しでも感じられるように。

よろしければサポートをお願いします! より良い作品をお届け出来るよう精進します!!