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めいどう音楽音楽レビュー

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洋邦問わず好きなのを好き勝手にレビューしたいと思います。
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フジロックは修行であるって、意外と言ってる人が少ない件。2011年フジロック体験記編Vol.2

フジロックは修行であるって、意外と言ってる人が少ない件。2011年フジロック体験記編Vol.2

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希望もクソも感じられない道を歩き続けて十分くらい。
すっかり旅の気分も消えて、背中から帰りたいオーラを放ちながらトボトボ歩いていた。
慣れない深夜バスで寝不足だし、何か気持ち足も痛い。メガネは雨で洗われて視界が悪い。おまけに霧が出ていて不気味である。
大体ロックフェスなのに、聞こえるのは雨音ばかり。
この世界には神はいないのかと思った時、私は約束の地に辿り着いた。

ここに祠を建て

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カネコアヤノ 『タオルケットは穏やかな』

カネコアヤノ 『タオルケットは穏やかな』

音楽がティッシュの如く消費される時代になったが、世間では困っている様子はない。むしろ「え、まだティッシュでケツ拭いてるの? ちょっとそういうの求めてないです」と言われる時代。
要するに、TikTokで曲が消費されることが当たり前な時代。バズる曲を求めて三千里。
みんな同じ行き先の市バスに乗って同じ停留所に降りる。
私はヒッチハイクで日々Spotifyをディグる。たまにディスクユニオンにも行く。

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ミドリ 『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』

ミドリ 『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』

2010年代の音楽シーンの評価もそろそろまとめられつつある昨今。
流石にネット社会はそういうのが非常に速い。回線速度が向上するにつれ、時代の総括をするときの余韻に浸る暇もない。
しかしこのネット社会のおかげか、当時は陽も当たらなかったシーンが今更ながら注目されるなんてこともある。昨今のリバイバルブームなんて、ネットがなければ起きなかったであろう。

去年か一昨年くらいに、ミドリの『あらためまして、

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台風クラブ 『初期の台風クラブ』

台風クラブ 『初期の台風クラブ』

NEWFOLKが熱くなって、どれくらいだろう。
私がこの素晴らしいレーベルのことを最初に知ったのは、確か台風クラブの『初期の台風クラブ』ってアルバムだったと思う。

それまではTwo Door Cinema Clubに代表されるようなダンスロックっぽいのが主流だったけど、Suchimosが登場した辺りから昔の音楽を再構築したようなバンドが増えた。

台風クラブが全国の音楽ファンから注目を浴びたのは

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