梅のこと2024: 湯かけ強制追熟
梅のことを、あらゆる意味で楽にやりたいのです。どんなにズボラでも、梅仕事って美味しい結果に辿り着けるんだ、っていうルートを何本も見つけたいんです。
■ 梅ファーストになれる? なれない?
その季節には梅ファーストで暮らします! っていうのはとても素敵ですし憧れます。たとえ自分にはそんな適性が無いとしても、「丁寧な暮らし」のあるべき形のように見えます。
けれども同時に、梅ファーストになれなくても梅を扱って楽しむ暮らしが成立するようになって、梅のことをやる文化がもう少し長く続く、そんな未来にもときめきます。
今年の南高梅は高くて手が出ませんでした。
そこで、青梅を追熟させることはできないものかとWeb検索しました。
■ 不在時の追熟の不安
どうせ南高梅を小売店で買っても、さらなる追熟を推奨され「ダメにしないように注意しましょう」「ダメになったものは外しましょう」と注意を促されるのです。
追熟させてるつもりで仕事して帰ってきたら梅が傷んでたりするのかな、そんな悲しみは嫌いです。ましてや、そんな不安な日が2日3日と続くのは断固拒否します。
■ 強制追熟
検索した結果「強制追熟」なる言葉に行き当たりました。青梅を熱湯に入れると黄色くなります。それが強制追熟です。
熱湯を張ったボールに青梅を投入してぐるぐる掻き混ぜました。エビを茹でると鮮やかな赤になるように、お湯の中でサーッと色が変化していく。それは楽しかったです。1Kgやって温度の下がったお湯で残りの1Kgをやったときは、色の変化は乏しかったです。
■ 土用干しのときの梅のコンディション
その後は梅干しにするルートに乗せました。塩分は15%、プラス氷砂糖を適当に。梅酢はすぐにたっぷり出ました。途中で赤紫蘇を投入。冷蔵庫に入れて完全放置。1.5ヶ月後、土用干し。
強制追熟は今回初めてです。これまでに2回梅干しをやったときと、梅の実のコンディションが違いました。
色ムラに関しては、日々揺するケアを今回しなかったからかもしれません。
硬そうな実があるのは、追熟ムラかもしれません。
■ 湯かけ強制追熟は十分に追熟だったのか?
熟した南高梅にしても「黄色くなるまで追熟させましょう」と言われているのをWebで見聞きします。そのため、追熟させる=黄色くさせる、という認識をしていたことは否めません。
湯かけしたときに感じたことを思い出してみると「色が変わるのは面白い」ということと、「熟した梅のときのような、梅の香りが家中に広がる感じは無い」という物足りなさでした。
果たして、あれは十分に追熟だったのでしょうか?
ジャパンナレッジで複数の辞書で、あとWikipediaでも「追熟」を検索してみました。まとめると、「追熟は、樹から離したあとに起こる成熟」で、下記のような変化が見られるそうです。
これと照らし合わせると、「色が変わる」ことだけが確認されました。これは十分に追熟したとは言えないかもしれません。
■ 来年は
来年はエチレンを使った追熟を試みます。かたいキウィをリンゴやバナナと一緒にしておくと追熟がすすむ、というものです。キウィもバナナも梅のシーズンに入手しやすいので、やってみます。不安な時間は短いほうがいい。梅のことにおける時短。来年もまた謎のルートに挑戦してしまいそうです。これもまた梅の沼。