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創作》砂時計

実は皆さん知っていて、知らないふりをしているお話。

皆さん、砂時計と呼ばれるものをお持ちですよね?
こう、トーメイのガラスで出来ていて、細長く、ちょうど真ん中辺りを誰かがつまんだような形をしたやつですよ。

おや、持っておいででない?
いやいや、皆さん、一人最低一つはお持ちですよ。

あぁ、ご自宅にある。それは二つ目と数えてください。

だって、自分の首の、髪の毛が生えている近く、頭と首の境目、うなじと呼ばれる場所にお持ちではないですか。

ふふ、知らないふりはやめてください。
あぁ、もしかして気付いておいでで無かったですか?
これは失礼。

何せ、よぉくよぉく目を凝らさねば見えぬほどに小さいものですものね。
たしか指の爪の先ほどでしたか。

この砂時計、その人が持っている寿命の時間分落ちるんだそうです。
逆さまになれば寿命が延びるのでは、と安易に考えた方がたまに逆立ちをしているようですが、無意味ですから。
その人の重心方向に落ちるのですよ。つまり逆立ちしても上に落ちるのです。

よく見てみたいなぁなんて、鏡を背にして首をひねっても見えたりはしないでしょう。
なにせ小さい物ですから。

あぁ、でも見てみたいからと無理に首曲げて痛めないようにしてください。
その砂時計壊しちゃったり、落として失くしちゃったりしたら、命もつきますので。
首を折ると死んでしまいやすいのは、それを一緒に折ってしまうからだそうで。
何せ、細長くて脆いガラスで出来てますから。

皆さんもくれぐれもお気をつけください。

Original Post:http://novel.ark-under.net/short/37


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