そのグルグルは形が見えるか ~ゲームの流れを間違えないために~ :ゲームのルールの伝言ゲーム
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の7回目、本文途中から有料となります。今回は文字数としては約5,000字ですが、文字入りの図が複数あります。
はじめに
21年10月分から、アナログゲームマガジンの購読形式が一部変わります! また、新しい試みも始まります。
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個人的には、新たに購読した方にも、以前に公開された皆さんの力作を読んでいただきたいので、嬉しい変化です。
あとはゲムマのサークルブログの更新が待たれます。
以上、お知らせでした。
突然ですがクイズです
Q. 「ボードゲームの説明書や取扱説明書の文章には、一般的な書籍の文章と違うところがあります。それはどこでしょうか。」
たとえばエッセイ、小説、ビジネス書と比べてみると、説明書の多くには特有のことがあります。
ヒント、もしくは今回の話題にしたいことは、文章の流れ、方向です。
小説作品では、一区切りの文章の中で、起承転結が川のように上から下まで流れます。
ビジネス書では、最初に結論から入ることもありますが、文章のはじめから終わりまで、一方向の流れで読むことが想定されています。
一方、取扱説明書の場合、継続的な使用を前提に書かれていることが多いです。
電子レンジであれば、以下のようなことが書いてあるでしょう。
二度目以降の使用時は、「用途ごとの使い方」以降を適宜確認しながら読んでいくことになります。
そしてルールブックの場合。
こちらはゲームの概要、内容物の説明、準備、ゲームの進行、終了条件と勝敗条件という順番で書かれることが多いです(図は一例です)。
多くのゲームでは、このうち「ゲームの進行」の部分を何度か繰り返すラウンド制です。
イメージにすると、円状の矢印・ループ構造です。
例えば4ラウンドのゲームの場合、4回繰り返しします。その際、2周目以降は適宜「ゲームの進行」を確認して遊びます。
つまり、一方向の文章ではありません。
というわけで、質問の答えは、「繰り返され、読み返されることを前提に書かれている。繰り返す内容が省略されている。」でした。
きちんとループしているか
ルールブックでは繰り返し部分が省略されています。そのため、適切に省略された表記でないと、不完全なループになってしまいます。
適切な省略方法とループの表記方法について、今回は取り上げます。
ループの仕方が書いてないルールブックはほとんどありません。
ただ、記述が欠けているか、欠けているように読めるものもあります。
また、きちんと書いていないと、想定と違った形でループして遊ばれてしまう可能性があるため、丁寧に記載してほしい部分です。
実際、自分でルールを読んでプレーした結果、別物のゲーム性で遊んでしまったことがありました。実例をあげて、そうなった原因と対策についても触れていきます。
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