角砂糖
頭の中の整理整頓はいつになっても苦手で、攻略不能の迷宮のようで、行き止まりにはいつも『わからない』と『どうしよう』がいる。
愛ってなんだろう。わからない。
この先どうしよう。
大切にするってどうしたらいいのかわからない。
『してあげたい』と『したい』は違う。
私は好きな人を大切にしたい。
してあげたい、なんて烏滸がましい。
私みたいな脳内迷宮食欲おばけの自由人をわざわざ選んでくれて、一緒にいたいと言ってくれるだけで、それ以上何もいらないと思うほど嬉しくて心がいっぱいなのに。
だから私は自分にできることなら全力でする。
全力で好きな人を大切にする。
けれど、大切にするってなんだろう。
恋人から大切にされてない。と思ったことは過去に何度かある。
体調が悪いときでも関係なく自分の性欲に従うままに求めてきたり、自分が寂しいときだけひっついてきてそれ以外は素っ気なかったり、仕事の相手に嫉妬して仕事に行くのを邪魔したり。
昔の恋人はそういう人が多かった。
小さいことかもしれないけれど、その積み重ねで不満がたまり、結局別れてしまった。
大切にするって相手の為に何かすることだと思う。
自分の都合で相手を振り回すことではない。
体調が悪そうなら心配する。看病する。
自分が甘えるだけでなく甘えられるようにする。
嫉妬はしても邪魔はしない。
どれも当たり前のことだけれど、自分も相手も人間だからどうしても主観で物事を判断してしまう。
口で言うのは簡単でも、行動するのは難しい。
本当に好きな人を大切にできているか。
私はしてあげてるのに、なんて思っていないか。
自分がしたくてしていることに対して見返りを求めているのではないか。
相手がしてくれたことに対してちゃんと感謝しているか。
思い返すと後悔の波がどっと押し寄せてくる。
けど嫌われてしまう前に気づけてよかった。
これからはちゃんとしよう。
ありがとうとごめんなさいが言えるようになろう。
喜んでくれる相手の顔が見れれば十分だ。
好きな人が自分に向けてくれる笑顔ほど愛しくて嬉しくて素敵なものはない。
けれどやっぱり私の脳内は広大な迷宮なので、本当にそれで合ってるのか?とまた迷わせてくる。
今辿り着けた答えがこれなのだから仕方ない。
違ったらまた迷って探せばいい。
未来の私ならきっと違う答えも探せるだろう。
この答えが正解か不正解かはまだ分からない。
けれど、この人といるとふっと感じる、甘くて綺麗で柔らかくて、すぐに崩れてしまう角砂糖のような、その気持ちと大好きなこの人を自分なりに大切にしていこうと思う。
壊さないように。溶けないように。
そっと。大切に。
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