わたしはわたしのままでいい
冬の足音がだんだんと近づいてまいりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
わたしはといいますと、新たに始めた個人の鍼灸の活動が有り難いことに順調に軌道に乗り始め、いつもに増して大変充実した日々を過ごさせていただいています。
今月はそんなハードスケジュールの合間を縫って、商工会議所主催の「創業セミナー」に参加した時のお話をひとつ。
店舗を構えた開業に向けて色々と動いていく中で、さまざまなかたと出会い、「こんなのもあるよ」と教えていただいたのがきっかけで参加してみることにした創業セミナー。
「夢をかなえたい」と思っている人たちが集まって「創業(起業)とは」について1から学んでいくような内容のセミナーです。
すでに起業をされているかたから、これから本格的な創業を目指すわたしのようなタイプまで。また、従業員さんを多く抱えるような大きな規模の会社の代表から、個人事業主まで。業種も様々な分野の方々が40名ほど集まって講義やグループワークを通して学びを深めていきます。
会社員時代、店舗マネジメントしていた時に使っていた頭のスイッチをオンにしたような興奮感があり、これがまたおもしろくて…!(笑)週に2回、楽しみに通っていました。
セミナーの内容についてはまた別に記事が書けたらいいなと思っています。今回は、参加してみて感じた過去の自分と今の自分の変化を1つ、備忘録してみようと思います◎
1.服を着替えるかのように
突然ですが、みなさんは「自分の顔」をいくつも持っていますか?
実はわたし、これまで本当にたくさんの「自分の顔」を持って生きてきました。
「1人でいる時のわたし」「家族といる時のわたし」「恋人といる時のわたし」「仕事をしている時のわたし」「地元の友達といる時のわたし」「趣味仲間といる時のわたし」
…とまあこんな具合です。
つまり、その時々会う人によって、まるで服を着替えるかのように、自分自身を変化させることで周りに適応するように努力してきたんですね。
ヨーガでは、このような心の状態を「過剰適応」と見立てます。
自分自身の事がよくわからず、過剰に人や社会に適応しようとする性格のことを指しています。昔のわたしは、人に合わせようと心がいつも外を向いていて、自分の体や心のことが全くわかっていませんでした。
とにかくその場の雰囲気と人に適応することで精一杯だったんですね。
2.過剰適応と心身症
これまで、色々な物事に過剰に適応するように生きてきたわたしは、人が集まる場所が苦手でした。
「人見知り」だと言い訳をして逃げてきた部分も多かったかもしれません。
会社の飲み会や同窓会、例えば今回のような異業種交流会のようなものも含め、過剰に適応しようとするあまり、人の顔色ばかり伺ってしまうのです。
家に帰ってきた頃には、とどっと疲れが出てしまう。
さらに、外にばかり向いている心のセンサーが「人にどう見られるか」を敏感にキャッチしてしまうので、いつもちゃんとした自分でいなければいけないと、気を張って、体も心も常に緊張しているという有り様。
人前で話したり、発言したりするのも苦手でした。
会社員時代、会議でプレゼンをしたり、自分の意見を言うような機会があると、前日から直前までいつもお腹が痛くなってたのを鮮明に覚えています。
このように、「気の持ちよう」が「体の症状(腹痛)」として現れることを、心身症と言いますが、あの頃のわたしは、まさにこの過剰適応(性格)が引き起こす極度の緊張(交感神経過緊張)がもたらしたものだったことを身をもって体感していたんですね。
3.わたしを救った東洋医学
そんな状態が1年・また1年と続き、昇進していくと関わる人や緊張するシーンに出くわす機会も増え、次第にたまに出てくる緊張由来の腹痛の他に、食欲不振や不眠なんかの症状も出てくるようになりました。
【 病院に行ってみても、特に異常はない。 】
いわゆる「不定愁訴」といわれるもので、その場しのぎの睡眠薬や整腸剤を処方される。
当時は理由なんてわかっていませんでしたが、今になって冷静に分析してみると、おそらくこれらは全て【自分の物事の捉えかたが作った自立神経の乱れからくる症状】だったんだろうな、と理解しています。
そんなわたしの壊れかけていた心身を救ってくれたのが、東洋医学だったんですね。
ヨガの聖典から学ぶ心のありかたは随分とストレスを受けにくい心を作ってくれましたし、鍼灸の刺激は自律神経の働きをダイレクトに整えてくれました。
そんな経験があるので、わたしは鍼灸師になった今でも、「養生」「予防医学」の観点から自分のメンテナンス(鍼灸施術を定期的に受けること)は欠かさずに続けています。
4.自分を受け入れること
話が少し逸れてしましたが、先日「創業セミナー」に出席した時のことです。
講師の先生がマイクを持ってきて、わたしに近寄ってきました。グループワークの解答を代表で発表してほしいとのことでした。
こんな時、以前のわたしだったら自分の意見を話すことに緊張してしまい、マイクを持つ手や発表する声が震えていたと思います。心臓がバクバクして、手に汗を握って、交感神経メーターが振り切りそうなくらい緊張し、何を言っているのかわからなくなっていたと思います…。(笑)
けれど、その時のわたしは1ミリも震えなかったんですね。
むしろ、堂々と自分の意見を落ち着いて話すことさえできていました。
もちろんお腹が痛くなることもなく、セミナーの間中も終始たのしく、リラックスして色々な業種の方と交流できている自分がいました。
【 あの頃のわたしと何が違うのだろう…? 】
そう思って振り返ってみると、「失敗」や「恥ずかしさ」も含めて自分であることを受け入れ、「わたしがわたしのままでいる」ことに自信が持てるようになってきたからかな、と思っています。
その背景には、やはり自分の好きなことを全力で学んでいるという自信のようなものもあるのかもしれないなと思います。
5.わたしはわたしのままでいい
あの頃、いつも何かに怯えながら周りに気をつかってばかりいたわたしに、何か言葉をかけることができるなら…
【 1番自分に似合う、自分が好きな服を、いつも着てたらいい 】
こんな感じかなあ………。(笑)
どんなに武装したって、服を着替えたって、わたしはわたしにしかなれないんですよね。
周りに合わせようとするのではなく、わたしが自分に合わせてあげるように心の矢印を変えればよかったんです。
今は、失敗したって間違ったこと言ったって、それを受け入れたり謝ったりしながら、もう一度トライしていくことを、人生の楽しみとすら思えるようになりました。
もちろん、そう思えない時だってあります。
とことん泣いたり、悩んだり、悔しかったり、もちろんあります。
前向きな人が羨ましくて、嫉妬してしまう時もあります。
そんな自分にまずは気づいて、そして一呼吸置いて。
「わたしはわたしのままでいい」と思えるように。
これからも自分を大切にする人生を歩んできたいと思っています。
6.最後に
わたしが好きな曲の歌詞に、こんな歌詞があります。
【 恥ずかしい過去も、今いる自分も両方大事 】( LOVE / 3B LAB.⭐︎ )
わたしたちは、なんとなく「性格」や「人格」みたいなものは変えられないと思ってしまいがちなのですが、どんな過去があったって、人は何度でもやり直せる、つまり性格や人格は自分の努力で変えられるということなんですね。
インドの諺に、こんなものがあります。
【 心が変われば、行動が変わる。 行動が変われば、習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。 人格が変われば運命が変わる。 】
これに加えて、わたしは「心か変われば、体も変わる」とも思っています。
まずは、「わたしとは?」を知り、自分を大切にする時間を持ってみること。
わたしはそんなことをこれからも人生の中で実践しながら、学んだことを鍼灸やヨーガを通してお伝えしていきたいなと思っています。
それではまた次回◎
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