吉村貢司郎の4月:好投の要因~球速アップと直球被打率
1.はじめに
2024シーズンのプロ野球が開幕して1か月。やっぱり毎日試合があるのはいいですね。
こんにちは、暁めぐりです。
今回は、開幕から順調にローテを守っている吉村貢司郎の話です。
吉村に関しては、昨季の平均球速146キロ→今季149キロと球速が大幅にアップしていることが話題になっています。
一方で、直球被打率は昨季.292→今季.333と改善しておらず、単純に球速アップが好投の要因ではないようです。
そこで本記事では、3、4月の吉村を対象に、その好投の要因を昨季からの変化から探ってみます。
是非最後までお読みください。
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2.好投の要因を探る
2-1 ストレート詳細スタッツ
前述の通り、平均球速の上昇と高被打率が見られます。他のスタッツにもほとんど変化はなく、微増といったところ。
やはり、直球を見るだけでは好投の要因はわからない感じです。
2-2 フォーク/スライダー
次にストレート以外の球種スタッツです。
まずはスライダーとフォーク。
特筆すべきはフォークの空振り率。
昨季空振り率13%→今季29%と大幅に増加しています。
また、スライダー/フォークともにストレートと同程度球速が増加しています。
ただし、フォークの球速増加が空振り率上昇に繋がり、好投の要因になっている…というわけではないようです。
NPBにおける研究でも、変化球自体の球速がその変化球の空振り率には影響しないという結果が出ています。
むしろ、速球(ストレート)の球速が変化球の空振り率に影響を与えるとされています。
よって、吉村の場合には、ストレートの出力増加がフォークの空振り率に良い影響を与えていることが想像できます。
そしてその効果は昨季1年間、フォークでの空振り三振が11個だったのが、今シーズンは開幕から1か月で14奪三振と目に見える形で現れています。
フォークのスタッツ改善は間違いなく吉村の好投の要因の1つに見えますし、おそらく、それは球速の上昇と関連しているものと考えられます。
ただ、どの程度の球速上昇がどの程度空振りに影響するのかはよく分かりません。16%の増加は球速だけでなく、フォーク自体の質の改善もあるとは思います。
2-3 カットボール/カーブ
最後にカットとカーブ。
特にカットボールのスタッツ改善が顕著です。ストライク率は39%→52%まで改善し、ファウルも取れるように。
空振り率も3%→14%と大きく増加しており、被打率は圧巻の.000(9-0)。昨季の.500(10-5)から大きく改善しています。
ストレート以外にゾーンで勝負でき、かつ、空振りもとれるボールができたのは非常に大きいと思います。
また、吉村は昨季から右より左打者に弱いというデータがあります。
今季もその傾向は変わっていないのですが、昨季.312→今季.273まで下がっています。
そこで対左カットボールを見てみると
空振り率20%かつファウルも取れています。また、今季投じた21球のカットのうち、15球が対左打者でした。しかも7打数0安打。
こちらも直球の球速アップが関係している可能性がありますが、サンプルが少なくてなんとも。
少なくとも、カットボールのスタッツ改善は投球全体をいい方向に導いていると思いますし、対左に関しては特に効果は大きいように見えます。
2-4 まとめ
吉村貢司郎の2024年3、4月の好投の要因は
①フォークの空振り率上昇
→フォークによる空振り三振の増加
→ストレートの球速アップが一要因
②カットのスタッツの大幅な改善
→直球以外の軸の構築と対左の改善
が挙げられると思います。
個人的にはスライダー、カーブなどの曲がり球を上手く使えるともっと良くなるかなと。
ローテでまわっている間に良くない時期も出てくると思いますが、頑張って1年守り切ってほしいですね。
3.おわりに(次回予告)
最後までお読みいただきありがとうございました。1か月単位だと短くまとめらて読みやすいでしょうか。
今年の吉村のフォーク、ここまでは凄くいいですね。
安定してイニング投げてくれますし、順調に階段を上っているかなと思います。
さて次回ですが、今回のような短めの記事になると思います。
ネタが作れているのは丸山和郁、ヤフーレ、長谷川、エスパーダ、木澤と色々ありますがどこまで書けるか…
スワローズとしては現状最下位ですが、吉村の頑張りなどいいニュースも多いですね。
個人的には西村瑠伊斗が戸田でじわじわ打率を上げているのが嬉しいです。
では、次回更新までに順位が1つでも上がっていることを願って。