わたしたちは世界をExploitする。—ティール組織を読んで—

—「わたしたちは世界をExploitする。」
ティール組織という本をつい先ほど読み終えました。
この本を読んで私は大きな高揚感を覚えました。きっと未来を作っていくのは私たちなのだと。

Exploitする

私は計算機—コンピュータ—が好きです。それは色々なことを試すことができるものであり、ただあるがままに動いてくれる存在であります。
語弊がある言い方をしますが、私は普段から人間の作ったプログラムを攻撃するのが好きで、よく攻撃をしています。ただ、それは競技の時だけですが……。
CTFと呼ばれるサイバーセキュリティの競技をご存知でしょうか?私はこの競技によく参加しており、特に先ほど言ったようなプログラムを攻撃—Exploit—するものが大好きです。
そしてつい先ほど読み終えたティール組織という本は現代の人間が持っているある価値観をExploitするものなのです。
だからこそ、私はこう言います。世界をExploitする……と。

従来の組織について

従来の組織のほとんどは未来を予測して計画に基づいて活動を決めていきます。これはまるである種のカラクリ、機械のように動作しています。
そして、わたしたちは気づいた時には世界をまるで大きな機械のように錯覚していくようになったのです。
すなわち以下のように言えます。
「ほとんどの人間は自ら考えることが出来ず、ある一定の時に動くだけの歯車である。そして、個々の人間は制度を持って統制しなくてはまともな活動をしない。優れた計画によって人間はようやく動き出すことができるのだ。」
わたしたちはこのように縛られた世界の中で生き生きと活動することができず、自らを見失いがちです。またこの統制というものは甘い蜜のようなものであり、気を抜くとすぐにこれに戻ってしまうものでもあります。

ティール組織とは?


従来の組織が統制に基づいているのに対して、ティール組織は信頼に基づいた組織の概念となります。
例えば、ティール組織に基づいた運営をしている金属メーカーのFAVIでは倉庫を自由に開放し、作業員たちは必要なものをいつでも持っていけることができます。(ティール組織 p135)
こう言ったことをすることにどう言ったメリットがあるのでしょうか。従来の組織の価値観を裏返していくことで、これの答えを見いだすことができます。
FAVIは以前では労働者がこう言った扱いを受けていただろうことを明らかにします。すなわち、労働者は「泥棒」、「怠け者」、「安心して任せられない」、「知的でない」と言った具合です。
信頼することには大きな意義があります。それは個々の持つ本来の力を発揮できるということです。統制の配下では、個々は制限された環境においてほとんどの力を発揮できませんでした。

ティール組織は世界を切り開いていく三つの突破口を持っています。
- セルフ・マネジメント
- ホールネス
- 存在目的
セルフ・マネジメントは個人個人が大きな決断をできるようにすることです。ですが、その実現のために「助言プロセス」と呼ばれる、関係のある方達全員に助言を仰ぐことができるというものが必要となってきます。
次にホールネスは従来の組織で狭い「専門家」としての仮面を被り、自己を抑圧しながら生きていたのを開放することにあります。これにはムードを築くある種の慣行を取り入れる必要があります。
最後に存在目的はその組織が本当になすべきことは何かを理解する場に組織に関わる全ての人に理解させることとなります。それは組織を未来を予言して統制していくのではなく、今どのように進むべきかを決定し未来を作る場にします。

世界をExploitする

意外に思われることかもしれませんが、コンピュータ好きな私は高校生の頃スピリチュアル、いわゆる精神世界にはまっていました。私はそれに傾向したことを今も後悔をしていますが、その一部の考え方は確かに私の精神性に根付くものでもあります。
その中でホールネスという考えがありました。つまりわたしたちは世界と全体性を持っているのだというものです。これはある意味で私の無謀で愚かだと言える突発的な行動や運に身を任せるようなその行動を後押ししているものの一つの考えのベースになっているのではないかと思います。
現代のこの世界はわたしたちが一生懸命組織化することによって成り立っているようにも見えます。ですが、それは幻想なのです。未来は決められていて予測することができると思い込み、計画し、それに失敗しては傷つき、また統制を強めていく、そのような世界に生きなくても良いのです。
つまるところ世界は自由に組織立っていくのです。人間が組織を作ろうともせずに。そう考えるともっと自由になっていきます。自由に遊んでは自由に実験して自由に失敗して、それを繰り返せばどれだけの新たな発見が待っていることでしょう。ティールの考え方は人間に根付いてしまった組織化された世界という幻想をExploitするのです。
そうです。
—「わたしたちは世界をExploitする。」

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