マーケティング・経営基礎 Day5 バーミキュラ ライスポット|高くても買ってもらうにはどうしたら良いのか(しかも何台も)
全6回のクラスのうち、前半3回は経営戦略、後半3回はマーケティングを学ぶカリキュラムとなっています。今回のDay5は後半の2回目ということで、マーケティングの基本理解を深めていく位置づけでした。
このケースでは、愛知ドビーが開発した「バーミキュラ ライスポット」の成功に焦点を当てています。製品は多機能性を備えた調理家電として市場に投入され、プロの料理人や家庭ユーザーから高い評価を得ています。バーミキュラ ライスポットは、炊飯だけでなく様々な調理が可能で、2016年の発売以来、著しい成功を収めました。このケースでは、製品開発の経緯、市場への導入、そしてその成功要因が詳細に語られています。
クラスは、このケースのテキストを作成されたご本人が講師をしていただいたため、とても熱心に説明してくださいました。製品が如何に優れているのかだけではなく、愛知ドビーの会社としての戦略の素晴らしさに感動し、思わず自分自身でもライスポットを購入してしまいました。10月頃に購入してから、ほぼ毎日使っています。この購入体験談については、別途記事にしてみたいと思います。
Day5に学んだこと
製品開発の重要性: 高機能でユーザーニーズに応える製品の開発。
市場ニーズの理解: ユーザーが求める機能性や利便性を把握すること。
ターゲット市場の特定: 特定の顧客層(プロの料理人や家庭ユーザー)への焦点。
ブランド認識の構築: 製品の品質と機能性によるブランドイメージの強化。
成功要因の分析: 市場導入後の製品の成功要因を詳細に分析。
個人的な洞察
IT業界における私自身の仕事を通した感想は以下の通りでした。当たり前のことをやるべきというだけかもしれませんが、成功事例はそれを確実に行っているのだな、、という感想でした。
自社の価値を効果的に伝えるための資料が不足している。
価格戦略において、低価格と高価格のバランスを見直す必要がある。
年1回の顧客満足度調査を活用し、顧客の個別課題解決に注力することが重要。
ユーザー会やオーナーイベント、インタビュー記事などの企画が、顧客のロイヤリティを高める上で効果的であること。
学びのメモ
総括
マーケティングは、単に製品やサービスを売るための手段ではなく、顧客の深い理解とそれに基づいた価値提供のプロセス。4Pのバランス、STP分析、そしてSWOT分析を通じて、企業がどのように市場と顧客にアプローチすべきかを示唆している。重要なのは、製品中心ではなく顧客中心の思考、市場の変化を敏感に察知し、それに適応する能力。組織全体がこの視点を持ち、常に市場と顧客のニーズに合わせて自らを変革していくことが、持続可能な成長への鍵となる。ビジネス環境は絶えず変化するため、マーケティング戦略もそれに応じて進化し続ける必要がある。このダイナミックなプロセスを理解し、実践することで、企業は競争優位を維持し、成功へと導かれる。
マーケティングの本質
マーケティングは、顧客に勝ってもらえる仕組みを作り、販売を後押しする活動。重要なのは、顧客の視点から物事を考え、彼らがどう感じているかを理解すること。このプロセスには、直接顧客と接する部門だけでなく、ITや財務などの間接的な部門も含まれる。組織全体で顧客を中心に考えることが、強い企業を作る。
4Pの整理
マーケティング戦略は、製品(Product)、価格(Price)、場所(Place)、プロモーション(Promotion)の4Pに分けて整理される。これは業界や職種によって偏りがちだが、バランス良く考えることが重要。
マーケティング戦略の基本プロセス
基本的なマーケティング戦略には、STP(Segmentation, Targeting, Positioning)と4Pが含まれる。市場の機会をどこに見出すか、利益や売上のアップが期待できる外的環境の変化をどう捉えるかがキーとなる。
セグメンテーション
顧客のニーズを分類することで、多様な嗜好を持つ現代の消費者を理解する。地理や性別だけでなく、心理的変数や行動変数に基づく分類(サイコグラフィックス)が重要。
ターゲティング
市場を攻める理由や攻めない理由を明確にし、ターゲットを絞り込む必要がある。評価軸としては、市場規模(Realistic Scale)、成長性(Rate of Growth)、競合(Rival)、波及効果(Ripple Effect)などがある。
ポジショニング
顧客の頭の中に明確で価値ある製品イメージを作り出すことがポジショニング。ターゲットを具体化し、競合に勝てるポジションを見つけることが重要。
ポジショニングの混同
セグメンテーション(ターゲットの分類)とポジショニング(ターゲットに対する製品の魅力)を混同しないよう注意が必要。
パーセプションマップ
製品のポジショニングと、顧客が持つ製品の認識(パーセプション)を理解し、両者のズレがないかを確認する。
経営環境の変化
経営環境は常に変化するため、多様な使用法の提案や新しいターゲット層の開拓など、柔軟な対応が求められる。
参考資料・書籍
『ストーリーで学ぶマーケティングの基本ーーー 顧客視点で考える「買ってもらえる仕組み」の作り方』
『ストーリーで学ぶ戦略思考入門ーーー仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク』
Day1をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。
https://note.com/megumirai2020/n/n96322ea35bef