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マーケティング・経営基礎 Day3 鉄鋼業界|馴染みのない業界を理解する方法

Day3では、現在のJFEホールディングスが2001年に経営統合する前のNKK(日本鋼管)を取り上げたケーススタディです。
全6回のクラスのうち、前半3回は経営戦略、後半3回はマーケティングを学ぶカリキュラムとなっており、今回は前半の最後の回ということで、Day1で行った経営戦略の全体像や事業環境分析、Day2でやった企業が競争優位に立つための手法の総合演習という位置づけでした。

『鉄鋼業界』は縁遠いところと思っていましたが、このクラス以降、鉄鋼業界のニュースがより頭に入ってきて、何が起きているのかを知る・知ろうと思えるようになりました。

Day2に学んだこと

  • Day1・Day2で学んだフレームワークを使って、日本国内の高炉事業の市場分析や業界KSF特定までを行う

  • NKKの自社を分析して、経営課題を特定する。

  • 課題解決をするための戦略オプションを策定して、最適な打ち手を選択する。

個人的な洞察

企業のビジネス戦略として、自社では複数のサービスを提供しているが、これらを大きく四つのカテゴリーに分けられる。これらは、一定のビジネスモデルを用いて、それぞれの契約の現状と将来性を評価し、分類していける。分類されたカテゴリーには、安定した収益をもたらす契約、成長が期待される契約、新技術を活用した革新的な契約、そして改善の余地がある契約に分類できる。
今後の事業展開においては、これらの契約ごとの分類を基に、人材配置や資源の割り当て、研修投資などの戦略を検討することができる。また、自社の強みと市場ニーズを踏まえ、技術力の強化や、より効率的な契約管理方法の確立が有用。
資源配分に関しては、特に重要な契約や将来性のある領域に焦点を当てることが必要で、一方で、現状ではコストが高く、見直しが必要な領域も存在する。このような分析を行い、結果をチーム全体で共有し、効率的かつ戦略的な意思決定を行うことが、今後の成功につながるといえる。

学びのメモ

鉄鋼業界分析

  1. 業界定義と分析手法

    • 業界定義は「国内製造業向け」で行い、PEST分析、5F分析、コスト構造分析、顧客ニーズと顧客KBF(Key Buying Factors)、業界KSF(Key Success Factors)の分析を実施。

    • NKKの業界KSFに対するギャップを特定し、1999年のNKKの課題を明らかにした。

  2. 分析の限界

    • 業界定義を国内に絞ることで、グローバル市場への適用性に欠ける可能性があった。

    • 数字に基づく分析(費用分析や成長率)の活用が不十分だった。

    • 供給チェーン全体(川上・川下)における稼働率の改善に焦点を当てるべきだった。

戦略オプション検討

  1. 統合の検討

    • 川崎製鉄以外との統合可能性の検討が不足していた。

    • 戦略オプションは、「統合しない」「国内で統合(川崎製鉄、住友金属、新日鉄)」「海外で統合」とすることが適切だった。

  2. コスト構造分析の誤差

    • 提供されたハンドアウトとの間に数値の乖離があったため、正確な情報に基づく分析が必要だった。

全社戦略について

  • 経営理念は変わらず、ビジョンと戦略は時代に応じて変化する。

  • ビジョンはすべてのステークホルダーへのメッセージであり、大きな目標や数字目標を設定する。

BCG-PPMについて

  1. PPMの軸の理解

    • 相対マーケットシェアはキャッシュイン、市場成長率はキャッシュアウトとして位置付ける。

    • 4つのカテゴリー(負け犬、問題児、スター、金のなる木)に分類する。

  2. PPMの限界

    • コストやシナジーの観点が欠けており、フレームワーク単独では意思決定が困難。

    • グラフの軸設定に恣意性があるため、適切な使用が必要。

  3. 多角化の意義

    • キャッシュを稼ぐ「金のなる木」から問題児に投資し、スターへと導く。

    • シナジーを考慮し、コストメリットがある複数の事業を展開する。

    • 鉄鋼会社が都市ごみ処理、造船、化学品などを手掛ける理由は、事業の安定性、技術活用、安定供給先の確保、利益率の高い仕事などが挙げられる。

総括

  • 鉄鋼業界における戦略立案は、業界の深い理解と多角的な分析が必要である。

  • 業界定義の精密化、数値分析の活用、供給チェーンの効率化、多角化戦略、そして国内外統合の検討は、今後の鉄鋼業界における重要な戦略的課題である。

  • BCG-PPMのような分析ツールは有用であるが、その限界を理解し、補完的なアプローチを採用することが重要である。

  • 最終的には、経営理念の維持と時代に応じたビジョン・戦略の調整が、鉄鋼業界における持続的な成功の鍵となる。

参考資料・書籍

『ストーリーで学ぶマーケティングの基本ーーー 顧客視点で考える「買ってもらえる仕組み」の作り方』

https://amzn.to/47ecF80

『ストーリーで学ぶ戦略思考入門ーーー仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク』

https://amzn.to/48aXKgi

Day1をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。

https://note.com/megumirai2020/n/n96322ea35bef


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