忘れても、忘れない。『インサイド・ヘッド』と『千と千尋の神隠し』

『インサイド・ヘッド2』に向けて
『インサイド・ヘッド』を観返していた先日。

幼い時から見守ってくれている、内なる存在。
この温かさを私は知っている。
ビンボンが消えてしまう場面で、思い出す。

「一度あったことは忘れないものさ
   思い出せないだけで」
『千と千尋の神隠し』の終盤、銭婆の言葉。

忘れても、忘れていない。
千尋が幼い頃、ハクと会っていたこと。
ハクに救われていたこと。きっかけで蘇る記憶。
千尋は忘れていたけど、忘れていなかった。

ビンボンと遊んでいた記憶。ビンボンのこと。
ライリーは忘れてしまったけど、きっと忘れない。

きっと私たちにも、
忘れてしまったけど、忘れていない愛がある。
そんな、思い出せない愛 に包まれる。

ハクは川の神様だけど、
私たちはきっと八百万の神様、
自然に見守られて育っている。

見えないけど、忘れてしまっているけど、
幼い頃から受けてきた愛、愛してくれていた存在。
確かに愛されていたのだと、
愛されているのだと、思わせてくれる。

一方、その愛は自分の中にもあるのだと
『インサイド・ヘッド』は思わせてくれる。
生まれた時から一人ではない。
自分自身に愛されてきた、大切な存在。

原題となっている『Inside Out』、
「内側から外側の」なんて意味もあるようだが
「不思議の街」も、内側にあるのかもしれない。



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