MBA生と議論した「女性活躍推進とは何か?」の結論は、働き方の自由化
グロービス経営大学院の「グロービスHRデザインクラブ」にお声がけいただいて、「女性活躍推進」をテーマに講演・議論する機会をいただいた。
普段はFemtech(フェムテック)や更年期障害について、講演をする機会が多いが、女性の健康課題と女性活躍推進は密接な関係があるため、Femtechについても織り交ぜながら、実際にお話しした内容を共有したい。
女活=女性管理職をつくることですか?(実際の声)
「女性活躍推進(女活)」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?これまでに筆者が、女性たちから聞いた意見を紹介する。
いただいたご意見をまとめると、女性活躍推進=女性管理職育成のイメージが強い。企業人事もKPIの設定が「女性管理職比率●%」となっているためと推測。議論の中でも「紹介された実際の声はよくわかる」という意見も多く聞かれた。
女性活躍推進に取り組む企業のメリット
女性の社会進出は世界的なトレンドとなっており、特に日本は人口減少により、一層の女性活躍の必要性が高まっている。
議論の中でも、「社内の女性活躍推進を進めるうえでの、上司への説得材料はないか」という質問もあり、参考になりそうなデータを紹介する。
業績とジェンダーの多様性
マッキンゼー&カンパニーが10カ国300社に行った調査結果によると、役員に男女の多様性のある上記4分の1の企業は、役員に女性がいない企業よりも、高い収益を得ている。
5年以上勤続する予定と回答した回答者の割合
デロイトの調査結果によると、一緒に働いている人たちに多様性があると感じている従業員は、多様でないと考える従業員よりも、5年以上長期で継続する予定と回答している。
つまり、多様性のある組織の方が人材の流出防止につながっている。
更年期と管理職になる時期の重なり
40歳以降、女性ホルモンが減ることで、更年期症状(更年期障害)が発症しやすくなるが、この時期は管理職になる年齢と重なるうえ、子育てや親の介護もある。
3月に入り、メディア(特にNHK)が更年期障害の特集を組んでいたが、国際女性デー以降は民放各社でも更年期障害の特集があり、日本でも更年期障害に関する関心が高まっている。
フジテレビ:バイキングMORE
TBS NEWS
女性活躍推進を進めるうえで、女性の身体の変化に寄り添い、女性が健やかに活躍できるためにも、更年期障害の理解は、必要不可欠だと感じている。
女性活躍推進のまとめ
企業や個人それぞれで、女性活躍推進のイメージは違うが、今回の講演で感じたことをまとめておく。
働き方の自由化
女性活躍推進(女活)」で重要なのは「働き方の自由化」自分や周りがどういうスタイルで働きたいのか?
そのための「働きやすい組織」をつくっていく必要がある。
インポスター症候群に陥らず、現在に集中すること
女性はどうしても、インポスター症候群(運や周りのサポートのおかげ)に陥りがちと言われている。現在に集中して、未来を心配し過ぎないことが重要なのかもしれない。
男女の身体の違いによる配慮
男性と女性は持って生まれた身体の特徴が違う。変な男女平等にこだわらず、お互い身体に対しての配慮をしていけたらいいと感じている。
講演依頼をいただいたグロービスHRクラブのみなさま、本当にありがとうございました。