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リコカツを観た

Amazonプライムで「リコカツ」を鑑賞した。

あまりにも、あまりにも素敵なドラマだったので、主人にも勧めてみたら予想通り夢中になり、最終回までふたりして何度かうるうるしながらエンディングを見届けた。

いやあ日本のTVドラマで久しぶりに感情を揺さぶられた。それでもって単純にエンターテイメントとしてもとにかく楽しめた。

「TVの笑い」に対して割と淡白なわたしが声を出して笑った場面も盛り沢山で、一秒たりとも飽きさせない要素が満載だった。

こういうジャンルの作品ってメッセージ性が強くなりすぎると一歩間違えると説教臭くなるけど、そもそもエンターテイメントにおいて視聴者は何かを学んだり得たいなんて思っていない。
楽しみにきてる。
その前提を絶対に忘れてはいけないってのが毎回伝わってきた。すごい。

で、楽しみに観てただけだったんだけど、結果的に物語の終わり際にふいに感情を揺さぶられているのだ。

その、私の心の奥の内なる感動をじわじわもたらしているのは一体何なんだろうと考えた時、それは主人公の心の機微が瞬間瞬間に感情移入できたことだと思っている。

そして、それを可能にしたのは紛れもなく瑛太の圧倒的な演技力による所が大きい。

やはり、神は細部に宿る、というか細部にしか宿らない。

30分の2秒の「目のわずかな動き」に隠された意味。
30分の1秒でもできるだけ伸ばしたい無言の「間」。          
30分の1秒に間違いなく「笑いの神」や「感動の神」が宿っている。 

『1秒でつかむ』テレビ東京/高橋弘樹

これぞまさに仕事の「スキルの深さ」が生み出す「コンテンツの深さ」だよなあ。

ドラマをリアルタイムで観れてたら、きっと高揚感が数か月持続していたはずだ。それをたったの数日間で昇華しきってしまったなんて、何たる不幸、否、幸か。

昔はリアルタイムで視聴するか録画するしかなかったんだから、そう思うと常に流れ続ける巻き戻し不可能な時間軸を持つ映像という特性と「もう一度観る」ことが容易ではないという特性という観点で、わたしの記憶に深く刻まれている昔のTVドラマってコンテンツとして最強なんだなと改めて思う。

恋愛ドラマで久しぶりに上質な作品に出会えたのは「愛の不時着」以来だな。

あの作品は主人公は言わずもがな、周りを固める脇役の補完要素が秀逸だったけれど、今回はその役回りを瑛太が一挙に担ってるんだよなあ。シリアスからコミカルまで、その神がかった振り幅の広い演技力の圧倒的な深みが眩しかった。

改めて、ドラマってすごい。

事実は“ストーリー”になって初めて、共感、拒絶、感動、悲嘆、いろんな感情をもたらしてくれるし、時に自分の人生や社会を考えたり強い問題意識を芽生えさせてくれる。

ちなみに、私が最も衝撃を受けた作品は「女王の教室」です。スペシャルエピソードの「堕天使」と「悪魔降臨」も強烈だった。もう15年以上前の作品なのか。それでも私の中では燦然と輝いております。


リコカツ、素晴らしかった。







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