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特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」鑑賞感想

京都北郊の紅葉の名所、高雄の神護寺は、和気清麻呂(わけのきよまろ)が建立した高雄山寺を起源とします。唐から帰国した空海が活動の拠点としたことから真言密教の出発点となりました。本展は824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して開催します。平安初期彫刻の最高傑作である国宝「薬師如来立像」や、約230年ぶりの修復を終えた国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」など、空海ゆかりの宝物をはじめ、神護寺に受け継がれる貴重な文化財をご紹介します。

特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

 創建1200年を記念した、今回の特別展は、密教の世界観を深く理解する上で、大変貴重な機会となりました。
特に、曼荼羅と法具の数々からは、神秘的で荘厳な密教の世界がひしひしと感じられ、深く心を揺さぶられました。それぞれの図像が持つ意味や、そこに込められた思想を想像すると、制作当時の職人たちの情熱が伝わってくるようでした。
 特に印象に残ったのは、江戸時代、230年ぶりに修理された国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」です。歴史の重みを感じさせる貴重な作品でしたが、経年劣化による損傷が進んでおり、細部までじっくりと鑑賞することは難しい状況でした。デジタル映像による拡大展示は、その美しい細部を克明に捉え、作品への理解を深める上で非常に役立ちました。しかし、これほどの文化財が損傷している現状を目の当たりにし、早急な修復が必要だと痛感しました。
 今回の展覧会で、曼荼羅に対する興味が深まり、いつか自分自身も曼荼羅を描いてみたいという気持ちが芽生えました。曼荼羅を描くことは、単なる絵画制作にとどまらず、深い精神世界に触れることだと思います。私も、いつかその世界に足を踏み入れてみたいと考えています。
今回の特別展を通して、空海が日本に伝えた真言密教の深遠さを改めて認識し、その魅力に深く感銘を受けました。この貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。
  平日にも拘わらす、夏休み期間中のせいか、会場は多くの人で賑わっており、皆さん真剣な表情で作品を鑑賞していました。イタリア人等外国人の方も多かったです。


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