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人間中心から自然中心へ

 これまで、西洋の哲学や思想、宗教、芸術は、人間中心主義に基づいて発展してきた。人間中心主義とは、人間を世界の中心とし、自然や他の生命を人間の利益のために利用すべき存在と考える考え方である。
しかし、近年、人間中心主義の限界が指摘されるようになってきている。
地球温暖化や気候変動などの環境問題、生物多様性の減少など、人間の活動が自然環境に大きな影響を与えていることが明らかになった。また、他者や自然への共感や尊重の重要性が高まっていることにより、人間中心主義への批判が高まっている。
このような背景から、人間中心から自然中心へと価値観がシフトしつつある。自然中心主義とは、自然を人間の所有物ではなく、共に生きる存在として尊重する考え方である。

自然中心の哲学
 自然中心の哲学は、人間と自然は対立するものではなく、共生するものであるという考えに基づいている。自然は人間にとっての資源や環境というだけでなく、尊敬すべき存在であるという考え方である。
日本の哲学者、西田幾多郎は、人間は自然の一部であり、自然と一体化することで真の幸福を得ることができると主張した。

自然中心の思想
 自然中心の思想は、自然と調和して生きることの重要性を説く。自然の摂理を尊重し、自然と共生していくことで、持続可能な社会を実現できるという考え方である。
自然中心の思想を代表する思想家に、インドの哲学者、シュリー・オーロビンドがいる。オーロビンドは、著書『人類の未来』の中で、人間は自然の一部であり、自然と調和して生きることで、真の幸福を実現できるという考えを説いた。
日本の思想家、宮沢賢治は、人間と自然は調和して生きるべきであり、自然を大切にすることで人間も幸福になれると主張した。
インディアンは土地を所有する概念を持っていなかった。
アマゾンのシャマンは、アマゾンの森は人類共有物だと言っていた。

自然中心の宗教
 自然中心の宗教は、自然を神聖なものとして崇める。自然の中に神を見出し、自然と一体となって生きることを追求する宗教である。
自然中心の宗教を代表する宗教に、シャーマニズムがある。シャーマニズムは、世界中のさまざまな地域で信仰されている原始宗教である。シャーマニズムは、自然の精霊や神々と交信し、自然の恵みを受けるために、儀式や呪術を行う。

自然中心の芸術
 自然中心の芸術は、自然の美しさと神秘性を表現する。自然の風景や生き物を描いたり、自然の音や動きを表現したりする芸術である。
自然中心の芸術を代表する芸術家に、日本の画家、横山大観がいる。
横山大観は、日本の自然の美しさを表現した作品を数多く残した。

 人間中心から自然中心への考え方の転換は、持続可能な社会の実現につながる可能性がある。自然と調和して生きることで、地球環境を守り、人間も豊かな暮らしを実現することができる。


 私は、自然中心の芸術「自然を想う新世紀芸術」第36回平泉展に出品しています。


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