【3分でわかる】『ペイ・フォワード』レビュー
あらすじ
アルコール依存症の母アーリーンと、母に暴力をふるう父に育てられたトレバーは、いつからか大人に失望し、世の中に期待することもなくなっていました。
そんなトレバーは、ある日社会科の授業でシモネット先生にとても難しい課題を出されます。
その課題とは、『世界を変える方法を考え、それを実行する』というものでした。
自分をとりまく環境にうんざりし、世界を変えたいと思ったトレバーは、一生懸命方法を考え、そして『ペイ・フォワード』という方法を思い付きます。
ペイ・フォワードとは、まず自分が3人を助け、助けられた3人もまた3人ずつ誰かを助けるというものです。
恩を相手に返す(ペイ・バック)のではなく、誰かに送る(ペイ・フォワード)ことを繰り返していけば、1つの善いことは何倍にも膨れ上がり、世界を変えるとトレバーは考えたのでした。
はたして、トレバーが思いついたペイ・フォワードは成功するのでしょうか。
続きは本作でお楽しみください。
みどころ
1)様々な闇を抱える登場人物達
本作で登場する人物達は、みんなそれぞれ暗い過去を背負っています。
アルコール依存症の親に振り回された人。
親からひどい暴力を受けた人。
薬に溺れて全てを失った人。
どの過去も正面から向き合って克服するのはとても時間がかかるし、勇気がいることです。
1人では絶対に立ち直れなかったかもしれない。
しょうがないと諦めてしまっていたかもしれない。
でも、誰かが変わることを信じて手を差し伸べてくれたなら、それは新しい明日へとつながる可能性の光になるのかもしれない。
そんなことを思わせてくれた作品でした。
2)トレバーの純粋な願い
これは、のちにトレバーがインタビューを受けた時に答えた言葉です。
誰よりも純粋に『行動すれば変わる』と信じ、動き続けたトレバー。
複雑な環境で育ったトレバーだからこそ、自分が置かれた環境を「しょうがない」と諦めたくなかったのかもしれません。
そんな彼の祈りにも似た願いが、可能性に蓋をしてしまった大人達を少しずつ動かしていきました。
ペイ・フォワードが生んだ可能性の連鎖は、トレバーが思ってもみなかったような形で広がり、最後には彼の元に帰っていきます。
物語の後半は衝撃と感動の連続なので、気になる方はぜひ本作でご覧ください。