【3分でわかる】『そして、バトンは渡された』レビュー
あらすじ
この作品は、血の繋がりを持たない2つの家族、優子とみいたんの人生を描いた映画です。
優子は現在の父親、雨宮と血が繋がっていませんが、必死で父親であろうとする雨宮の不器用な愛情を受け幸せな家庭生活を送っていました。
複雑な環境で育ちながらも暗い顔を見せることなく過ごす優子ですが、クラスに馴染むことができず、卒業合唱のピアノ奏者を押し付けられてしまいます。
他クラスのピアノ奏者はみんな凄腕揃いで実力差に落ち込む優子ですが、他クラスの奏者の中でも飛び抜けた才能を持つ早瀬の腕前に心を奪われ、次第に彼のことを意識するようになっていきました。
一方でみいたんという愛称の少女は、早くに母親を亡くし父の手で育てられますが、ある日父親がとびきり美人な女性、梨花を家に連れてきます。
2人は再婚するもすぐに離婚してしまいますが、梨花はみいたんに愛情を注ぎ続けました。
しかし自由奔放な梨花はたびたび父親を変え、その度に生活が大きく変わっていき、ある日突然梨花はみいたんの前から姿を消してしまいました。
血のつながらない父と娘、そして母と娘。
バラバラな2つの物語に少しずつ散りばめられた嘘。
その嘘が紐解かれる時、深い愛と血のつながりを超えた絆に涙すること間違いなしです。
続きは本作でお楽しみください。
みどころ
1)物語に散りばめられた小さな嘘
みいたんの前に突然現れた自由奔放な梨花。
ことあるごとに父親を変えるという行動だけみると自分勝手に見えますが、その行動の端々にはみいたんへの深い愛情を感じることができます。
そもそもなぜ若く美しい梨花は、大きな子供がいる人と結婚したのか。
なぜ次々に結婚相手を変えるのか。
そして、なぜ愛していたはずのみいたんの前から突然姿を消してしまったのか。
全ての謎が少しずつ紐解かれていくと、一つ一つの梨花の言葉に散りばめたられた優しい嘘が明らかになっていきます。
結末を知ってからもう一度映画を見返すと、梨花の深い愛情を感じることができて、さらに感動が深まると思います。
ぜひハンカチを片手にご覧ください。
2)繋がれる愛のバトン
この映画のタイトルにもある『バトン』という言葉。
その意味に気づくのは物語が終盤に差し掛かったころだと思います。
血のつながりがなくても愛情は伝わっていく。
強い想いは絆となって、人から人へ受け継がれていくということをこの映画を観て感じることができました。
個人的には、ラストにある雨宮が早瀬にバトンを渡すシーンがとても感動しました。
物語の色々なところに伏線があり、登場人物達の愛が込められているので、何度見ても感動するとてもいい作品だと思います。
予告編にある令和で一番感動するという煽り文句にも納得の作品だったので、気になった方はぜひ一度ご覧ください。