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「自分のため」の寄付
2年半かけて伸ばしていたロングヘア。
バッサリと切り落としてショートになった。
切った長さは、32cm。
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ヘアドネーションってなに?
「ヘアドネーション」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
ヘアドネーション(Hair Donation)とは、伸ばした髪の毛を医療用ウィッグの素材として寄付するボランティア活動のひとつ。近年、日本でも知名度が高まっており、老若男女を問わず、さまざまな人が活動に参加しています。
先日私が調べた時点では、実施しているのはJHD&C、NPO法人HERO、つな髪の3団体。
「ヘアドネーション」で検索するとドネーションの仕組みや方法などが一通り見られると思う。
私がこの取り組みを初めて知ったのは10年ほど前。まだ高校生だった。
当時は自分ごととして捉えることはなく、へえ、そんな取り組みもあるんだ、程度に思っていた。
初めてのドネーション
時は流れ2020年、
晴れて大学院へ進学できることとなり、「気入れ」なるものをしようと思い立った。
当時ロングになりつつあった髪の毛をバッサリ切ろうと思い、ふとヘアドネーションのことを思い出した。
改めてヘアドネーションについて調べてみると、いろんな条件があることがわかった。
パーマをかけていた当時の私の髪の毛は、長さが31cm以上ないとドネーションができないことを知った。
自分で測ってみると、25cmくらい。明らかに長さが足りなかった。
ドネーションする長さには届かないけれど、このタイミングでバッサリ切りたい。
ドネーションの団体に問い合わせたところ、ウィッグとしては使えないけれど、ウィッグを製作する美容師のカット練習用に役立てられるという返事をもらった。
本当はウィッグとして寄付したかったけれど、どんな形であれ役に立つのであればと、25cmの髪の毛を寄付することにした。
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なんとか実現したドネーション
そしてそれから3年が経ち、再びロングヘアになった。
本当はもう少し髪を伸ばして、夏が始まる前くらいに切ろうと思っていた。
でも仕事に資格勉強に忙しくなっていく中で、髪の毛を洗ったり乾かしたりする時間も短縮した方がいいという結論に至った。
美容師に相談し髪の長さを測ったところ、取れる長さは32cm。
前回よりも少し個性的なヘアスタイルにしたかったので、顔まわりの髪の毛だけはある程度長さを残す必要があり、そこは31cm以上取ることができなかった。
自分が求めるヘアスタイルを実現することも大事だったので、顔周りの毛については諦め、長い毛と短い毛を用途別に寄付することにした。
色々とギリギリではあったが、
前回果たせなかったドネーションを実現することができた。
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リップラインでプツっといきたい!と思っていた。
念願のヘアスタイル
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ヘアドネーションって意味あるの?
こういう声を少なからず聞いたことがある。
それは今回のヘアドネーションに限らず、例えば震災や戦災への寄付とか、ボランティアとかに対しても言われていると思う。
なぜ髪の毛を伸ばし、寄付するのか。
それに対する私の答えは、「win-winだから」。
私はいつも同じヘアスタイルだと飽きてしまう人で、バリエーションが欲しいと思っている。
昔はカラーをしていたこともあったけれど、伸びたときのメンテナンスが大変で、あるときやめてしまった。(あとはいろんな人に褒められて地毛の色が好きになれたというのも理由。単純。笑)
そうなるとバリエーションが出せるのは長さとパーマくらい。
どうせ伸ばすならある程度の長さまで伸ばして、ついでにドネーションできたらいいじゃん!という考えだった。
これだけ聞くとノリが軽いというか、無責任にも聞こえるかもしれないけれど、この「win-winである」というのは個人的にすごく大切だと考えている。
「誰かのために」も大切だけど、そのために自分が嫌な思いをしたり、苦しむ必要はない。
まずは自分を大事にして、その上で他の人のためにできることをする、ということが大切だと思う。
(そういえばボランティア活動をしていた大学時代も同じことを考えていた。これは完全に余談。)
寄付するという行為に対して、「偽善だ」という人も一定数見かけたことがある。
でも私は偽善だと思っていないし、むしろ自分にとっていいと思うことをしているだけなので、あまり他者に対して何かしてあげているという感覚はない。
なぜヘアドネーションをするのか
ヘアドネーションを知って実際にやってみたことで気づいたのは、
そもそも「髪の毛がない=恥ずかしい」という考え方がある種常識としてこの世界に存在しているのではないか、ということ。
私が中学生だったとき、同級生に脱毛症の子がいた。
その子は普段はウィッグをしていた(ということ自体、後から知ったのだけど)。泊まりがけで行く修学旅行の前、私たち生徒が体育館に集められ、そのことを告げられた。「気にしないであげてね」と。
思春期の子供たちにはこれが最善の対処法だったのかもしれない。
でも今思うと、髪の毛がある人もない人も、「髪がない」ことを強く意識している風潮があったからなのかな、と思ったり。
今は当時ほどセンシティブではないのかもしれないけれど、
それでもまだ多少なりとも、そういった考えは存在していると思う。
髪がないことは恥ずかしいことなのだろうか。
本人が恥ずかしいと思うのは個人の自由かもしれないけれど、本人以外の人が「恥ずかしい」というのは違うと思う。
本当は、ドネーションなんていらない世界の方がいいのかもしれない。
でもその一方で、ウィッグを必要としている人がいるのも事実。そういう人がいるなら、私はドネーションをしたいと思う。
髪の毛を必要としている人に渡したい。そしてそれと同時に、「髪がない=恥ずかしい」という風潮に問題提起をしたい。
寄付をする短期的な解決だけでは全く足りないと思う。
正直私一人が髪を伸ばして寄付しても、おそらくミジンコほどの力にしかなっていない。(今思ったけど、この表現ミジンコに失礼だね。他の表現募集したい。笑)
そもそもの概念を疑うことで、長期的なアプローチからも歩み寄ることが重要なのだと思う。
ポジティブな寄付
色々と話を膨らませてしまったけれど、最後にもう一度言っておこう。
ヘアドネーションは偽善ではない。
自分の(髪の毛という)余力を必要としている人にあげること、そしてその根底にある概念に頭を巡らせ意思表示をすることが自分にとって心地良くて、それができる自分の方が好きでいられるからそうしているだけである。
こういったセンシティブな話、普段はみんな無意識に避けていると思うのだけど、私は怖がらずいろんな人の考えを知りたい。
だからまずは、自分が思っていることを記録として残しておこうと思った。
これまでの人生で一番長い髪の毛だった。
初めてのロングヘアは、新しい自分を見たようで楽しかった。
これから再び始まるショートヘア生活も、とても楽しみだ。
自分の気持ちに余裕が生まれて、誰かが私の髪の毛を必要としてくれたら、
そのときはまた髪を伸ばそうと思う。
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