
紙の本を読むようになったら息子の行動が劇的に改善した件
30代になってから本をよく読むようになった。
その理由は、↓の記事で書いた。
再び本を読むようになったのは「ゆる言語学ラジオ」に出会ったおよそ2年前。
そして、常に本を読むような生活になったのは、およそ一年前「積読チャンネル」が開始された時からだ。
実は、この2年間にも色々と読書スタイルに変化があった。
なにぶん、読書という習慣を生活の中に再び取り入れるには、それなりの努力と時間が必要だ。
筋トレは、貧相もしくは怠惰な身体から、うっとりするような美しい身体になるまで相当の努力と時間がかかる。最初は軽いエクササイズから始めて、徐々に負荷を上げていく。いきなりヘヴィなトレーニングをしてしまうと怪我をする危険があるし、何より苦痛になって続かない。
読書はそれに少し似ていて、最初からアクセル全開ではいけない。まずはエクササイズから入らなければならない。
僕はまず、amazonのオーディオブックから始めた。
字で読む前に、まずは聞き流し。
仕事柄、車を運転する事が多い。その他は、もっぱら1人で何かしらの作業をしているので、オーディブルがぴったりだった。そして何より、サブスクでの聴き放題が充実している。有名作、話題作がかなりの数聴き放題なので、コスパがいい。
個人的には、登場人物がたくさんいる小説などはあまり頭に入ってこないが、軽めのノンフィクションやノウハウ・啓発系、歴史系の本などはなんら問題なく楽しめた。
普通の速度だとゆっくりすぎるので、1.2倍速で聴いている。1.5倍だと、間に違和感がある。
僕のオーディブルメイン時代は約半年続いたが、12、3冊分は聞けたのではないだろうか。
オーディブルで酷使しすぎて、300円のワイヤレスイヤホンがお陀仏し、AirPodsを購入した。あれ、コスパどこ行った?
次に、Kindle タブレットを購入した。
理由は「寝室で読みたいから」である。
↑僕が買ったやつ。今見たら値段結構上がっててびっくりした
というのも、うちには幼い子供がいて一緒に寝ているものだから、寝かしつけをしなければならない。部屋を暗くして、寝静まってから読書をするとなると、枕元のランプをつけるのは憚られる。
というわけで、お小遣いを叩いてKindleタブレット購入した。なんか全然コスパ良くない気がしてきた。
Kindleはブックマーク機能やハイライトなど便利な機能が多い。ただ、正直スマホに慣れきってしまった僕にとっては、動作がかなりモサいのと、オール白黒なので、写真や図などが豊富に使われている書籍を読む時は残念だ。また、タッチのズレやモサいがゆえの誤作動も少なくなく、慣れるまでは結構ストレスだった。
ただ、いまはそうしたモサにも慣れてきて、いつでもどこでも読める...そして一台で数百冊分の本を持ち歩けるという圧倒的な利便性が勝る結果となった。
じきに、オーディブルで聴きたい本も無くなり、ほぼ完全にKindleに移行して本を読みまくっていた僕だが、昨年の秋ごろに意外な形でKindle時代が終焉を迎える。
息子の成長である。
子供とは、親をよく見ている。
最近世界中で社会問題化しているのが親がスマホばかり見ていているということ。親がスマホばかり見ていると子供もスマホを見たがってしまうし、ひいてはスマホゲームやYouTubeのような気軽に脳みその報酬系物質を垂れ流してくれるものに依存してしまうらしい。(データはないっす。)
そして、これはうちの息子に限ったことかもしれないが、親がスマホをいじっている時に限って、かまってちゃんになる。おそらく、スマホが娯楽の道具で、スマホをいじっている=遊んでいると思っているのだ。そして、遊んでいるなら構ってよ!という理屈だろう。
僕は仕事でもスマホを使うが、そうした作業でも子どもから見れば「遊んでいる」から、平気で邪魔をしてくる。割と鬱陶しいのだが、実際ボーっとインスタのショート動画を眺めていることも、Xでひたすら他人のレスバに茶々をいれていることもあるので、子供からすれば遊びか仕事かなんて知ったこっちゃない。見分けがつかないのだ(レスバに茶々を入れている時の方が真剣な表情であることは明白だし)
とはいえ、スマホを見ている時に息子がかまってちゃんになるのはまだ良い。
不思議なのが、親がスマホを見ていると、息子の集中力も落ちている気がするということだ。
例えば、僕がリビングでPCと向き合って仕事に集中している時は、息子もおもちゃ遊びに集中している。
しかし、僕がスマホをいじり始めると、息子も「YouTube見て良い?」「おかし食べて良い?」と、あらゆることに興味が分散する。
しかも、心なしか親がスマホをいじっている時間が多い日の夜は、息子の寝つきも悪い(当家比)
そして、だ。
悪いことに、息子から見れば、Kindleタブレットもスマホと同じに見えるのだ。
食事後、僕がのんびりKindleタブレットで本を読んでいても、そりゃもうびっくりするくらいかまってちゃんになる。YouTubeを見たいやらコーラが飲みたいやら、あらゆることに興味が移ってはすぐ飽きて別のことをし始める。
そして、ベッドに入って妻も寝て、僕がおもむろにKindleをつけて読み始めるとなんか起きる。
「まだ遊んでいいの?」と目を輝かせるのだ。
僕はすっかり困り果てた。なにせ読書をすることが息子の悪影響になってしまっていたからだ。息子からすれば「四六時中スマホをいじって構ってくれないクズ親」である。はたからみてたらそうかもしれないけれど、一応読書なんだぞ。
そんなある日「積読チャンネル」で紹介された本が気になった。
積読チャンネルは、中古本買取や販売も行っているオンライン書店・バリューブックスがスポンサーとなり、その社員が自らパーソナリティ務めているYouTubeチャンネル。(共にパーソナリティである掘元見氏から「狂気のスポンサー」と揶揄されているが、実際そうだと思う)
僕は、この積読チャンネルが開設されてから一気に読書量が増え、読書に対する人生観、ひいては生活スタイルや価値観まで変えられたので、去年の秋ごろからお布施の意味も込めてできるだけバリューブックスで本を購入することにした。
当然だが手元に届くのは紙の本である。
もちろん最近も紙の本をいくつか読んではいたが、オーディオブックとKindleタブレットに慣れていた僕にとって紙の本は少し億劫な代物だった。それでも何冊も読みに連れて、紙の本にも慣れ、紙だからこその柔らかみやあたたかさを思い出して心地よく読書ができるようになってきた。
しかし、ここで予想外の展開が訪れる。
なんと、僕が紙の本を読み始めるようになってから、息子も本を読むようになったのである。もちろん、幼児なので絵本や図鑑だが....!
今までは読み聞かせをしなければ見向きもしなかった絵本を、自ら手に取り、横に座って、真剣に眺めるのである。
しかも、わからない字や内容を聞いてくるようにもなった。自ら知識を求め、学ぶようになったのである。親としてこんなに嬉しいことはない。
さらに、僕が紙の本を読んでいるときは決して邪魔をしないでいてくれる。
絵本を読むので、息子自身がYouTubeを見る時間も減った。
さらにさらに、夜、寝室で紙の本を読むようになってから、息子の寝つきも格段に良くなった。
まだ遊びたい〜とか、モゾモゾなにかが気になって寝れない〜がなくなったのである。
紙の本を読むようになってだけで、息子の行動が劇的に改善されたのである。
全くもって謎の現象だが、我が家で起きた事実であることはここに明言したい。
「なにもかもうまくいくようになった!」
なんだか一昔前の雑誌の裏表紙の怪しいブレスレットや青○汁のドキュメンタリーCMのようになってしまったが、とにかく結論としては
紙で本を読むことが、息子の行動や寝つきを改善する結果になったことは確かだ。
もちろん僕と息子の体験なので、再現性は知らん。他の家庭でうまくいくかはわからない。
とにかく、子供の前でスマホ(と思われるものも)をいじりすぎるのはやはり良くないという事がわかった。
そして少なくともうちの家庭においては、読書という習慣が、息子の行動より良いものにしてくれた。
本当に、読書の持つ不思議な力は底しれない。
もはや僕は読書教の信者になっているかもしれない。
こうして、読書教の狂信者となった僕は、今日も総本山バリューブックスにお布施を支払って「紙の本」という聖書を手にするのであった...!
おわり