MBA受験の出願先(選択軸、検討した学校)
MBAの出願戦略はとても難しく、明確な正解の無い世界です。
日本の大学受験では、東大京大→早慶→MARCHのような志望順位の標準形みたいなものが一定ありますし、夏休みが「受験生の天王山」と形容されるように、皆同じようなスケジュールを経て、受験当日を迎えることとなります。
一方海外MBA受験の世界では、ランキングはあるとは言え、出願先の選び方は人によって本当に様々です。
MBA受験の過程で、多くの受験生・在校生・卒業生の方と会話させていただく機会がありましたが、皆それぞれの軸で出願先・進学先を決めていることに気付かされました。
さらには、各学校で締め切りが数ヶ月毎に段階的に設定されている、「Round制」というのが日本の受験とは異なる世界で、Round戦略(どのRoundでどこに出すのか)にも頭を悩ませる方が多いのではないかと考えます。
本記事では、今後MBA受験を検討される方に向けて、私がどのように出願先を決めていったか、触れていきたいと思います。
出願先
第一志望群(1st Round出願)
Stanford MSx
MIT Sloan Fellows
第二志望群(1st Round出願)
Columbia Business School J-term
London Business School(15ヶ月卒業)
第三志望群(出願せず)
他M7(特にKellogg 1 year)
イギリス校(Oxford、Cambridge)
ヨーロッパ校(INSEAD、IESE)
スコア・経歴
IELTS 7.5、GMAT Focus 675点、私費受験
大学:慶應義塾大学(GPA 3.42)
1社目:大手損害保険会社 約5年
2社目(現職):外資系コンサルティング会社 約6年
※IELTS・GMATのスコアメイクの詳細は以下記事に掲載しています。
出願先の選択軸
1. トップスクールであること
キャリアを中断して自分のお金で留学する以上、トップスクール(最低でもTop 30)、特にM7+LBSのどこかに行きたい、と考えていました。
2. Mid career向けプログラムであること
私はMBAに行く時点で社会人経験12年、管理職経験が5年になるため、一般のMBA(社会人経験:平均約5年)はキャリアステージに合わないのでは、と考えました。
これから管理職を経験していく人と既に管理職を経験した人では学ぶべきことは異なりますし、ディスカッションでの目線も異なるはずなので、より近しいキャリアの方々と勉強したいと思いました。
また、単純に「若者の多いクラスになじめるんだろうか」という心配もありました。笑
3. 1.5年以内で英語圏の大都市で勉強できること
上記1&2の基準だと、必然的にStanford MSx、MIT SFに絞られてしまうため、第二志望群の出願先を以下のとおり検討しました。
この2校の選定は、はじめから明確な軸を持っていたのではなく、他のM7や欧州校のInfo sessionに参加していく中で、軸が見えていきました。
Columbia Business School MBA
CBSには2年制のプログラム(8月開始)に途中から合流し、1.5ヶ月で卒業できるJanuary Intake(J-term)という仕組みがあります。
J-term生は年齢層がやや高く、生活費等も1.5年分で済む、ということから、第二志望群に入れました。London Business School(MBA)
LBSには卒業時期を自由に選ぶことができ、15/18/21ヶ月卒業があります。
私はLBSの出願時、15ヶ月卒業を想定していました。
(なお、LBSのMid career向けプログラムであるSloan Masters in Leadership and Strategyは上記1&2の基準を満たすものの、卒業生のお話を伺い、やや年齢層が高くプロファイルがフィットしないと判断しました)
上記2校の魅力に感じた共通点は以下の通りです。
NY/Londonと大都市の立地のため、多少クラスメイトが若くてなじめなくても、学校の外で楽しめるものがいくらでもあること
私のバックグラウンドである金融・コンサル関連のオポチュニティの多さ
1.5年という期間でインテンシブに学べること
出願先以外に検討した学校
どの学校も素晴らしい学校であることは言うまでもなく、私の偏見を多分に含んだ「合う合わない」の話です。
「こういうPreferenceの人はここにPros/Consを感じたのね」という参考程度にはなるかなと思い、記載することにしました。
(例えば私にとって魅力である「1 yearプログラムでインテンシブに学べること」は、ドラスティックなキャリアチェンジを考えていてインターンの機会を得たい方にとってはデメリットになり得ますし、Pros/Consの感じ方も本当に人によるのがMBA受験の難しさだなと思います。)
Kellogg
Pros
M7であり1 yearプログラムがある点
Cons
以下より第三志望群に回し、1st Roundまでに出願した学校にすべて落ちたら2nd Roundで出願を検討することにし、結果的には出願しませんでした。
やや田舎すぎるかもと感じた点
(学校外のインターン等のオポチュニティへのアクセスが限られてしまう)オンラインイベントで感じた雰囲気のフィット感
1 yearプログラムは英語Nativeの方が多いとの在校生の声
Oxford・Cambridge
以下より第三志望群と判断。
Pros
1 yearプログラムである点
UKという立地(漠然とした憧れ)
欧州校のため社会人経験が比較的長い方が多く、落ち着きがある点
卒業生のキャリアや雰囲気の堅実性
Cons
ロンドンにはやや距離がある点
MBAプログラムのReputation
(大学自体のピカイチなReputationに比べ、少し見劣りしてしまう)
INSEAD・IESE
以下より第三志望群と判断。
Pros
1 yearプログラムである点
欧州校のため社会人経験が比較的長い点
Cons
英語圏でない点
(MBAを考え始めた初期的なモチベーションが「英語圏に住んでみたい!」だったため、私にとってはネガティブ要素)”Work hard, play hard”のカルチャーやParty schoolと称されていることに陰キャとしては怯えた点
Harvard
以下より出願先から除外。
Pros
古き良き東海岸的なカルチャーが私にフィットする点
「伝統的な業界のエリート」(コンサル、金融)というイメージへの憧れ
ボストンという立地(安全で清潔!)
Cons
若くて優秀でCompetitiveと称されるクラスメイトと2年間ケース漬けになることへの抵抗感
そのストレスを解消できる逃げ場があまりなさそうな点
上記二点から志望順位が低いのに、狭き門であるHarvardにアプライすることのタイムパフォーマンス観点の妥当性が低い点
USC Marshall IBEAR MBA
Pros
Mid executive programである点
Cons
ランキングTop 30に入っておらず、学校名になじみがなかった点
アジア人が多すぎるように感じた点
(USCに限らず、各学校が謳う「Diversity」や「International environment」が、自分の求めるものなのかはよく吟味した方がいいと感じました。アジア人中心の環境は、確かにInternational studentが多いことをもってInternational environmentと表現することもできるのですが、私が求めるそれではありませんでした)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
MBA受験では、個々人のPreferenceや目指すキャリア次第で、本当に十人十色の学校の選び方があり得ますし、志望順位も本当にその人次第です。
実際に、MBA受験のプロセスの中で様々な方と会話し、欧州への憧れから欧州校に絞ってアプライした方や、アジア圏の実用性の高いネットワーキングを求めてシンガポールの学校に進学することを決めた方もいました。
また、「コンサルに強い学校」と一言で言っても、他業界からコンサルに転職したい人、金融業界のコンサルスキルを磨きたい人、ライフサイエンス関連のコンサルを目指している人では、それぞれ選択すべき学校が異なるように思います。
今後の記事では、学校選びに使ったリソースや、Round戦略についての私の考え方に触れていければと思いますが、少し長くなってしまったので今回は以上にできればと思います。
ご精読ありがとうございました!