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日銀はどのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したの?〜日銀の政策大転換(後半)〜

前回の記事で、こんなことを書きました。


<サマリー>
・給与は上がったけど、それ以上にインフレの影響で実質賃金が下がっているという速報が出た
・インフレをなんとかいい感じにする、
 つまり物価の安定を図るのは日銀のお仕事
・6月14日、日銀はある政策転換を決めた、それは「長期国債の買い入れを減らしていく方針」つまり、量的引き締めに転換
・そもそも、どのぐらい量的緩和してたの?

お金じゃぶじゃぶ政策(量的緩和)。
どのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したか?
つまり、どのぐらい日銀は国債を買ったのか?

国債保有残高が、2013年3月末では、94兆円でした。
これが、10年後の2023年には、いくらになっていたでしょうか?
本当に異次元の数字ですよ…!

異次元の金融緩和で、
国債保有残高、2023年末には、581兆円になっていました。
94兆円の、約6倍です。

すごくないですか?
2013年~2023年の約10年間で、
94兆円から581兆円になったんですよ。
つまり、それだけのお金を、日銀はじゃぶじゃぶ流したんですよ。


あなたの財産が、10年で
940万円から5810万円になったら、すごいなって思いません?


これだけ異次元の金融緩和したら、
そりゃ株価あがりますわ。

これぞ、異次元の金融緩和!
異次元の少子化対策も、これぐらいやってくれないかな!(いきなりの論点ずらし!)


でね、2023年末には581兆円にもなっていた国債保有残高。
これ、日銀が銀行から国債を買ってるんですよね。
だから、いつかは売らなきゃいけないんですよ。
買い続けるわけにはいきませんから。
しかも買いすぎて、国債発行残高に占める日銀の保有割合は、約54%にまでなっていましたから(2023年末時点)。


2013年から続いていた、この異次元の金融緩和。
お金をじゃぶじゃぶ流し、金利を低くしていた金融緩和。
いつまでも続けるわけにはいきません。
いつまでも、水道の蛇口を開きっぱなしにするわけにはいかないんですよ。
いつかは、蛇口を締めていかないといけない。
さらに言うと、いつかはその溜まった水も減らさないといけない。

ま、この調整がすごく難しいんですけどね。


ほな、いつその蛇口締めるの?
これが「出口戦略」です。
異次元の金融緩和、いつかは終わらせなあかんのです。


異次元の金融緩和、2024年3月に終了しました。
でも、長期金利の変動を避けるために、日銀は毎月6兆円規模の国債の買い入れを続けていたんですよね。だってほら、国債って償還があるから。償還があると国債保有残高は減るからさ。


それが、とうとう。
6月14日の金融政策決定会合で。


長期国債の買い入れを減らしてく方針を決めた

のです!!!

事実上の量的引き締め(QT)転換です!!!


なんかもう、歴史の重要ポイントにいるなって感じです。
これだから、マーケットチェックはやめられない。
これ、2024年3月の金融緩和に並び、教科書に載るレベルの出来事です!!

以上、

長期国債の買い入れを減らしてく方針ってどういう意味?
それの何が政策転換なの?
ということが、分かりましたでしょうか?


ちなみに。
今後どのぐらい減らしていくかと言うと。

日銀の植田総裁は、
減額の幅やペースに関して具体的な表現は避けたものの、

「ほんのわずかしか減額しないということではない」
「望ましい状態にまで1~2年で到達できるとは思っていない」

と発言しています。


今後1~2年の具体的な減額計画は、次の金融政策決定会合で決まります。
いつかって?
7月30日、31日です。
みなさんも、是非注目してみてください。


それまでは現在と同程度の月6兆円前後の国債買い入れを続けます。減額そのものは、8月からの予定。
今より買い入れ額を減らすと、償還額の方が大きくなるため、日銀が保有する国債の残高は減っていきます。事実上の量的引き締め。
正常化への道はスムーズにいくのか。

7月30日、31日の日銀の金融政策決定会合と、マーケットに要注目です!


マーケット関係者はどのような見解なのか。

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