日銀はどのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したの?〜日銀の政策大転換(後半)〜
前回の記事で、こんなことを書きました。
お金じゃぶじゃぶ政策(量的緩和)。
どのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したか?
つまり、どのぐらい日銀は国債を買ったのか?
国債保有残高が、2013年3月末では、94兆円でした。
これが、10年後の2023年には、いくらになっていたでしょうか?
本当に異次元の数字ですよ…!
異次元の金融緩和で、
国債保有残高、2023年末には、581兆円になっていました。
94兆円の、約6倍です。
すごくないですか?
2013年~2023年の約10年間で、
94兆円から581兆円になったんですよ。
つまり、それだけのお金を、日銀はじゃぶじゃぶ流したんですよ。
あなたの財産が、10年で
940万円から5810万円になったら、すごいなって思いません?
これだけ異次元の金融緩和したら、
そりゃ株価あがりますわ。
これぞ、異次元の金融緩和!
異次元の少子化対策も、これぐらいやってくれないかな!(いきなりの論点ずらし!)
でね、2023年末には581兆円にもなっていた国債保有残高。
これ、日銀が銀行から国債を買ってるんですよね。
だから、いつかは売らなきゃいけないんですよ。
買い続けるわけにはいきませんから。
しかも買いすぎて、国債発行残高に占める日銀の保有割合は、約54%にまでなっていましたから(2023年末時点)。
2013年から続いていた、この異次元の金融緩和。
お金をじゃぶじゃぶ流し、金利を低くしていた金融緩和。
いつまでも続けるわけにはいきません。
いつまでも、水道の蛇口を開きっぱなしにするわけにはいかないんですよ。
いつかは、蛇口を締めていかないといけない。
さらに言うと、いつかはその溜まった水も減らさないといけない。
ま、この調整がすごく難しいんですけどね。
ほな、いつその蛇口締めるの?
これが「出口戦略」です。
異次元の金融緩和、いつかは終わらせなあかんのです。
異次元の金融緩和、2024年3月に終了しました。
でも、長期金利の変動を避けるために、日銀は毎月6兆円規模の国債の買い入れを続けていたんですよね。だってほら、国債って償還があるから。償還があると国債保有残高は減るからさ。
それが、とうとう。
6月14日の金融政策決定会合で。
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長期国債の買い入れを減らしてく方針を決めた
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のです!!!
事実上の量的引き締め(QT)転換です!!!
なんかもう、歴史の重要ポイントにいるなって感じです。
これだから、マーケットチェックはやめられない。
これ、2024年3月の金融緩和に並び、教科書に載るレベルの出来事です!!
以上、
長期国債の買い入れを減らしてく方針ってどういう意味?
それの何が政策転換なの?
ということが、分かりましたでしょうか?
ちなみに。
今後どのぐらい減らしていくかと言うと。
日銀の植田総裁は、
減額の幅やペースに関して具体的な表現は避けたものの、
「ほんのわずかしか減額しないということではない」
「望ましい状態にまで1~2年で到達できるとは思っていない」
と発言しています。
今後1~2年の具体的な減額計画は、次の金融政策決定会合で決まります。
いつかって?
7月30日、31日です。
みなさんも、是非注目してみてください。
それまでは現在と同程度の月6兆円前後の国債買い入れを続けます。減額そのものは、8月からの予定。
今より買い入れ額を減らすと、償還額の方が大きくなるため、日銀が保有する国債の残高は減っていきます。事実上の量的引き締め。
正常化への道はスムーズにいくのか。
7月30日、31日の日銀の金融政策決定会合と、マーケットに要注目です!
マーケット関係者はどのような見解なのか。
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