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給料は上がったけど、それ以上にインフレ!日銀はどんな対策をとったのか?〜日銀の政策大転換(前半)〜
前回の記事で、こんなことを書きました。
<サマリー>
・基本給は前年同月比+2.3%上昇、なんと29年ぶりの伸び率
・手当込みの賃金も+約2%上昇
・でも、実質賃金は▲0.7%
・だって、物価上昇が+2.9%だから
このような状況の中、日銀はある政策転換をしました。
どんな政策転換をしたのか。
書いていたら長くなったので、前半と後半にわけます。
2024年6月14日に開いた金融政策決定会合で、日銀は
/
長期国債の買い入れを減らしてく方針を決めました
\
は?
![](https://assets.st-note.com/img/1719023178441-AvXszRRY4c.png)
長期国債の買い入れを減らしてく方針ってどういう意味?
それの何が政策転換なの?
って思ったそこのあなた。
これ、実はすごいことなんですよ。
何がすごいことなのか、今日はこれを解説していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1718846213641-jlRVtUNXGJ.jpg?width=1200)
だって、長期国債の買い入れを減らしてく方針ってことは、事実上の量的引き締め(QT)に転換するってことなんです。
おっと、ここ丁寧に解説していきますね。
◆量的引き締めに転換ってどういうこと?
そもそも、
「量的引き締めに転換」って何?
これは、「量的緩和から、量的引き締めに転換」したって話です。
◆量的緩和ってどういうこと?
では、「量的緩和」って何?
「量的緩和」とは、「金融緩和」の2つある方法のうちの1つです。
金融緩和とは、金融を緩和すること。(そのままやん)
水道の蛇口をゆるめるイメージです。
逆に、金融引き締めは、水道の蛇口を閉めていくイメージ。
金融緩和をすることによって、たくさんのお金がマーケットに出回り、
経済が活性化する、という仕組み。教科書的には。
さて、金融緩和には、2つの方法があります。
1.量的緩和
=お金を発行しまくって、じゃぶじゃぶ流す
2.利下げ
=政策金利を下げる
=お金を借りやすくなるand預けても金利低いから、消費や投資に回りやすくなる
今回は、この
1.量的緩和
=お金を発行しまくって、じゃぶじゃぶ流す
の話に関わるところです。
今までね、日銀は量的緩和を行ってたんですよ。
お金バラマキ政策をする、ということ。
日本にお金をじゃぶじゃぶばらまいていたんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718846404160-f9lnJmUVW2.jpg?width=1200)
◆お金をばらまくってどういうこと?
じゃぁ、お金をばらまくってどういうことか?
駅前でお金配るわけじゃないし、
国民の口座にお金入金するわけでもありません。
量的緩和とは、
中央銀行が、民間銀行などから国債や金融商品を買い取り、
その代金として民間銀行に資金を供給することです。
どういうことかって?
そもそもの前提、銀行ってどうやって利益を得ているのか?
基本的な構造をざっくり言うと、
みんなからお金を預かる時に2%ぐらいの利子つけてて、
お金貸す時は10%の金利つけて、その差の8%が銀行の収益だよん、
というのが、銀行の収益構造(の一部)です。
昔はそんな感じだったけど、ここ数十年は金利が低すぎて、
みんなからお金を預かる時は0.001%なんだけど、
お金を貸す時も0.7%しか金利つけられないから、
銀行の収益は0.698%しかない。金利が低すぎて儲けられない。
というイメージでした(ちょっと前までは)。
儲けられないと困るので、銀行も運用するわけです。
株とか債券とかで。
そのうちの1つで、各銀行は
大量の国債を持ってるんですよね。
その銀行が持っている国債を、
日本の中央銀行である日銀が買いまくる
↓
各銀行は、持っている国債を売るので、代金が入る
↓
その資金を企業への融資、
つまり会社にお金を貸すことに使う
↓
経済全体にお金が巡って好景気、めでたしめでたし
というのが、教科書的流れです。
大量のマネーを市場に供給する、つまり大量のお金をばらまく、
そのお金の「量」に着目する緩和策なので、
「量的緩和」とか、「量的金融緩和」とか呼ばれています。
一言で言うと、銀行が持ってる国債を日本銀行が買いまくる、というわけですね。
ちなみに雑学なんですけど、
この「量的緩和」の国債買い入れを世界で初めて導入した国ってどこかご存知ですか?
![](https://assets.st-note.com/img/1718846993936-IN25t8g3Bj.jpg?width=1200)
なんと、日本です。
日銀です。
2001年、
日銀は量的緩和を導入し、世界で初めて国債買い入れで金融緩和を実施する中央銀行となりました。
で、みなさん、覚えているかしら?
2013年から始まった、異次元緩和を。
「異次元緩和」という言葉は、経済や金融に馴染みのない方々でさえ、聞いたことはあるはず。
あれ、本当の本当に異次元だったんですよ。
今の政府がやっている異次元の少子化対策とは比べものにならないぐらい。
どのぐらい異次元だったかって?
例えば、お金じゃぶじゃぶ政策(量的緩和)。
どのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したか?
つまり、どのぐらい日銀は国債を買ったのか?
国債保有残高が、2013年3月末では、94兆円でした。
これが、10年後の2023年には、いくらになっていたでしょうか?
本当に異次元の数字ですよ…!
次回へ続きます。
次回は、6/26(水)に更新予定。
今週は、月・水・金と高頻度で記事を更新予定です!
(土日に記事を書き溜めたから)
読みやすいように工夫して書いたので、是非ぜひ読んでもらえると嬉しいです!
日銀がどのぐらい国債を買ったのか、
日銀がどのぐらいお金をじゃぶじゃぶ流したのか、
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