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朝ドラ

日本を離れて長い間テレビのない暮らしをしてきました。

NZに来てからは学生時代と下宿暮らしが長かったから。

コロナの始まる直前に部屋を買って新しい家具とともにテレビも設置、最近やっと設定が完了。

日本のテレビも見られるようになったばかりの先月8月からの急なロックダウン again。

レベル4の制限でスーパーと薬局以外は全て閉店、という状態が5週間。

出勤しない日は、散歩、ヨガ、時々スーパーというのがRoutine。

有り余る時間の中、今回は日本のテレビが見られるということですっかりテレビっ子。

大好きだった「東京ラブストーリー」や「29歳のクリスマス」を見て当時の感覚にしばし浸った直後にネットを見るとトップニュースはコロナの新規感染者の数で一気に現実の世界に引き戻されたりして。

緑の公衆電話と留守番電話が恋愛時の主な連絡手段だった時代にコロナが来てなくて良かった、とちょっとホッとしたり。

そんな中、今ハマっているのが朝ドラ「おかえりモネ」です。

気象予報士のお話、ということで時々画面の横にちらりと映る懐かしい日本の専門天気図を発見すると瞬きも忘れて凝視。

今の仕事ではお天気の解析はMet Serviceの方の仕事なので日本と違って高層天気図の解析などは彼らにおまかせ。その予報をUserとして使うのが法律上の私達の守備範囲。

日本の国家試験では高層天気図もしっかり読み取ることが求められていたので受験当時は早番の後、夜遅くまで気象のことを学んだりBriefingでお天気の解析して説明をする練習を何度も繰り返したり。

ドラマの中で登場人物が頭と心をひねりながらひとつひとつ身につけていく様子が、自身のきつくも懐かしい日々の空気と重なって久しぶりに心のなかで思い出の旅を楽しんでみたり。

遠く離れた場所で暮らす主人公たちが距離を超えてわかりあえていく様子も興味深くて。

長い人生、そうそう気が合う人と出会う、ということはめったになくて、その人が自分の住む土地に必ず住んでいるとは限らず。

自分の生活圏内でパートナーを選ぶ、という人もいるかも知れないけど、やっぱり気が合う人と一緒に重ねる時間が一番。

私たちはコロナ渦でも別々の国に住んでいるけど、日々の会話ではこの人ほど自分を理解してくれる人はいない、と思えるし、何でも相談するし、疑問に思ったことは躊躇せずに伝える。

どうせ遠くに住んでいるんだから気になっているあのことを直接聞いてみて、気持ちが離れるくらいならそれまでのご縁だ、と思って割と素直に溜め込まず何でも口に出して来たのが良かったのか、なんだかんだでもう何年も経ったけど平和。

たくさんの傷をゆっくりと一緒に克服出来たのもこの素直な時間のおかげ。

ドラマは最終回まであと一ヶ月と少し。

距離や時間を超えて、支え合いの関係がずっと続いてほしい。

出来れば二人にきっかけとなった登米の能舞台で式をして、彼女が以前の仕事の時に保管場所を見つけて守った木々に触れてほしい。

そして主人公やその家族に子供が出来たら彼女が手掛けた机を学校で使ってほしい。

人生で仕事場がいくつか変わることはあれど、その時々で一生懸命学んで取り組んだことはその職場を離れても社会だったり自分の中にも残るもの。

最近、上司の代行が出来るようになって、朝と夕方の社内電話会議でお天気解説を担当することがあります。

様々な部署の人も聞いているらしく、社長も時々参加。

その時に日本付近の台風や地震情報の解析をして大切な判断をする時に偉い方から意見を求められて、その地域のことをよく知っていて経験がある人の知識は助かる、と言われたこと。

それは思いがけず嬉しかった過去の自分からのギフト。

誰かの役に立ちたい、という思いは若い時にはあったけど、今は今まで積み上げてきた知識や経験、あともうひねり考えた工夫などを駆使して今出来る全てのことを使って目の前にある状況でベストを尽くしたい、という思いが大きいかも。

ここでは日本の職場と違って今日と言う日が終われば長々と職場に引っ張られることもないし、仕事が終わればまっすぐに家族の元へ帰る、趣味の時間に没頭する。

業務終了時に、はいパチン、とOn & Offモードを切り替えることがプロフェショナルだという考え方がスタンダードなので、日本時代よりはずいぶん切り替えが上手になったかも。

引きずらず、溜め込まず、その時々でベストを尽くす。

休める時はしっかり休む、それはこの国に来てから学んだことです。

遠く離れた故郷、家族。

コロナ渦でいつ会えるんだろう?

久しぶりに実家に電話したら母も朝ドラの大ファンだと父が言っていた。

昔々、まだ私が10代で実家に住んでいた頃、朝食を終え、朝ドラと食後の紅茶を楽しんだ後に出勤するのが父のRoutineだった。

私達は学校に行くのにもっと早く家を出ていたけれど、たまにその時間にも家にいることがあると朝ドラ&紅茶の時間を一緒に過ごすのが好きだった。

高校を卒業して地元を離れ、就職してもシフト勤務で朝ドラをちゃんと見たことなんてなかったかも。

ここにきて両親と同じRoutineに乗ることが出来て、距離や時間を超えてまた同じ時間を楽しめることを幸せに思います。

日々楽しみとなる時間に触れていることが多いと免疫力も上がりそう✨





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