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もし身近な子どもが不登校になったら。子どもに関わる大人としてできる関わり方
突然の不登校は、親だけでなく子ども本人にもさまざまな影響を与えます。
不登校の子どもに寄り添い、安心感を提供することは、親だけでなく、子どもの周りにいる大人たちにとっても大切な役割です。
日常の中で無理なく、子どもがリラックスして過ごせる環境を整えるサポートの仕方についてご紹介します。
1. 不登校の子どもが感じる気持ちを理解しよう
まず、子どもが不登校に至った際の心理や感情を理解することが大切です。
不登校の子どもは、さまざまな不安や心の負担を抱えていることが多いです。
学校での人間関係や勉強に対するプレッシャー、あるいは自分自身の成長や将来についての漠然とした不安などを、不登校の子は感じていることがあります。
子どもが抱える不安や心の負担
子どもは、誰かに心の内を打ち明けることを難しく感じているかもしれません。
学校へ行かない自分を「ダメな人間」と感じたり、周囲に迷惑をかけていると自己評価を下げてしまったりしていることもあります。
こうした気持ちを抱える子どもにとって、安心できる環境や理解者がいることが心の支えになります。不登校の背景にある原因を理解する重要性
子どもが不登校に至る理由は一人ひとり異なります。
原因は一つではなく、学校でのトラブル、学業への不安、周囲からのプレッシャー、家庭でのストレスなどが複雑に絡み合っていることが多いのです。なので、不登校の原因を突き止めて解消すれば学校に行けるようになる、というような簡単なことではありません。
親や子どもに関わる大人として「なぜ学校に行けないのか」を聞いて理解しようとする姿勢を示すだけで、子どもは「自分の気持ちが受け止められている」と感じ、少しずつ心を開きやすくなります。
2. 関わる大人として大切にしたい「聴く姿勢」
子どもが不安な気持ちを抱えている時、周りの大人が大切にすべきなのは「聴く姿勢」です。
話をしようとする時に、無理にアドバイスをしたり、早急に答えを出そうとするのではなく、「聞く姿勢」に徹することが、子どもが安心して話せる環境を作ります。
話を「聞く」ことで子どもが安心できる理由
子どもに関わる大人が真剣に自分の話を聞いてくれることで、子どもは自分の気持ちが理解され、受け入れられていると感じます。
「ああしなさい」「これをやりなさい」と言われるのではなく、静かに話を聞いてもらえることで、プレッシャーから解放され、少しずつ自分の気持ちを表現しやすくなります。「無理しなくて良いよ」というサポートの伝え方
「学校に行かなきゃダメだ」と急かすのではなく、「今は自分のペースで過ごして良いよ」「無理に頑張らなくても大丈夫だよ」と伝えることで、子どもは安心して休むことができます。
無理をしなくても、周りの大人がそばで見守ってくれているという感覚が、子どもの心に安定をもたらします。
3. 「がんばれ」の代わりに伝えたい言葉やメッセージ
不登校の子どもに「がんばれ」と声をかけると、プレッシャーを与えてしまうことがあります。
応援の気持ちが伝わりやすい「がんばれ」に代わる言葉で、子どもの気持ちに寄り添いましょう。
励まし方の工夫:プレッシャーをかけない声掛け
「がんばれ」ではなく、「あなたのペースで大丈夫だよ」「いつでもそばにいるよ」といった、子どもが自分のペースを尊重されていると感じられる言葉を意識しましょう。
また、「自分らしくいればそれで良い」といった言葉で、子どもがプレッシャーを感じずに自分の気持ちを受け入れられるようになります。子どもに寄り添う具体的な言葉
「つらかったね」「話してくれてありがとう」「いつでも話していいんだよ」といった言葉をかけると、子どもは少しずつ自分の思いを伝えやすくなります。
安心して話せる相手がいることで、気持ちが落ち着くことも多いです。
4. 周りの大人としてできる「居場所づくり」の工夫
不登校の子どもが家庭内でリラックスし、心地よく過ごせる「居場所」を作ることも重要です。
家で過ごす時間が多くなる中で、心が落ち着き、自分のペースを保てる居場所を提供する工夫をしてみましょう。
家庭内で自分のペースでいられる環境
子どもが自分の時間を大切に過ごせるよう、部屋のレイアウトや小物の配置などに気を配り、安心感を持てる空間を整えるのも良いでしょう。
たとえば、明るい色のクッションやリラックスできる椅子などを取り入れることで、家庭内の居場所が心地よい空間に変わります。リラックスできる環境を整えるポイント
音楽を流す、植物を置く、明るい照明にするなど、居心地の良い空間を作る工夫ができます。
周りの大人も一緒に過ごしやすい環境にすることで、自然に会話も生まれ、家全体がリラックスした雰囲気になります。
5. プレッシャーをかけない、距離感の取り方
つい「早く元気になってほしい」という思いから、励ましすぎたり、アドバイスをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、時には少し距離を取り、子どもが自分のペースで過ごせるよう見守ることが大切です。
自分のペースでいられる距離感を意識する
周りの大人が焦って関わると、子どもはプレッシャーを感じてしまうことがあります。
無理に励ますのではなく、子どもが必要とするタイミングで関わることで、「自分のペースを守ってもいいんだ」と感じてもらえます。学校の話をしない方が良い場合
「学校に戻ること」を焦らず、「今ここで安心して過ごすこと」を優先する姿勢が大切です。学校の話題はしばらく避け、子どもの様子に合わせて、自然に話せるタイミングを待ちましょう。
6. 少し元気になった時に一緒にできるアクティビティ
子どもが少しずつ気持ちが楽になり、元気が出てきた時には、無理なく参加できるアクティビティを取り入れてみましょう。
プレッシャーが少なく、自然体で楽しめる活動が良いです。
自然の中でのんびり過ごす時間
近くの公園を一緒に散歩したり、自然の中でのんびりと過ごす時間が子どもの心をリラックスさせます。外の空気を感じることで気分が和らぎ、気持ちが軽くなることもあります。家庭内での小さな活動
例えば、一緒に簡単な料理をしたり、ボードゲームで遊んだりするのも良いでしょう。
こうした活動は、「頑張らなくてもいい」というリラックスした状態でのコミュニケーションが生まれるため、無理なく子どもと過ごせます。
「甘やかしすぎるのは良くない」と思うときの新しい視点:総合型選抜の入試方法
特にご年配の方の中には、「不登校で休んでいる子を甘やかしすぎてはいけない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、現代では「総合型選抜」という入試方法があり、学校外での体験や探究活動も評価される時代です。
不登校中の子どもが家庭や地域での体験を通して興味を深めることは、未来の進学やキャリアにおいて価値あるものとされ、子ども自身の成長にもつながります。
総合型選抜で評価される探究や体験の例
総合型選抜では、たとえば「家庭での料理づくりを通じて食や栄養、食料自給率に興味を持つ」「地域の植物や動物の観察を通じて自然環境や環境破壊について探究する」など、学校以外の活動でも評価されることが多くあります。
また、絵や音楽、工芸などの創作活動、ボランティア、プログラミング、ライティングといったスキルや特技も、探究心を持って取り組むことで「学びの成果」としてアピールできます。
不登校中でも、子どもが「好き」「面白い」と感じる活動を深めることが、自己成長や将来の可能性を広げる一助となります。探究をサポートするアプローチ
家庭での生活や地域での活動の中で、子どもが興味を持つテーマを見つけ、探究を深めるサポートも有効です。
たとえば、「日常の中で使われる化学反応」「植物の育成方法」「好きな作家の作品に学ぶ文章力」など、身近なテーマでも「なぜ?」「どうして?」を大切にした探究が、自然と学びに繋がっていきます。
このような学びは、親以外の大人と接することで普段とは違う物事の見方を学ぶ良い機会となるでしょう。
こうした体験や探究活動は、子どもが学業以外の場でも「成長できている」という自信を得るきっかけにもなります。
また、進学に際しても、これらの活動は総合型選抜においてプラスに評価されるため、子どもが将来の選択肢を広げる一助となるでしょう。
もし「どのような探究活動が総合型選抜に役立つのか」「何を学びに繋げたら良いのか」について具体的に知りたい場合や、専門的な指導を受けてみたいという場合は、探究活動を支援する専門の塾講師がいます。
ご興味があればぜひお問合せください。
7. 支援が必要な場合にどこへ相談するか知っておく
不登校サポートには、子どもに関わる大人がサポート機関を活用することも大切です。
不登校支援のための相談窓口やカウンセリングなどのサポートが利用できます。
利用できる相談機関や支援団体
地域の教育相談窓口や、不登校支援のためのカウンセリング機関など、活用できる支援機関は多くあります。
各自治体が提供する支援や、不登校支援団体も活用することで、大人だけではカバーしきれない部分を補えます。親だけでなく支援者のサポートも重要
親や子どもに関わる大人だけでなく、第三者の力を借りることが不登校サポートには有効です。
信頼できる専門家に相談することで、客観的な視点からのアドバイスが得られ、子どもも安心して過ごせるようになります。
身近な子どもが不登校になった時、子どもに関わる大人ができることはたくさんあります。焦らず、無理をせずに見守る姿勢が、子どもにとっての大きな支えになります。
親にとって、子どもの不登校は仕事へも大きな影響を与える一大事です。
どうか身近な大人みんなで支えてあげてほしいと思っています。
不登校を人生にとってのプラスにしていくために
いかがでしたか?
不登校になったばかりの頃は、子どもが元気を失い、親も突然の変化に戸惑ってしまうことが多いかもしれません。
すべてをすぐに始めるのは難しいものですので、少しずつできることから取り入れていけば十分です。
まずは、お子さんとリラックスして向き合えるようになることが第一歩です。
必要に応じて専門家や経験者に相談しながら、「子どもは自分の力で立ち上がる」という信念を持って見守ってみてください。
それまでの間、周りの大人もリラックスして過ごせることが大切です。
少し状況が落ち着いてきたら、この記事で紹介した内容を通じて、大人・子どもともに安心して過ごせる生活環境を整えていければ幸いです。
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