不登校の子どもとの良好な親子関係を築くためのアプローチ
子どもが学校に行かなくなると、親子の関係にもさまざまな変化が生まれます。
親としては子どもの不安や将来に向けたサポートをしたい一方で、距離感をどう保つべきか悩むことも多いでしょう。
この記事では、不登校の子どもと良い関係を築き、心地よく支えられるための具体的なアプローチについてご紹介します。
1. 学校以外で子どもを支える「居場所」をつくる
学校が子どもにとって必ずしも安心できる居場所ではなくなった場合、「居場所」は自宅や他の場所にも作れることを意識しましょう。
安心して過ごせる場所を持つことで、子どもは自然と自信や落ち着きを取り戻していきます。
家庭内での居場所づくり
子どもが自分の好きなことに没頭できるスペースを用意することは効果的です。
例えば、絵を描くのが好きなら簡単な画材を揃えてリビングの一角に専用の「アートコーナー」を作ってあげると、自分だけの居場所が感じられます。
好きなことができる空間を通じて、子どもが安心して過ごせる場所が家庭内にも広がります。
年齢が高い場合は自室にこもりがちになり、心配も増すでしょう。それでも、子どもに対して干渉しすぎることは避けた方が無難です。親の誘導の結果は、親の責任となってしまいます。なるべく子どもの自主性を高める方向にコミュニケーションを取ることをお勧めします。
具体的には、子どもが求めてきた時にしっかり甘えさせること。大人として、許可できない要求に対しては毅然としてNOと言うことだと思います。もう大きくなったのに夜一緒に寝てほしいと言われる、と言うお悩みを聞いたことがありますが、私はそれは引き受けていいと思います、とお答えしました。子育てのやり直しなのかもしれないからです。ただ、部屋に鍵をつけてほしい、という要求は私は反対しました。家庭によって考え方は違うでしょうから、ラインをしっかり引いて、冷静に話を聞きながら対応していくしかないと思います。
いずれにしても、心が元気になってくれば子供は社会に勝手に出ていくと思います。その日を信じて、あまり干渉しすぎないことを私はお勧めします。外での居場所を見つける
フリースクールや地域のコミュニティスペースなども、子どもにとって大切な居場所になり得ます。
学校以外の環境で、学校に行かなくてもいいという安心感の中で過ごすことで、他者と自然な形で関わることもできます。
例えば、図書館や地域のワークショップなど、プレッシャーのない場で子どもが好きなことに触れる機会を持たせると良いでしょう。
特に小学生などの場合は他人との交流は大切な成長の時間となります。異年齢の交流は将来的に、多様な人と関われる素地となるでしょう。親も楽しめるところから一緒に参加してみてはいかがでしょうか。
2. 親の気持ちを子どもに伝える大切さと注意点
不登校の状況が続くと、親としての不安や心配は大きくなるものです。
しかし、それを無理に隠すのではなく、上手に気持ちを伝えることも大切です。
ただし、伝え方には注意が必要で、子どもにプレッシャーや責任を感じさせないように工夫することが求められます。
安心感を伝える
「学校に行かなくてもあなたが大切」という気持ちを、率直に伝えてみましょう。
例えば「あなたが元気でいてくれればそれが一番大事」というような一言を添えると、子どもは親からの愛情を感じ取りやすくなります。
学校に行けていないことで自分自身を責めている子も多いと思われます。将来に不安を抱えているのは、子供も同じです。
一緒に道を探していこう、という気持ちを持って、暖かく見守ってあげてほしいと思います。無理に急かさない
不安から「学校に行かないと将来が心配だよ」といった気持ちがつい子供に対して出てしまうこともあるでしょう。
しかし、こうした言葉は子どもにプレッシャーを与えがちです。ある程度の年齢であれば、自分自身で理解しているからです。
子どもが受け入れやすい言葉に変えて、「何か気になることがあれば話してね」「あなたのペースで進んでいいからね」といった形で、親が応援していることを優しく伝えましょう。
また、少し落ち着いたタイミングで専門の塾や教育関連の相談スペースなどに子どもと一緒に行ってみるのもいいと思います。
3. 子どもが安心して話せる「聴く力」を育てる
子どもが不安や悩みを抱えているとき、親としてできる最大のサポートは「聴くこと」です。
安心して話ができる相手がいることは、子どもの心に大きな安心感を与えます。
特に思春期のお子さんには、親が「聴く姿勢」を持つことが関係性を育む重要な要素です。
子どものペースに合わせて聴く
子どもが話したがっているときには、無理に自分の意見を挟まず、うなずきながら聞くことを心がけましょう。
たとえば、「それはそうだったんだね」「どんな気持ちだった?」など、共感を示す言葉をかけると、子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえる安心感を抱きやすくなります。
私はつい解決策を考えて話してしまう癖があるため、その度に娘にそっぽをむかれました。ただ、聞くだけでいいのだ、ということを、娘に教えてもらったような気がします。子どもの思考の整理に付き合うつもりで傾聴を心がけてみてください。問題解決を急がず、話を聴くことに集中する
親はどうしても「何が問題なのか」「どうすれば解決するか」と考えがちですが、まずは子どもが自分の気持ちを話すことで心が整理される場を作ることが大切です。
子どもが話し終わった後、「これからもいつでも話を聞くからね」と伝えることで、子どもにとっての「安心できる相談相手」になれます。
4. 親子間の距離感を心地よく保つための工夫
不登校の状況では、親としてつい子どもを気にかけすぎてしまうことがあります。
しかし、子どもが自分の時間や空間を持てるように、親子間の適切な距離感を意識して保つことも重要です。
一緒に過ごす時間と一人の時間を大切にする
たとえば、一緒に食事をする時間は楽しい時間として共有し、その後は「お互い自由に過ごす時間」にするなど、オンとオフを意識して過ごすことで、無理のない距離感が生まれます。
子どもも「一緒の時間」「一人の時間」がはっきりすることで、リラックスしやすくなります。
夕ご飯だけは必ず一緒にリビングで食べる、などのルールは、不登校になったら家族で話し合って決めてもいいかもしれません。部屋をのぞきすぎない
子どもが自分の部屋で過ごしている時間には、むやみにのぞきに行ったり、話しかけたりせず、そっとしておくことも大切です。
親としての安心感を得るために何度も部屋をのぞくと、子どもはかえって緊張したり、不安を感じたりすることがあります。
子どもが「自分の時間」として一人でいることができるよう、距離を置くことも信頼関係のひとつです。
子どもの自立を信じる気持ちが子離れにもつながると思います。
5. 自然に会話が生まれる「共有時間」を大切にする
特別なイベントを計画するのではなく、毎日の中に気軽に一緒に過ごす時間を増やすことで、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。
意識的に会話を増やそうとするのではなく、日常の流れの中でリラックスして接する機会を少しずつ増やしてみましょう。
一緒にいる時間を「共有の場」として捉える
たとえば、食事の時間やテレビを観る時間を「一緒に過ごす場」として大切にしてみましょう。
特に話題を決めなくても、同じ空間でのんびりと時間を過ごすことで、子どもは「親がそばにいる安心感」を感じやすくなります。
お互いがリラックスしている時に自然に言葉が出ることも増えるでしょう。共有の趣味や関心ごとを探る
特に構えず、子どもが好きなことをそばで観察し、興味を示すだけでも、子どもは「親が理解してくれる」という気持ちになります。
例えば、子どもが好きな動画を一緒に見たり、ゲームの話を聞いたり、趣味についてリラックスした姿勢で話を聞くことで、親子の心の距離が縮まるきっかけが作れます。言葉を求めない「沈黙の共有」を楽しむ
話さないことを気にする必要はありません。
黙っていても一緒にいる時間が心地よいものになるように、会話にプレッシャーを感じさせず、ただ一緒にいる安心感を大切にしましょう。
不登校の子どもと親子関係を築くためには、「子どもに寄り添う気持ち」と「安心して話ができる環境づくり」が不可欠です。
学校に行かない時間をマイナスに捉えるのではなく、親子の絆を深めるチャンスと考え、心地よく支えられる関係を築いていきましょう。
不登校を人生にとってのプラスにしていくために
いかがでしたか?
不登校になったばかりの頃は、子どもが元気を失い、親も突然の変化に戸惑ってしまうことが多いかもしれません。
すべてをすぐに始めるのは難しいものですので、少しずつできることから取り入れていけば十分です。
まずは、お子さんとリラックスして向き合えるようになることが第一歩です。
必要に応じて専門家や経験者に相談しながら、「子どもは自分の力で立ち上がる」という信念を持って見守ってみてください。
それまでの間、親御さん自身もリラックスして過ごせることが大切です。
少し状況が落ち着いてきたら、この記事で紹介した内容を通じて、親子ともに安心して過ごせる生活環境を整えていければ幸いです。
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