【決定的】ミャンマー人と日本人の仕事観の違い 後編
ミャンマー人と結婚しミャンマーへ移住経験あり。現在は日本在住のちゃみです。
はじめましての方はこちらをどうぞ。
この前の続きです。前回、
ミャンマー人は光の速さで仕事を辞めがち
という記事を書きました。
会社員にはなりたくない
続いてのミャンマー人の特徴がこれ。超王道です。
「会社員にはなりたくない」
なぜこう思う人が多いかというと、まず会社員の給与が安いからです。
※ここでいう会社員は日本と制度も異なるので(雇われて働く人)という概念で考えてください。ミャンマ―には正社員・契約社員・派遣社員といった概念は外資を除き、基本的にありません。
これはミャンマーの闇なのですが、
ミャンマーには労働基準法なるものが存在しません。
そのため経営者側からすれば定額働かせ放題が堂々と成り立つ国であり、
雇われ側からすればどんなに働かせられても文句をいうことも訴えることもできません。法律がないのですから。頼れるのは経営者の倫理だけです。
どれだけ恵まれた経営者に雇われるか、ただそれだけです。つまり会社員としてミャンマー人が働くにはあまりにもリスクが高く、運の要素が大きいのです。こうして、まじめに働くものがバカをみる構造になっている背景もあり、簡単に嫌になったら辞めるという文化が同時に醸成されてきました。
だから多くのミャンマー人は会社員ではなく自ら商売することを望みます。
労働も人権も不動産も、いろいろな物事の法整備が激ゆるなので起業もしやすいという側面もそれを後押ししています。
***
親の意見で仕事を決めることが多い
「両親が都会に出るなと言ったので、やっぱり就職しません」といういうのはミャンマーではよくある話です。
地方からがんばって就職活動した学生が言うセリフとして何ら驚くこともありません。
ミャンマーでは子どもの就職面接に親が付いてくるというのはあるあるです。そのくらい親の意見が絶対という家庭はいまだに多いです。
しかし個人的にはこれを私は良く思っていません。
親の意見にはデータ・裏づけがなくただの感情である場合が非常に多いからです。前回の記事にも書きましたがミャンマーでは長らく軍事政権で鎖国状態が長かったせいか、自分で考えることをせず、ただひたすらに教科書を暗記させるだけといった無駄の極みのような教育を学校でされてきました。
加えて鎖国状態ですから正しいデータや世界情勢、ニュースも入って来ません。言論統制されていましたので、今より限定的な世界でした。
こういった背景からミャンマー人はデータを正しく取り扱うのが苦手で、論理的に話す訓練もされておらず、結果的に感情で話すという傾向があるのは確かです。
こういった背景で生まれ育った来た両親の感情で、子供の人生を左右するのはどうかと私は考えてしまいます。
※両親の批判でなく、こういった文化の難しさに対してのギモンです。
文化的なことですしもちろん個々の家庭の事情もあるので複雑な問題ですが、これもまたミャンマーでの就業に関する、考えるべき問題です。
***
ミャンマー人が日本に来るのは
「他よりビザが取得しやすい国だから」
のべ9か国の4000人以上の留学生と技能実習生に出会い、ミャンマーでの就労経験があるちゃみがお伝えしたい一番はここです。
ミャンマー人が日本に来る本当の理由は大体の人が稼ぎたいから・仕送りをしたいからという人であるのは間違いありません。
しかし、彼らの希望順位だけで言ってしまえば日本は下位です。
憧れの日本だなんて思ってもいません。日本は魅力のある国として映ってはいません。
それでも日本へ来るのはビザが一番取得しやすい国だからです。
彼らの多くがイギリスかカナダ、アジアならシンガポールを希望するのですがこれらの国はビザの取得ハードルが日本と比べてものにならないくらい高いからです。アメリカも同様です。基本的にアメリカは更にミャンマー人に対するビザ要件が高いのでミャンマー人にとってのアメリカはかなり難しいのが現実です。
だから日本へ来るのです。
消去法で選ばれているのです。
この国が実はもう先進国とは言えなくなっていることを、
ミャンマー人も理解しています。
そしてそのうえで、日本人が日本はいい国だと言ってほしいということを見越して「日本はいい国ですね」と言うのです。テレビで放送されている「日本ってすごい」系テレビみたいなのと同じですね。
***
最後に
ミャンマー人と一緒に働くときはいつ辞めるかもしれないという疑念は持ちつつ、信頼関係を築いてください。
安易に仕事を任せたり信頼してお金を預けると大変なことになりますので、気をつけてください。
それでも彼らは日本人の前では「日本はいい国だ」と言ってくれます。気を遣ってくれています。ミャンマー人は空気を読める人たちです。
お読み頂きありがとうございました!