紅茶と、熱湯のススメ。お茶好きエディターのつぶやき。
よく「紅茶は熱湯でいれ、緑茶は少し冷ましたお湯で」なんて言われます。その根拠は茶葉の製法や堅さ(というのが正しいかどうか?)によるもの。
お湯の温度でそんなに変わるのか?とお思いの方こそ、ぜひ紅茶は熱湯でいれてみて欲しいのです。そんなに変わりますから。
紅茶の入れ方の本の多くに「ティーポットにお湯を注ぐときは、お湯の温度が下がらないようにポットをヤカンの近くにもっていく」と書いてありますが、そのくらいアッツアツの熱湯を注ぐと、なんとまあ香り高いお茶になることか。
森鴎外の娘、森茉莉のエッセイ「貧乏サヴァラン」の中で、アッツアツの熱湯でいれた紅茶の香り高さを描写したシーンが出てきます。
このエッセイの主人公、マリアは夜中にアイスティーを飲みながら原稿を書くのが日課なのですが
「紅茶はリプトン・ティーバッグというので、それを二袋急須に入れ、薬缶の口から湯が縄のようになって迸り、辺りに飛び散る位の熱湯を注ぐ。
(中略)
首尾よくすごい熱湯を注いだとしても、バッグの引きあげ刻が気むずかしい。渋みが出るほど濃くてはいけないが、一寸でも薄すぎてはいけない。そういう苦心の末淹れた紅茶を、例の洋杯に氷を入れた上から注ぐと、英国製の紅茶はハヴァナの薫香か、ナポレオン・ブランディーの香気か、というような香いを発する。」
これがマリアのいれるアイスティー(エッセイ中では、冷紅茶)。
ああ、本から深くスモーキーな香りがしてくるようです。
お茶をいれる道具は、何もポットが正解とは限りません。アッツアツの熱湯の中で、茶葉がゆったりと広がることさえできれば。茶こし付きのマグカップも便利ですし、なければ直接カップに茶葉を入れてしまうという手も・・・。そしてお茶を入れる前に、ポットもカップも予め温めておきましょう。
アッツアツの熱湯を注いで、茶葉が開くのをゆったり待てば、ほら。
今まで「薄いかな」「味気ないかな」と思ったお茶が、思いのほか芳しく、味わい深く楽しめるドリンクに変わっていることでしょう。コクも出て、ミルクともより相性良くなっていることと思います。
日曜日を始める一杯で、ぜひお試しくださいね。
明日も、よい日でありますように!
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