【妻のターン】時を超えるドッグイア
今年は自分の中で「再読ブーム」が到来しています。
(とはいえ在宅シーズンに入ってから案外読書しない不思議)
今年に入ってまず読み返したのは
伊坂幸太郎さんの『オーデュボンの祈り』。
これは夫(当時ボーイフレンド)の記録によると
2004年に福家書店で購入とのこと。
彼が買った本には、奥付に日付と購入場所を書く習慣がありました。
それにしても、おお、16年前とは(遠い目)。
2004年からの4年間は、大学卒業して猛烈働きづめで
その後、結婚と親たちの看病など、人生的にとてーもめまぐるしく
当時の記憶はあるようなないよな。その頃流行ったという歌を聞いても
え、そうだっけ?となるほど。
というわけで
『オーデュボンは名作よね』
ということ以外の情報は
すっきりさっぱり抜け落ちていて
今回の再読はなんとも新鮮な読み心地でした。
記憶がないとはいえ、読み進めると結構出てきた
ページの端をペコっと折ってある"ドッグイア"の部分は
あーーー!と記憶が蘇ってきたりしてとても愉快。
そうそうこういう展開だったよ。いいセリフね、かかしよ!と。
そして、読了。やっぱり名作でありました。
そして次に読み返したのは、吉本ばななさんの『キッチン』。
これは高校生の頃に買った記憶あり(記録なし)
これまた
『キッチンは傑作よね』
以外の情報は、ぼやーっとしていました。
登場人物がだれもかれもとても魅力的だったことは
読み出してすぐ思い出しましたけどもね。
で、ここにもドッグイアを数カ所発見。
おおおお、よくぞ折っておった、自分!と
嬉しくなる文章だったので
書き出したりしてみたほどよ(写真の通り↓)
このセリフを書き写しながら思ったのは
初めて読んで、ぺこっとページの端を折ったとき
私はどんな気持ちだったのだろう
ってこと。
当時は当時なりの「絶望」があって
でもそれでいいのかなと、この一節に励まされたんだったけ。。
今回はあれからいろんな経験をして、
すっかり落ち着いた日々になって
あぁそうだよな、絶望しといてよかったよなぁと実感を伴って
また味わえました。
こんなふうに名作再読を通しての、
過去の私と今の私との対話。
なかなかいいかもしんない。
次は何の本を読み返そうかしらん。
(候補は江國香織さんか川上弘美さん)
ちょっと不思議な状況に置かれてる今ですが
明けぬ夜なし、全ては過程。
そんなことを思いながら、
今日もどうぞ健やかに。