アメリカンジョークに涙した日
ちょっと前に「Tonikaku」が英国の人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で大ウケし、タイムラインがとにかく明るい安村さんで大賑わいになった。思わず「PANTS!」と叫びたくなる仕掛けで審査員との掛け合いを生み出し、会場に笑いの渦を巻き起こしていた。
海外でチャレンジをしていらっしゃること自体も凄いと思うが、異国の地で彼らの笑いのツボをがっちり押さえていることに脱帽だ。
アメリカに来て感じているのが、言語的な理解より、笑いのツボを理解することが遥かに難しいということ。
そう、私はアメリカンジョークというやつが全く理解出来ないのだ。
初めてこの問題に直面したのは息子のデイケア見学行脚をしていた時。
とあるデイケアで「ランチはどうしているのか?」と質問した際、
と、真顔で言われた。
彼らはまっすぐにこちらを見て、真面目な目つきでのたまう。
口をあんぐりと開けて夫の方を見たら、「ジョークだよ。」と教えてくれた。そんなに真顔で冗談を言われても分からないよ!
ちなみに日本の保育園とアメリカのデイケアの大きな違いは、ランチの提供を行っていないこと。ランチを自分たちで用意して持たせると、保育士さんが食べさせてくれる。
そして過日、またしてもアメリカンジョークにやられた。
以前noteで記事にしたが、私は人生初の運転免許取得に向けて猛特訓をしていて、その日はロードテストの日だった。
ニュージャージー州のロードテストは縦列駐車とKターン、バック走行、テストロードの走行(左右折、ストップサイン、YIELDサイン)というメニューである。
私が住むエリアは田舎なので、普段の運転で縦列駐車をすることもなければ、住宅街でも時速25マイルが制限速度で、試験時の制限速度が時速10~15マイルという設定が全く解せなかったが、試験のために練習を重ねて本番に臨んだ。
最初に縦列駐車とKターンを何とかこなし、テストロードへ入る。時速10~15マイルを維持するのは、遅すぎてなかなか難しい。スピードメーターを睨みながら、制限速度を越えないようにトロトロと運転した。
ストップサインがあれば完全に停車、YIELDサインがあれば注意を払って首を大げさに動かしてから前を進む。
なんとか終了地点まで制限速度に抑えて辿り着くことが出来た。
すぐにその場でチェックシートを埋めて、試験官が真顔をこちらに向ける。
今思えば最後のセンテンスで何となく察せるものがあったかもしれないのだが、私はその時、「まぁ人生初めてのロードテストだし、初回で落ちるのも無理はないよね。でも再テストは同じ会場で2週間後に受けられるはずなんだけど、おかしいなぁ。落ちた理由は本当にゆっくり運転しすぎただけなのだろうか。他にもフィードバックがあれば聞いておきたいな。」と真面目に受け取っていた。
そして、「ゆっくり運転しすぎた以外に落ちた理由はあるのか?」とたずねてみた。
そしたら、
とこれまた真顔で言われてしまった。さすがにこのあたりで、デイケアのジョークの件があったので、恐る恐る「ジョーク?」と聞くわけですよ。
そしたらさらに、
とのこと。
このあたりでいい加減困惑し始めた私の表情に気付いたのか、
ですって。
ちんたら走りすぎだから不合格と言われて、一度落ちたと思ったし、試験官の真顔が怖すぎて、思わず合格したのが嬉しくて泣いてしまった。
以上。本当にアメリカンジョークは良く分からない、解せないという話。
言語的なハードルは言わずもがな、それ以上にジョークも理解した上で会話についていくのは難しいと感じる日々。
でも今はただただ人生初の運転免許を異国の地でゲットした自分を褒めてあげよう。
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