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トップ3 | 読書『30代でやっておきたいこと』後編

55項目あるうちから、私の経験談と主観で勝手にランキングをつけて、三位から一位までを発表する、という感じで書いてみたいと思う。

第三位 「発想力」はこうして身につける

私にとって30代は発想力、考える力について悩みに悩んだ時期。自分なりに考える力があると思えるようになったのは実はつい最近のこと。最初はどこから手をつけたらいいのか分からず、手当たり次第に考える系の本を読み漁った。クリティカルシンキング、ロジカルシンキングとタイトルにつくものを取り敢えず読んでみたり。当時何がクリティカルで何がロジカルなのかも分からず、とにかく読んで内容を鵜呑みする、という表層的な理解に留まっていた。

この項目で紹介されている発想力の例として、石油王で知られるロックフェラーの若かりし頃、ドラム缶のはんだ付けの監視作業についての逸話が印象的。彼は一見ただの流れ作業であるドラム缶の蓋のはんだ付けに際し、39滴が最適なのかどうかを疑う。結果38滴でも充分な耐久があることを発見。このストーリーから日常の些細なことにも疑問を持つ大切さが学べるし、これこそが考える力なんだ、と分かることが出来た。

考える力について分かってなかった頃は考えた後の結果にこだわっていたと思う。素晴らしいアイデア、斬新な発想、こういったことを考え出すにはどうしたらいいか、と。でも実際考える力にとって大事なのは、考える姿勢だったりプロセスの方だ、という前工程に目を向けられたところからに気づきを得る。アイデアなんて人それぞれ違う、でも自分の中での閃きを大事にする、そこを出発点にすると、考えるということが楽しくなっていく。この楽しさを知ることで考えることが習慣になって、いつか面白いアイデアが思いつく、のではないか。とこれが今私が持っている考える力についての持論。

著者は企画書を書くこと、を勧めている。企画書のタネを書くために、日常の中を「これでいいの?」という視点で見つめるきっかけができるため。ぜひとも参考にしたい。

第二位 「感情」をコントロールする方法

「人間をつくるのが理性であるとすれば、人間を導くのは感情である」
ルソー |  川北義則「30代でやっておきたいこと」134頁

歳を重ねれば重ねるほど、人間は丸くなり穏やかになっていくと思っているし、今私の頭にもこの固定観念がある。でも実際私の場合は、歳をとるたびに感情のコントロールが難しくなっていく、と思う。

私が思うに体力の衰えがメンタルの耐性に影響しているような感覚がある。
どういうことかというと、若い頃は納得できないことや理不尽なことがあって悔しい思いを抱いたとしても自分の中に抱え込むことができた。我慢しきれることができた。しかし、30代の後半あたりからこのストッパーが効かなくなってきたように思う。要は自分の中だけに抑え込むだけのパワーがなく溢れ出ることが多くなった、と思う。それによって人とぶつかることも多くなってしまった。

しかし、これによってポジティブな面もある。若い時にひたすら我慢していた自我を表に出す・出せるようになった。

最初はコントロールの仕方が分からず、恐怖心が強かった。ドキドキしながら、「私はそうは思わないんですけど」とか「その考えには同意できかねます」とか空気を読まない人がどう受け止められるか、怖かった。でもだんだん回数をこなすうちに、自分の感情の表現の仕方のパターンが備わってきて、恐怖心がワクワクに変わってきた。

私なりの感情のコントロールの方法は、内なる喜怒哀楽を表に出す表現方法を知る、ということと理解している。これを知ることで、心の体力で押さえつけていた感情が表に飛び出しそうな時、どういう表現で発信すればいいか、どのタイミングがいいか、今か、それとも一晩寝かせるか、と考えていると、まさに感情をコントロールしている感覚が得られる、と思う。「出してはいけない」と思うと苦しいが、「出すけど、どう表現するか」と前向きに捉えられるようになったのが良かったと思っている。

そうはいっても感情のコントロールの訓練として一番効果があったのはなんと言っても子育て。子育てをしていると毎日というか1日に何回も感情が爆発しそうなことが起こる。

例えばテレビ・ゲームをいつまでもやめない子どもとの対峙、急に道端でアイスをせがむ子どもを説得、買い物に行けばおもちゃ屋とキッズコーナーに行かないと不貞腐れる、など。思い通りにいかないことのオンパレードで感情がガンガン刺激される。たまに抑えきれずに爆破する、そして反省、その繰り返し。だからある意味、子育てと向き合う中で感情のコントロールが鍛えられたと思う。

感情面において言えば感情の起伏を受け身で捉えるのではなく、これは感情をコントロールするための訓練だ、と思って取り組む。そうするとゲーム感覚も取り入れて、次のヤマが楽しく思えてくる、のは私だけかもしれない。まあ何事もポジティブに捉えるといい面が見えてくるかもしれない。

第一位 三十代は「気づかぬ疲労」が蓄積する

一番は健康。30代でさまざまなガタが出始める。40代・50代の先輩方にこれをいうと「まだまだこれからだよ」と言われるが、実際に30代から身体の衰えが始まるのを実感し始める。食事制限が出てくる、疲れやすくなる、食事の乱れがもろに体調不良に影響を及ぼす、など20代までなんとも思っていなかったことが留意しなければならなくなる。

このことに気付かされたのは30代の真ん中あたり、それまでは20代と変わらぬ生活を続けていた。そしたら身体が悲鳴をあげた。どうも頭は全く身体の状態を分かっていない、自分は若いままだという誤解をしたまま、生活をしていた。だから身体が自分に教えてくれた、
「あんた、もう若くないんだよ、もっと身体を労って」
そこから、意識を改め、仕事ほどほど・睡眠を大事に・適度な運動というように健康を意識し始めた。そうやっていると、日々の身体の変化に気づけるようになったと思う。前よりも疲れやすくなったな、とか脂ものがキツくなったな、とか。身体のサインを受け取り、前よりも身体と上手く付き合えるようになったと思う。

著書ではこの話を「ゆで蛙」の話で例えられている。水が少しずつ熱しられると、中にいる蛙は気づかずに茹で上がってしまう。しかし、最初から熱い湯に蛙を入れると、反射的に蛙はすぐに逃げる、というもの。

日常において、自分の身体の状態というのはまさにゆで蛙の水の温度のように捉えにくいものだと思う。だからこそ、常日頃から「今の状態」を確認するくせが大事なんだと思う。

以上、この本を30代の最後に振り返って、私自身が大事だと思うトップ3を紹介。

著書の最後、夢や希望を達成できる時代の章にて著者はこのように締め括っている。

これからのビジネスパーソンにとって、会社は自分の夢を実現する舞台である。会社のためではなく、自分のために生きていくべきだ。(省略)会社だって「自由に選択できる」という最高の特権を生かし切っているのだ。

「至上の処世術とは妥協することなく、適応することである」(ジンメル/ドイツの哲学者)

三十代でそのことに気づけば、まだたっぷりある時間を使って、あなたは自分の願望を実現する方向に向かうことができる。
229頁 三十代からの頭の切り替え方より

30代は何かと忙しい。でもその中でも自分のやりたい、とかこうありたい、という気持ちをあきらめないことが生きる活力になったと私の場合は振り返る。

朝の30分という限られた時間を自分のゴールデンタイムとしてとことん楽しむ。その限られた時間という制約も余計楽しく思えるエッセンスになるのかもしれない。

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