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読書感想 |『妻のトリセツ』
いや、もうタイトルが秀逸。でもある種の炎上商法的な盛り方がされている点、好き嫌いが分かれる本かもしれない。
私はこの「トリセツ」というタイトルが気になった。
家電買ったら取説読んで
イケヤで家具買ったら取説読んで
お菓子を作る時はレシピ読んで
と取説信者な私。
一方で最初このタイトルを見た時に
(妻をまるでモノのようにたとえるとは…)
とは思ったものの、そこはユーモアとして捉えられているのだろう。実際その後も「トリセツ」シリーズは続々と出版されている。
タイトルの感想はこんなもんにして、中身は中身で私としては参考になること盛りだくさんだった。
「妻とのコミュニケーションでは、共感・予告・思いやりが大事」というメッセージだけで終わることなく、具体的なシチュエーションにて夫(男性)がやりがちな悪い例と妻(女性)が期待する良い例が挙げられていて納得感が得られる。
実は私、自分なりに「妻の気持ちは分かっている」と思っていた。
2人の姉を持つ環境で育ち、徹底的に女性の気持ち・考え方を叩き込まれた少年時代。
そして今は2人の娘を持つ父として、常に女性の心を感じ取りながら育児をする日々。
そんな自称・妻の気持ちをよくわかっているダンナだと思っていたそのことが1番ヤバいんだな、とはっとさせられた内容でした。
もうこの本で紹介されている事例には結構驚かされることが多く、妻の言葉の受け取り方やシチュエーション別の期待していることなど、全く認知していなかった。
特に興味深かったのは、記念日に対する考え方の違い。
妻にとって記念日とは記憶を引き出す日。そしてその日を素敵な自分で迎えるために前もって準備をするのが楽しみというのは全く知らなかった。
なので記念日に何をするかは前もって予告する方が妻は嬉しく感じ、サプライズにすることはただの夫のエゴででしかない。
もしかすると逆にその日に向けた準備期間を奪われた悔しさが込み上げて逆効果になりかねない、というのは私にとって目から鱗でした。
心と裏腹な妻の言葉の翻訳
男性には分からない妻の言葉の裏に込めた意味。奥様側から見て共感できる部分は多いのでしょうか。残念ながら私はこの翻訳をみても「分かるー」という感覚は得られない…
あ行 「あっち行って!」 あなたのせいでめちゃめちゃ傷ついたの。ちゃんと謝って、慰めて!
か行 「勝手にすれば」 勝手になんてしたら許さないよ。私の言うことをちゃんと聞いて。「好きにすれば」は同義語。
さ行 「自分でやるからいい」 察してやってよ。察する気がないのは愛がないってことだね。
た行 「どうしてそうなの?」 理由なんて聞いていない。あなたの言動で、私は傷ついているの。
な行 「なんでもない」 私、怒ってるんですけど? 私、泣いてるんですけど? 放っておく気なの?
まぁ、人それぞれ個人差があり若干エッジきつめに書かれているという前提ありきと捉えている。
これくらい濃淡をはっきりさせた方がウケる、ある種のエンタメ性を出さないとこんな内容を真正面から言われるとちょっと男性としてつらく感じてしまうか、逆効果で反発してしまうかもしれない。
しかし、著書は科学的なエビデンスを基に説明されていて、メッセージは極端だけどそこにある概念は事実ベースで語られているからこそ説得力が高いのでは、というのが私の感想。
「おわりに」で綴られている著者のこの本に込めた想いを紹介したい。
夫婦の道は、照る日も曇る日も嵐の日もあるけれど、継続は力なりである。最後の峠に咲く花は、案外、優しくてふっくらしている。
「この人と一生を遂げたい」と思ったあの日の気持ちを思い出して、共に人生を歩む同士と捉えて、日々の感謝の気持ちをしっかりと伝えていきたい。
と固い締めになったなぁと思ったので、とははいえまだまだこれから先は長い道のり。肩の力抜いて、ゆるーくやっていきたい私でした。
皆さまからこの本から共感できるところ、また内容を間に受けるとキケンみたいな留意点などなどコメントでアドバイスいただけると嬉しいです🙏