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グラデーションで捉える| 読書『創造的脱力』

「もっと脱力、脱力!」
と聞くと私はちょいと昔かじったダンスレッスンを思い出す。ダンスのしなやかな流れる動きを表現するには脱力がとにかく重要。体に力が入っていると流れが切れてしまうから。そんな私は「脱力」の状態は良い状態というイメージがある。

しかしながら、こと社会において脱力というとネガティブなイメージになりがちではないか。力を抜くというのは何となく全力を出していないとか、ゆるいという空気感はたるんでいるとか。

そんな脱力とかゆるいという一見ネガティブにとらわれているものに対し、著者は徹底して価値を見出している。

既存の価値観に白か黒かのどちらかという選別をするのではなく、著者が一貫しているグラデーション、ゆらぎをつける・もつという想いに共感。

自分も振り返ればあるべき姿にこだわりすぎて、自分も苦しい思いをすることもあったり、それで人に嫌な思いをさせてしまったりすることがあるなぁと反省。

男は男らしく。
男はサッカー、バスケ、野球など球技をする。
お人形遊びは女の子のすること。

これは小さい頃の葛藤の例。


先輩は後輩を厳しく指導すべき。
上司は指示・命令を出すべき。
後輩は先輩に対して気配りをするべき。

こっちは社会人になってからの葛藤の例。

などなど、社会は何かとカチッと型にはめる傾向にあると思う。少なくとも私が所属する社会はこんな感じ。

そんな時そこ、そこにグラデーションを見つけられると自分も納得できる部分が見つけられるし、相手も歩み寄れる余地が見つけられるのかなと思う。100かゼロか、じゃなく、どこら辺か、とかどちらかというとこっちよりとか。

そんな社会にあえて脱力やゆとりを創り出す試みに挑戦し続ける著者の生き様がカッコいい。そんな若新さんのスピリットが鯖江市のJK課やニート株式会社の取り組みを通じて垣間見れる内容。

若新さんは書籍というよりもオンラインコンテンツでの発信が中心かと思う。私が若新さんに心底惹かれたのは、日経テレ東大学の「嫉妬論」の回。

人間の嫉妬心との向き合い方についての考え方の表現だったり説明が上手いなぁとすっかり魅了されてしまった。このコンテンツ、もうすぐなくなってしまうのが本当に悲しい。ささやかながらシン・リハックにて若新さんのコンテンツ続編を楽しみに待っている。

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