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奈良旅。 |人の手で灯される奇跡、《なら燈花会》を歩く夜
《なら燈花会》とは、1999年に始まった奈良の夏の行事。
世界遺産の古都・奈良で、夏の間のわずか10日間、無数のろうそくに灯りが灯されます。
「燈花」とは、灯心の先にできる花の形をした蝋のかたまりのこと。
仏教で縁起が良いとされる燈花に「会える」場所、それが《なら燈花会》です。
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奈良公園に赴くと、そこにはろうそくの花畑が一面に広がっていました。
訪れた人に幸せが訪れるよう願いを込めて、ひとつひとつ人の手で灯されるという、《なら燈花会》のろうそくの灯り。
1万を超えるその灯りの連なりが、幻想的な景色を生み出していました。
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ろうそくの灯りは、地元の人を中心とするサポーターが、有志で灯してくれているのだとか。
真夏の熱帯夜、これだけの量のろうそくを灯して回るのは、大変な作業。
ゆらめく炎の灯りに癒されながら、《なら燈花会》を支える方々に頭の下がる思いでした。
開催期間中、奈良公園周辺にはたくさんの屋台が立ち並びます。
蒸し暑さに疲れた身体に染み渡るのが、奈良のご当地スイーツ「葛フローズン」!
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「マンゴーシャーベット + 葛餅 + バニラアイス = 幸せ」
奈良の老舗「吉野本葛」黒川本家の屋台で買った葛フローズンは、天地がひっくり返るかと思うくらい美味しかったです。
フローズンでリフレッシュした後は、《なら燈花会》の最大の見どころのひとつ、東大寺大仏殿へ。
なんと《なら燈花会》期間中のさらにわずか2日間、夜間に東大寺の中門が開放され、堂内を無料で拝観することができるのです。
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これまで東大寺は2度訪れたことがありましたが、いずれも日中の時間帯。夜間に訪れるのは初めてでした。
暗がりの先に堂々たる佇まいで待ち構えていた大仏殿、あまりの格好良さに痺れました。
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よく見ると大仏殿の正面中央の「観相窓」が開かれており、盧舎那仏のご尊顔がのぞいています。
神々しい光の中に浮かび上がる本殿と大仏様の迫力に、思わず足を止めて魅入られてしまいました。
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大仏様も昼間とはまた違う雰囲気を纏われていて、とても見応えがありました。東大寺の夜間拝観、おすすめです。
そしてもうひとつの見どころ、《なら燈花会》でも指折りの絶景が見られる「浮見堂」に向かいます。
東大寺を出た時点で、ろうそくの完全消灯時刻まで残り30分。大急ぎで浮見堂まで移動しました。
浮見堂は、鷺池の上に浮かぶ六角形のお堂。鷺池では提灯付きの小舟を漕ぐこともでき、《なら燈花会》随一の癒しスポットです。
ろうそくで照らされたお堂が水面に浮かび上がり、ぼんやりゆらめく景色が幻想的です。
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浮見堂と小舟、そして鷺池を取り囲むように灯されたろうそく炎の揺らぎに、うっとりと癒される最高の時間でした。
”天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ”
人の手で灯されるろうそくの灯りが織り成す奇跡、《なら燈花会》を歩く夜。
8月の奈良は暑かったですが、それでも《なら燈花会》の夜歩きを楽しんでほしい! そんな思いで書いたnoteでした。
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おまけ
翌日訪れた神戸の異人館で見つけた、ルネサンス様式の椅子「サヴォナローラ」。
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ちょうどインテリアコーディネーター資格試験の勉強で覚えたばかりだったので、偶然にも生サヴォナローラに会えて感動しました。なんとも美しい意匠です。
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