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教材紹介【防災】「防災の教材まとめ紹介」

過去にも「視覚障がいの方のための防災・避難について」や「障がいと防災」を記事で紹介してきました。

それらと重なるものもありますが、防災学習に役立つ教材やサイトを、自分自身の忘備録的な意味でもまとめてみました。


僕自身が取り組んできた防災学習の内容

また教材紹介のマガジンで、授業のスライドデータなど紹介できればと思います。

1.災害について知ろう

「そもそも災害ってどんな種類があるの?」「いつ起きるの?」「どこににげたらいいの?」や、「おはしも」など避難の際のルールを確認します。学校での火災避難訓練や地震避難訓練に向けて、ヘルメットの場所や避難ルート、集合場所なども確認します。

2.避難する場所を確認しよう

自分の住んでいる地域の避難場所や、福祉避難所について確認します。津波の際の避難場所がある場合はそれも確認します。

子どもたちには、○○公園だけではなく、「たくさんの人が殺到して家族となかなか出会いないかも…」という実際の場面も伝え、「体育館横の鉄棒のところ」のように具体的な場所を家族で共有しておくように話しています。

3.地震と火事のとき…どうする?

訓練することも多い、地震や火事のときの具体的な避難方法や注意点を確認し、実際に練習します。僕の私物のスモークマシンの数少ない出番です笑。

4.危険箇所探しとその対策を考えよう

主に地震時の落ちてくる危険、倒れる危険、割れる危険、燃える危険の4つを確認します。その後、校内を巡って危険カード⚠️を貼って写真を撮り、みんなで危険な場所を共有し、地震避難の注意(倒れたり落ちたりする危険なものから離れる)を確認します。

突っ張り棒や壁固定、飛散防止フィルムや、ロッカーの上にモノを置かないなど対策を確認し、自宅でも家族と一緒に危険箇所をチェックしてもらいます。

5.防災グッズを知ろう

災害で電気、ガス、水道が使えないときのための便利グッズを紹介し、実際に試したり、即席のグッズを作ったりします。アルファ化米や乾パンなどの非常食も体験します。

また避難所での生活をイメージしてもらうために、学校に保管されている簡易トイレや段ボールベッドなども活用し、狭い場所での集団生活の大変さを確認します。

6.非常持ち出しカバンの中身を考えよう

学校に保管している防災カバンや、自宅に用意する非常持ち出しカバンの中身を、学んだ防災グッズの知識を生かして考えます。

それだけでなく、本やカードゲーム、お絵描きセットなどの長時間過ごすためのアイテム、ぬいぐるみなどの安心グッズ、イヤーマフなどの感覚過敏対策、白ごはんが食べられない子用のふりかけなど個人的に必要になるものも提示します。

またお家での備えについても相談、確認してもらいます。

7.ハザードマップで危険な場所を知ろう

市町村のハザードマップを使って津波や洪水、土砂崩れなどの危険がある場所を確認します。

Googleストリートビューを使って実際に危険な場所を写真で確認したり、スライドにまとめて発表したりもしました。

国土地理院のサイト「重ねるハザードマップ」は地図上で洪水、土砂災害、高潮、津波の4つの危険な地域を確認できるのでおすすめです。

(画像はtenki.jpより)

8.防災センターで体験しよう

地域の防災センターを利用し、地震体験や火災避難体験、消火器体験、津波時の高所避難体験などを行います。

学校で学ぶだけでなく、センターの方からお話を聞くことで、より具体的でリアルに防災について知ることができ、子どもたちの意識も高まります。

防災全般について学べるサイトや資料

1.国土交通省「防災学習ポータルサイト」

国土交通省作成の防災全般について学べるサイトです。理科や社会などいろいろな教科と関連した内容も学べます。内容も幼稚園保育園から、小学校、中学校・高校まで幅広いのも特徴です。いろんな資料も掲載されています。

2.東京都教育庁「防災教育ポータルサイト」

東京都教育庁がつくったサイトです。防災ノートやリンク集など授業で活用できる教材がたくさん掲載されています。

(画像は防災教育ポータルサイトより)

3.市民防災研究所

防災のゲームやイラスト、防災グッズやアイデアが豊富に掲載されています。

4.横浜市「じぶん防災ハンドブック」

具体的な避難場所など事前の防災を考えるのに役立つ資料です。

5.その他

有料のデジタル教材や取り組み事例などのリンクを貼っています。


防災と障がいについて学べるサイトや資料

僕自身が支援学校で働いていることもあり、防災と障がいについて学べるサイトを紹介していきます。

以前に書いた記事「障がいと災害」でもいろいろと紹介していますので、そちらも参考にしてくださいください。

1.NHK「災害時障害者のためのサイト」

障がい種別ごとや災害種別ごとに、避難するときの持ち物、普段からの備え、災害が起きたら、支援する方への具体的な内容などが掲載されています。

2.国立障害者リハビリテーションセンター「災害時障害者支援」

研究や報告書、ガイドラインなど難しいものもありますが、個別避難計画や具体的な災害時の障害者支援の方策などが詳しく掲載されています。

紹介されている資料は、僕も記事を作成するときに参考にしました。いくつかの資料をリンクつきで貼っておきます。

防災実践BOOK「地震に備えていのちを守る」
リーフレット 災害の備え:障害のある人と周囲の人へ
リーフレット 障害のある人への支援:避難所で
リーフレット 障害のある人への支援:在宅避難の場合

(画像は国立障害者リハビリテーションセンターより)

ホームページはこちらから。

3.国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「災害時の発達障害児・者支援について」

ホームページはこちらから。

4.ヘラルボニー「障害のある人のための災害情報まとめ」

能登半島地震に際して立ち上げられたサイトで、上記サイトを含めた様々な情報が掲載されています。

防災おすすめの本

1.『あと少しの支援があれば(中村 雅彦)』

東日本大震災直後やその後、障がいのある方がどうだったのかが語られます。別の記事でも紹介しています。

2.『災害がほんとうに襲った時(中井 久夫)』

災害直後の支援を続けていくためには、個人の頑張りだけではなく持続可能な仕組みづくりが不可欠であると教えてくれる本です。


防災について学べるゲーム

1.防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」

7ならべやかるた、ババぬきのように遊びながら、防災のことを学べるカードゲームです。

(画像は国土交通省 防災教育ツールの紹介より)

じしん編、すいがい編、つなみ編、どしゃさいがい編、たいふう編があります。

2.防災無料カルタ

防災のアレコレが遊びながら学べるカルタです。いぢちひろゆきさんが公開している防災無料イラストでダウンロードできます。

(画像は防災無料イラストより)

(画像はX@bot39507348より)

3.津波避難すごろく

津波避難のアレコレを学びながら高台を目指すすごろくです。こちらもいぢちひろゆきさんが公開している防災無料イラストでダウンロードできます。

(画像は防災無料イラストより)

(画像はX@bot39507348より)

4.ぼうさい<ダ・ズ・ン><防災グッズ編>

12品目の防災用品に順位づけをして、どんな防災用品を備えたらよいか、防災用品のさまざまな使い方のアイデアなどを学ぶゲームです。市民防災研究所でワークシートなどを無料でダウンロードできます。

5.ぼうさいダック

「ぼうさいダック」は、安全・安心の「最初の第一歩ファースト・ムーヴ」を、子どもたちが、実際に身体を動かし、声を出して遊びながら学ぶカードゲームです。表面は災害の絵、裏面は災害に備えてポーズをとる動物の絵が描かれています。カードは全部で12種類です。

表面は地震が、左図は地震が起きたときに身体を丸めて頭を守るダックのポーズが描かれている。

6.なまずの学校

紙芝居形式でお題が出されるので、手持ちのカードで対策を考え、答えが当たったら報酬として通貨の「ナマーズ」がもらえるというカードゲームです。

(画像は防災グッズショップより)

例えば「血を出している人がいます。傷口を押さえるのに使えそうなものを出してください」といったお題では、筆者は身近にある「ネクタイ」で止血ができると思い、カードを出しました。身近に手に入りやすいという点で正解ではありましたが、衛生面で気をつけなければいけないということで、60ナマーズでした。ガーゼやほうたい、三角巾のカードを出しても正解ですが、災害時には不足すると考えられるため、それぞれ70ナマーズ。最も高得点なのは携帯しやすく使い勝手のよい大判のハンカチで90ナマーズ、となっています。答えはひとつだけでなく、より汎用性があるもの、身近に活用できるものが高得点になります。

suumoジャーナルより

7.防災カードゲーム シャッフル プラス

“いざ"という時に役に立つ、「AEDの使いかた」や「緊急用トイレの作りかた」などの防災知識を
遊びながら覚えることができるカードゲームです。正しい手順に並べられたらポイントゲットです。

(画像はPR TIMESより)

8.防災すごろくゲーム「GURAGURA TOWN」

町の中で買い物をしながらゴールを目指す防災すごろくゲームです。ゲームの途中で出題される「地震クイズ」に手持ちのアイテムカードで答え、災害時のトラブルを解決するために有効な方法を学びます。

(画像はSAIBO TECHより)

なまずの学校や防災カードゲーム「シャッフル プラス」、防災すごろくゲーム「GURAGURA TOWN」などは、プラス・アーツ監修の防災グッズショップにて販売されています。

その他

これら以外にも、防災教育普及協会「【教材】実践経験に基づく防災教育教材・防災ゲーム等の一覧」でたくさんの防災について学べるゲームが紹介されています。

防災の無料イラストがあるサイト

1.防災無料イラスト

イラストレーターのいちぢひろゆきさんが公開しているサイトです。防災学習に使える便利なイラストが無料でダウンロードできます。なかなか探しても見つからないグッズなどのイラストもあり、画像のサイズも選べます。ゲームで紹介した「防災無料カルタ」や「津波避難すごろく」もこちらでダウンロードできます。

2.市民防災研究所「防災イラスト集」

3.みまもりレシート「みまもり防災イラスト・テキスト素材集」

レシートの裏面の防災情報やCMなどに使える15秒防災アニメーションなどに取り組んでいるみまもりレシート。そのイラストデータが無料でダウンロードできます。

(画像はみまもりレシートより)

素材集のページはこちらから。

4.いらすとや「災害」

教材づくりでよくお世話になっているいらすとやさん。カテゴリ「災害」には、避難訓練の「おはしも」や各種災害、さらには非常事態を表す赤く光った通天閣なんてマニアックなものまであります。

まとめ

今の勤務先で防災学習を担当するようになって4年になります。授業づくりの際は、生活の中で活用できるように、「いざという時に役立つように」を考えてきました。

ここに紹介しているもの全てを取り扱っている訳ではありませんが、防災を担当していることでアンテナが広がり、いろいろと知ることができました。

自分の忘備録的なねらいが大きいのですが、本当に防災っていろいろあるなぁと再確認しています。何かのお役に立てば幸いです。

また「こんなものあるよ」とコメントで教えていただければ有り難いです。よろしくお願いします。


参考にしたサイト

1.東京都教育庁「防災教育ポータルサイト」
「防災ノート」以外にも、資料や教材などが豊富に掲載されています。

2.防災教育普及協会

3.気象庁「防災教育に使える副教材・副読本ポータル」

4.防災教育switch「防災教育に役立つサイト」



表紙の画像はみんなのフォトギャラリーから選んだ防災グッズのイラストです。