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図書館が良書と悪書を選別しはじめたら、それは一種の検閲である。 2021/02/02

 今年は今日が節分だそうで、0202なのでおにおにの日ですね、などと思いながら起きる。今日は終日在宅なのだが、ノンストップで会議が入っていて、息つく暇がないうえに、色んなことが起きて拍車をかけてくるので気づけば日付も変わっていた。働きすぎた。

 意地でもなんか読もうと思って読みかけだった有川浩『図書館内乱』を読了。

 甘いラブコメなんだけど、焚書や検閲と言った硬派なテーマが散りばめられていて普通に面白い。そしてものすごく若い世代に支持されてるみたいなのだけど、チクりとした毒もある。

「嫌いなのよね、あの年頃の純粋さを盾に取った正義感って。自分の価値観だけで世の中全部量れると思ってるあの無意識な倣慢さとか、悪気なく上から被せてくる押しつけがましい同情とか。まったく世界に対して自分が一体どれほど重大だと思ってんだか、自意識が肥大しすぎて脂肪肝にでもなれそうな勢いね」
有川浩『図書館内乱』P.116

 あの頃は、と回想するか、自分は違うと、別の意味で肥大化した自意識を慰めるのか。

 図書館が良書と悪書を選別しはじめたら、それは一種の検閲である。国民の思想の善導機関として機能しようとし、良書を選別しようとした結果が戦時中の図書館の過ちに繋がっている。善導という意識がそもそも驕りだ。
有川浩『図書館内乱』P.218

 いやはや滅多にお目にかからない言葉ではあるけれど、「善導」という言葉の気味の悪さよ。

 読み終わり、酔っ払い、寝た。夜更かし。


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